BIKEBIND自転車日記ブログ2

BIKEBINDの自転車日記ブログの移転先。過去が消えるのも忍びないので…。

2012 ターナー・ちょいちょい

2011-09-07 23:32:00 | 自転車
ちょっとびっくりなのですが、ターナーが現行のフレームのほとんどに手を入れてくるようです。

各チューブ、リヤアクスル、リヤショック、ワイヤルーティングなど多岐にわたります。










http://www.bikerumor.com/2011/09/07/turner-updates-entire-mountain-bike-range-new-shocks-tubes-axles-more/#more-35059



これはリヤショックの変更に端を発しているようです。一時ロミックなどに手を出していましたが、現在はフォックス一筋と言っていいターナー。しかし数年前に投入したブーストバルブには納得がいかなかったらしく、あえてブーストバルブを装備していないユニットを採用していました。確かノーマルの方が挙動が素直で、扱いやすいと言っていたような……。

ところが、フォックスはエンジニアを派遣してターナーと共にトレイルを走り、彼を納得させる製品を提示したのです(えらいもんが……、提示されたな)。そしてターナーは徐々にブーストバルブに浸食され、今ではブーストバルブしかないといっても過言ではない。いやむしろブーストバルブでなにが悪い! ということになりました(笑)。

そして全車種ブーストバルブ搭載決定と相成ったわけです!

そしてついでなんですが、リヤホイールの固定は142×12㎜スルーアクスルのみとなります(一部フレーム売りを除く)。ここは当然の流れですね。ワイヤルーティングも良いですね。こうやってボルトで固定できれば、暴れることなくまたタイラップの頭が見苦しいこともなくスマートに収まります。

スルタンと5スポットも44㎜ヘッドチューブにより普通のオーバーサイズ、下ワンがワンポイントファイブテーパーコラム、上下ともにワンポイントファイブなど主要規格フロントフォークにヘッドパーツを変えることで対応できます。最近の流行はテーパーコラムなので、ヘッドチューブがずんぐりむっくりしているのですが、ターナーのヘッドチューブがまっすぐなチューブなのはこのためです。またリザーバータンク付きにユニットに変更できるように、空間を広く取ったチュービングに変更してあります。

あ、問題のRFXは私はまだ発見していません。どこかにはあるはずですけど……。

とりもなおさず、ターナーらしい現場からフィードバックした手堅いリファインです。良いメーカー、良い開発者だなあ……。ぞっこんラブですよ(笑)!

最後に豆知識を。もしデイビッド・ターナーに会う機会があるなら、おみやげにふりかけを持っていくと良いでしょう。そう、日本のふりかけです。彼の大好物だったはずです。何味が好きかは……、賭です!



2012 デダ・ちょいちょい

2011-09-07 23:26:00 | 自転車
世界と日本の流れはまったく違うんでしょうねえ……。ネットからの情報もそうですし、海外に行った人から聞く話も同様です。別に海外がすべて正しいとは言いませんが(笑)。

デダは以前からMTB系の製品もリリースしていました。ただこうやって新しい者ばかり並べられると……、同社の危機感というか取り巻く環境が伺えます。















http://www.bikerumor.com/2011/09/07/new-deda-elementi-components-stealth-bomber-aerobars-alloy-35-handlebars-mtb-more/#more-35041



残念ながらデダのMTBパーツを装備した人は滅多に見ません。少なくとも私は。それは製品が良い悪いということではなく、ロードパーツというイメージのためでしょう。それは一方でロードパーツにおいてはかけがえのない財産となりますから、難しいところですね。

ただ……、今MTBではフラットバーなんだよと教えて挙げる人はいなかったのでしょうか(苦笑)?」

そしてロードパーツ。なにを考えて居るんだか? と思ってしまった35㎜クランプハンドル&ステムなんですが……、順調に製品を増やしています(苦笑)。

うーーーーーんんんん。どうなんでしょ? 個人的には嬉しくも斬新でもない提案なんですが、ジャイアントのオーバードライブ2と同じく(苦笑)。あ、そうか、このままではジャイアントのバイクにデダ製品は着かないのですね。FSAや自社製品など用意があるとアナウンスされていましたが……。デダもあったかな? コラム径も特殊、ハンドルクランプ径も特殊では、在庫は厳しいですねえ。

剛性が上がるのも分かるのですが、どこかで衝撃や振動は逃がさなければいけませんから。全てを強化しても……。上ワンも1-1/2にして失敗したロードバイクはいくつかありますし……。まあ2年くらいすれば結果が出るでしょう。

あ、そうそう。デダのハンドルクランプ径は実はオリジナルなんです。各社31.8㎜に合わせているのですが、ここだけ31.75㎜という路線を走っているのです。……あまのじゃくなんですかね? 昔の35.8㎜や26.0㎜とは違い太く差もわずかなので、他社と組み合わせても問題はなさそうですが、念のため同社間での組み合わせをお勧めします。

えらく男前なのがDHバーです。TTバイクとシクロクロスもかなり広まって居るみたいですから、投入してきたんでしょうね。

TTポジションというのは特殊なうえに、好みもまたその人によって異なるので難しい製品です。シマノ・PROが受け入れられる理由の一つはバリエーションの多さですからねー。

