気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

短歌人5月号 5月の扉

2014-04-27 18:59:23 | 短歌人同人のうた
たいせつに使われながら減ってゆくしろい牛乳石鹸がんばれ

日溜りの疊の上にまどろめるわたしはハチミツ色のせっけん

(木曽陽子 タイルを走る)

図書館の本の匂ひや公園の手摺りの匂ふ手、ざぶざぶ洗ふ

せつけんをかろくにぎつてくすぐるとわらつてわらつて泡をはきます

(大滝世喜 ざぶざぶ)

ワイシャツを揉み洗いせんウタマロの刻字磨り減る固形石鹸

両の手を揉むしぐさにててきめんに液状せっけんあらわれてくる

(柏木進二 除菌滅菌)

短歌人新年歌会の福引きに「たわしと石鹸」の景品ありき

ジェリー藤尾の歌声聞こゆ「シャボン玉ホリデー」の頃思いておれば

(西勝洋一 泡のごとくに)

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短歌人5月号、5月の扉。今月のお題は「石鹸」。