終電に遅れたときは始発まで待てばいい まあそんな感じで
旅びとのごとくH氏が橋渡りゆきてそのあと木枯らしが追ふ
(長谷川莞爾 H氏-木枯らしの歌)
天辺に賞味期限を示したるシールを載せてならぶ卵は
慌ただしく出会ひと別れをくり返しわが細胞も移りにけりな
(真木勉 卵)
ふくらんでふくらみきって耐えられず照葉(てるは)の森を飛び出す小鳥
水仙のすべては海を向いて咲くひと色だけを目に染みこませ
ふさいでもふさいでも空くみぞおちの穴から夏が夏が流れる
(谷村はるか まだ感謝ではない)
************************************
短歌人2月号、二月の扉から。
長谷川莞爾さん。題のH氏はご自身のことだろう。軽さと自分を客観視する目線の歌。
真木勉さん。選んだ二首は、針小棒大に物事を言う種類の歌。はじめて全国集会に出たとき、私の歌を取り上げてくださったことを忘れない。
谷村はるかさん。口語のストレートな詠いぶりから、何かが変わりつつあるように思える。言いさしの表現が多かった。リフレインから切羽詰まった感覚が伝わる。
旅びとのごとくH氏が橋渡りゆきてそのあと木枯らしが追ふ
(長谷川莞爾 H氏-木枯らしの歌)
天辺に賞味期限を示したるシールを載せてならぶ卵は
慌ただしく出会ひと別れをくり返しわが細胞も移りにけりな
(真木勉 卵)
ふくらんでふくらみきって耐えられず照葉(てるは)の森を飛び出す小鳥
水仙のすべては海を向いて咲くひと色だけを目に染みこませ
ふさいでもふさいでも空くみぞおちの穴から夏が夏が流れる
(谷村はるか まだ感謝ではない)
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短歌人2月号、二月の扉から。
長谷川莞爾さん。題のH氏はご自身のことだろう。軽さと自分を客観視する目線の歌。
真木勉さん。選んだ二首は、針小棒大に物事を言う種類の歌。はじめて全国集会に出たとき、私の歌を取り上げてくださったことを忘れない。
谷村はるかさん。口語のストレートな詠いぶりから、何かが変わりつつあるように思える。言いさしの表現が多かった。リフレインから切羽詰まった感覚が伝わる。