とはいえこのBANDITO TRIATHLON AEROBAR、攻撃的で格好いいです。部屋に展示しておきたいくらいです(笑)。

それとさりげなくラインナップする会社が増えているのが、セライタリアのモノリンク対応のシートポストなのですが、デダもしっかりとあります。サドルが合わなければしょうがないですが、なかなか無くならないシステムなので意外と普及するかも知れませんね。


2012 ファストフォワード・ダークラベルモデル登場

2011-09-07 19:59:00 | 自転車
カンパもフルクラムもダークラベルモデルが登場しました、同じ所ですけど(笑)。マヴィックも普通は真っ黒、しかし光が当たると反射するリフレクトダークラベルとでも言うべきグラフィックをまとっています。

オランダのファストフォワードもその流れに追従するようです。












http://road.cc/content/news/43139-eurobike-2011-wheels-roundup-fulcrum-campag-mavic-bontrager-edco-easton-reynolds



多分世界のロードホイールの流れなんでしょうね。たかがステッカーなんですが、されどステッカーです。特にリムのカーボン化に伴い、あらゆるステージで使われるようになったディープリムは格好の広告媒体・看板にうってつけの存在です。テレビ中継、写真などあらゆる状況で目立ちますし。

流行とはいえ、メーカーも複雑でしょう(苦笑)。

レイノルズ・新ステンレスチューブ、931登場!

2011-09-07 18:11:00 | 自転車
なるほど、こういう手段で来ましたか。


http://road.cc/content/image/43032-eurobike-2011-nick-day-5-sat-22jpg
全世界的なカーボン化の流れに真っ向から反抗するスチールバイク達。日本は競輪によってかなり守られていますが、ヨーロッパは壊滅状態、かろうじてアメリカの好き者達が守っているくらいです。しかしNARBSの人気が物語るように、昔からの自転車好き、そしてピストなどで目覚めた若者達の熱い視線が注がれているのも一つの流れです。

そして鉄系のビルダー達が、カーボン、アルミなどに対向すべく目をつけているのが古くて新しい素材・ステンレスです。

今まではコロンブス・XCRとレイノルズ・953が主な自転車用材料でした。しかしお世辞にも手頃とは言えず、40~60万円ほどのプライスタグが付いていました。一般人にはちょっと手が出ないですよね。それを考慮したのか、勝負どころだと思ったのか、レイノルズは新チューブ・931を登場させました。しかも953よりも下の格付けとなるようです。

熱の周り具合や強度などクロモリやハイテンとは異なる性質を持つので、新たな技術が必要ですが、ビルダーにしたらカーボンや熱処理が必要なアルミよりはるかに身近な素材でしょう。

めっきや塗装では絶対に出ない、中からあふれ出てくるようなステンレスの輝きは素材フェチのみならず、多くの人の心を魅了しますねえ。

この931には期待してしまいますよ!


980XTRについての一考察② ブレーキシステム中編

2011-09-07 14:01:00 | 自転車
ライダー・チューンド・コンセプト考察 
ブレーキシステム中編




でパッドです。フィン付きレジン、フィン付きメタル、なしレジン、なしメタルの4種類になります。

まあちょっと皮肉なんですが、シマノが最初期の油圧ディスクをテストしていたとき、ダブルローターとともに試していたのが水冷式の排熱システムでした。キャリパーからうにょうにょホースが伸びて水が溜められていましたね。結局それは製品には採用されませんでしたが、車などを見れば空冷式より水冷式の方がどう考えても安定性は上です。

それが回り回って空冷フィンになったのにえらく因果を感じるのは私だけでしょうか(笑)? もっとも後述のローターも合わさって、このシステムは非常に優秀な結果を出すことになるのですが。重量とメンテナンス性を考えれば、もちろん新型に軍配が上がります。






ローターはアルミの芯にステンレスをサンドイッチした積層構造の『クラッド』材製のローターです。あまり聞き慣れなく、さらにシマノではアイステクノロジーと言ってしまっているのでざっと解説すると、2層以上の金属を貼り合わせた物です(メッキは異なります)。

基本的には高価な材料、ステンレスなどを節約するための技術です。異なる素材、本来なら溶接などは出来ないような電位差があっても一体化させたもの、それがクラッド材です。表面がステンレスなら錆びませんし、他にも鉄、アルミ、ステンレス、金、銀、銅、ニッケル、バナジウムなども組み合わせることが可能です。塗装も不要な場合が多く、軽くなり、そして安く済むのです。さらに通電性、放熱性などそれぞれの金属が持つ特性も損なわずに併せ持つことが出来る、非常にユニークな素材なのです。溶接も出来ます。

一般的なのは多層フライパンなどですが、我々の身近に多く使われている素材です。あと物干し竿もそうです。ステンレスの耐候性のために表面にステンレス、中身にアルミを用いて、安く軽く仕上げて居るんです。物干し竿の値段が高くなっていかない理由がここにもあります(笑)。今回は住友金属直江津との協力があったようです。




