気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

レキオ 琉球 渡英子歌集

2006-03-22 21:11:06 | つれづれ
茫漠に居らず茫洋にゐるひつじ趾(あしゆび)冷ゆる夜に数ふる

琺瑯の鍋にココアを温めて恋猫のこゑ、のように甘くす

(レキオ 琉球 渡英子歌集)

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短歌人の渡英子の歌集レキオを読みはじめる。
一首一首が深く、内容がたっぷり盛り込まれていて、時間をかけて読みたくなる歌集。

一首目。茫洋の文字の中にひつじが隠れている。足の先が冷えて寝付かれないので、ひつじの数を数えているのだろうが、この当たり前の内容から、こんな深い歌が出来ていて感心する。
二首目。琺瑯の鍋、ココア、恋猫という道具立てがおもしろい。こゑの旧かな、そのあとの「、」のうまさに舌をまく。
読むのに時間をかけたいので、コメントはあとで。