気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

玲瓏之記 山中智恵子 

2006-03-15 00:21:38 | つれづれ
死へむかふ空白(うつろ)の舟にただよへるゆめよりほかのわれを思へよ

われらこの青くきらめく遊星にまなこは冷えて春おぼろなり

夢の草より春は到らむ繭のごとやはらき美しき草

ガレの壺に螢火ともす頃となりわがただよひははじまりたりき

春の夜の夢前川(ゆめさきがは)にめざむれば草の枕のひとに逢ひける

(山中智恵子 玲瓏之記 砂子屋書房)

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たまたま府立図書館から借りていた山中智恵子『玲瓏之記』。タイムリーになってしまって悲しいが読む。むつかしいが深い味わいがある。
例えば、夢の草・・・の歌。77547なのだろうか。わからない。

話しかわって、ときどきパソコンのカーソルが見えなくなるな・・・と思っていたが、どうも私の目の方が悪かったようだ。無理は出来ないが、読書やパソコンをやめたからといって良くなるわけでもないらしい。京都は寒の戻りで、雪がちらつく。

降る雪は夢かうつつかわたくしの眼(まなこ)に映るもののかずかず
(近藤かすみ)