↑層になっているのが分かります。

以下引用
2011年4月15日
株式会社住友金属直江津

耐摩耗性と放熱性に優れた3層クラッド鋼板が
株式会社シマノ殿のマウンテンバイク用ディスクブレーキローターに採用

 当社が開発した耐摩耗性と放熱性に優れた3層クラッド(*1)鋼板が、この程、株式会社シマノ(以下 シマノ)殿のマウンテンバイク用ディスクブレーキローター(*2)材料として採用されました。マウンテンバイクのブレーキ性能の向上と軽量化に貢献しています。

1.開発の背景
 自転車のディスクブレーキローター材料には、耐摩耗性に優れたステンレス鋼板(*3)が使用されています。特に競技用マウンテンバイクでは、長い下り坂の連続ブレーキでローターが加熱し、フェード現象(*4)というブレーキ性能の低下が起こることがあります。これを防ぐために、耐摩耗性だけでなく、高い放熱性も備えたローター材料が求められていました。

2.開発の概要
 当社は自転車パーツで世界トップブランドのシマノ殿のご要望にお応えし、ローター材料として、両外層に耐摩耗性に優れたステンレス、中間層にアルミを配した3層クラッド鋼板を開発しました。ブレーキ時に発生した熱が、外層のステンレスから熱伝導性の良いアルミを通してローター表面全体に伝わり、空気への放熱面積を広げることで、放熱性を高めました。

3.採用パーツ
 シマノ殿のマウンテンバイク用最高級パーツ「XTRシリーズ」(2011年モデル)のローター材料として採用されました。

4.効果
 (1) 両外層は耐摩耗性に優れたステンレス鋼を採用しました。
 (2) 中間層は熱伝導性が良く軽いアルミにすることで、
   (A)連続ブレーキ時のローター温度上昇を従来の約半分に低減、安定したブレーキ性能を実現しました。
   (B)約3割の軽量化を実現しました。

5.今後の展開
 ローター材料以外の分野で、今回開発したステンレス/アルミ/ステンレスの3層クラッド鋼板の特徴「耐摩耗性と放熱性の両立」を活かした用途開拓を進めます。

用語解説
*1 クラッド:クラッドとは、ステンレスとアルミ、鉄とアルミ等、異なった金属同士を圧着し一枚の板にするものです。当社は世界でも数少ないクラッドの専用圧延機を持ち、クラッド材料を量産しています。
*2 ローター(ディスク):ディスクブレーキを構成する円盤状の部品。ブレーキパッドを回転するローターの両面に押し付けて、その摩擦力によって制動します。通常の自転車はリムブレーキを採用していますが、安定した制動力が必要な場合にはディスクブレーキを採用します。
*3 耐摩耗性に優れたステンレス鋼板(マルテンサイト系ステンレス鋼板):熱処理によって、硬度を高めたステンレス鋼板です。
*4 フェード現象:ローターの温度上昇で摩擦力が低下し、制動力が落ちる現象です。

http://www.nikkan.co.jp/newrls/rls20110415a-02.html
引用終わり

当初、クラッド材の採用は単に軽量化のためでした。しかしライダー達にテストしてもらったところ、非常にブレーキの効きが安定するという答えが得られたそうです。そしてサーモグラフィで確認すると、なんと100度以上使用時の温度が下がっていたとか。これは開発陣もびっくりだったようで、本来フィン付きパッドだけに着けられる予定だったアイステクノロジーという名称を急遽ローターにも着けることになったのです。ブレーキは運動エネルギーを熱エネルギーに変換する装置ですから、この温度の下がり具合は効果絶大です。

思えばローターは755からシマノディスクブレーキの最大の鬼門でした。初代が遅れたのがローターの失敗だったと言うことですから。少しでも軽くしたかったため、他社がXCタイプの厚みが1.8ミリだったのに対して、シマノは1.75ミリで出てきました。試作時はもっと薄かったようなので、現代の視点からすればダメで当たり前なローターでした。マグラなどの2.0ミリ厚ローターからすればタッチの差は歴然です。ヘイズの良さも実はローターにあったりします。ローターの厚さは剛性と排熱性のため、犠牲にしてはいけない厚みなのです。

でも今回のモデルで一気に頂点まで駆け上る可能性があります。通常のローターより100度以上発熱を低くすることが出来るものは、まだこれしか存在しません。海外ではクラッド材のローターを作っているブランドもあるんですが、温度などはちと確認できません。ウェーブローターと2ピースローター以降、革新的な技術が導入されてこなかったMTBローター。これはひょっとするとマイルストーン的存在になるのかもしれません。

この積層技術を聞いたとき、すげー! と単純に感心し、接着? それとも爆着? 電位差は大丈夫なの? などと妄想を繰り広げましたが、話しを聞くとシマノ独自の技術では無いそうです。そう最近よくある積層鍋、あの技術が応用されているのです。化学反応による一体化なんですね。また完全に密着しているので、イオン化による電子の動きもないとのこと。

ほぼ全てがアルミで形成された新XTR。全てがカーボンで形成されたマグラ・MT8と対極的な感じもしますね。


後編へ続く