通勤という苦役幾年重ね来て妖怪ツトメニンに化けるか
日々の泡を抽象的に語りたる活字を追いて芯を病みしか
マンションのロビーに蝉の亡骸が転がっているそんな日常
総務部の管理職ゆえ管理する会議室、倉庫、その他の鍵を
ケイタイの液晶画面にいつの日かTHE ENDの文字浮かんで消える
罰としてコピー用紙で指を切り冬のオフィスの無期囚徒なる
(藤原龍一郎 日々の泡・泡の日々 邑書林)
***************************
邑書林セレクション歌人シリーズの番外、藤原龍一郎集を読む。第九歌集。
都会的で華やかなイメージの藤原さんではあるが、日々の労働の歌に勤め人の悲哀を感じる。
目を引くような固有名詞が頻出する歌以外にも、しんみりした歌もあると思った。
歌集の後半には、アンソロジー 藤原龍一郎の目という章があって、これも面白く読める。
こういうオマケをつけるところが、藤原さんのサービス精神旺盛なところだろう。
わが夫と生年月日の近きゆゑ他人事ならぬ辰年の彼
(近藤かすみ)
日々の泡を抽象的に語りたる活字を追いて芯を病みしか
マンションのロビーに蝉の亡骸が転がっているそんな日常
総務部の管理職ゆえ管理する会議室、倉庫、その他の鍵を
ケイタイの液晶画面にいつの日かTHE ENDの文字浮かんで消える
罰としてコピー用紙で指を切り冬のオフィスの無期囚徒なる
(藤原龍一郎 日々の泡・泡の日々 邑書林)
***************************
邑書林セレクション歌人シリーズの番外、藤原龍一郎集を読む。第九歌集。
都会的で華やかなイメージの藤原さんではあるが、日々の労働の歌に勤め人の悲哀を感じる。
目を引くような固有名詞が頻出する歌以外にも、しんみりした歌もあると思った。
歌集の後半には、アンソロジー 藤原龍一郎の目という章があって、これも面白く読める。
こういうオマケをつけるところが、藤原さんのサービス精神旺盛なところだろう。
わが夫と生年月日の近きゆゑ他人事ならぬ辰年の彼
(近藤かすみ)