気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

ブーゲンビリア

2006-03-28 22:13:11 | つれづれ
もしここで虹が懸かれば出ていこうそんな日ももうとうに過ぎしか

何年も使わぬままのケーキ型泡立て器などままごと道具

死んだふりしてるだけよ見てごらん今に芽を出すブーゲンビリア

(荒木美保 短歌人4月号)

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短歌人関西歌会の歌友、荒木美保さん。
一首目。上句で意思表明かと思えば、下句で時間が転換していて面白い。しかし、虹など待っていて立つものではないし、出て行くつもりはないのだ。
二首目。たしかに。台所の道具あれこれを、ままごと道具だったと見れば、役に立たない主婦である私はおおいに救われる。
三首目。希望を持って見ているようで、じつは毒の芽が出るのを待ってるのじゃないか・・・どちらだろう。

短歌人の歌会などで、知り合った人の歌を読むと、近況を知るような気がするが、どっこい騙されてはいけない。現実の姿とちがうキャラを立てて詠うのが歌人だから、そこは用心して歌として鑑賞しなければ、失礼なのである。歌を読むコードは詮索であってはならない。本音を吐くのは二次会の居酒屋で、耳元で・・・


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