気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

2007-02-21 19:42:02 | おいしい歌
鶏卵を割りて五月の陽のもとへ死をひとつづつ流し出したり
(栗木京子)

処女(をとめ)にて身に深く持つ浄き卵(らん)秋の日吾の心熱くす
(富小路禎子)

大きなる手があらはれて昼深し上から卵つかみけるかも
(北原白秋)

ほんとうにおれのもんかよ冷蔵庫の卵置き場に落ちる涙は
(穂村弘)

砂浜のランチついに手つかずの卵サンドが気になっている
(俵万智)

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今日は、とうげ歌会の投稿の〆切。
今回のお題は「卵」である。卵から思い出す歌がいくつもあって、自分でもいくつかのパターンを作ってみた。迷ってまよってさっきやっと詠草を送った。さて今回はどんな歌が並ぶことだろう。↓は出さなかった歌。こちらの方がよかったかな。

パック入り玉子六ヶを食べ切れず捨つるわが身に天罰あらむ
(近藤かすみ)