気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

春畑茜『きつね日和』批評会

2007-02-04 01:45:19 | おいしい歌
蜜豆のひそひそ話ひそひそと陶(たう)のうつはに生(あ)るるさざなみ

寒天のうすくれなゐにあはき白午後のひかりを匙は掬へる

灰白の志野の小皿のうへにしてひとつぶおほき梅干は光(て)る

(春畑茜 きつね日和 風媒社)

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春畑茜第二歌集『きつね日和』の批評会に名古屋へ出かけた。
加藤治郎、松村正直、東直子、中津昌子のパネラー各氏の批評を中心に、この歌集をいろんな方向から読むことが出来た。わたしとしては、春畑さんの食べ物の歌が好きで、よく「食べ物のうたはおいしそうでないとダメね」と言い合っていたので、この方面の意見が出なかったのが残念だった。
ネット上の歌会や題詠マラソン、題詠ブログ100首に共に参加し、苦労している仲間として(ずっと後輩ではありますが)本当に良い歌集が出来たことをこころからお祝いしたい。そしてますますのご活躍をなさいますよう、春畑短歌のファンとしてもっともっと読みたい気持ちがまた高まった一日であった。