気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

今日の朝日歌壇

2014-04-07 22:03:54 | 朝日歌壇
それぞれの春へと子らは歩み出し式後の靴なき玄関に立つ
(石川市 瀧上裕幸)

ひねもすを亀は亀の字春日和われは大の字ひねもす昼寝
(川崎市 藤田恭)

ぽこあぽこ春の足音poco a pocoゆっくり寄り道しているらしく
(神奈川県 九螺ささら)

************************************

一首目。卒業式に子供を送りだした後の玄関だろうか。ほっとしたような、ちょっとさみしいような感じが「靴なき玄関」に表れている。
二首目。亀の字は、亀そのもののように見える。三句目までで俳句になっている。下句は蛇足のようにも思われる。いや、三句目の「春日和」を介して、自分に引きつけて詠むのがいいのだろうか。図らずも短歌と俳句について、考えさせられる。
三首目。「ぽこあぽこ」は、スペイン語で「ゆっくりと」という意味。初句はひらがなで、三句目は横文字で表記して繰り返す。まさに、ゆっくりした歩みが感じられる。