気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

短歌人1月号 同人のうた その3

2011-01-19 17:37:57 | 短歌人同人のうた
あるときは聖母のやうな 笑み方の種類の増えてもうすぐ二歳
(本多稜)

鶴わたるピザ配達の青年のうえを遥かな夢のごとくに
(八木博信)

ものくるる友はよろしと口ずさみ宅配便に記す印影
(森澤真理)

雨やみし空は大皿かたすみにちぎれ雲置きあなた待つなり
(梶田ひな子)

天井を見上げ笑いの止まらないメタボリックな布袋様は
(岩本喜代子)

初春(はつはる)の端っこの席 酔(よ)ノ助が永久の別れの場所だったとは
(岡田悠束)

終の日の息を思いつ湿りもつばらの花びらふたひら、みひら
(佐藤慶子)

プードルにセーター着せしむ人の貌貧相である黄昏れてゐる
(ふゆのゆふ)

外国人墓地に眠れるあまたなるジョンの望郷アンの望郷
(藤原龍一郎)

わが妻のどこにもあらぬこれの世をただよふごとく自転車を漕ぐ
(小池光)

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短歌人1月号同人1欄から。
今月は青柳守音さんの挽歌が多かった。

私自身は、パソコンの調子が悪くブログの更新まで手が回らない感じ。
なんとなく気ぜわしい。