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E13 DH crankset - TheHive from Sick Lines on Vimeo.
http://www.sicklines.com/2010/05/28/e-thirteen-acquired-from-by-the-hive-and-debut-a-new-2010-dh-crank/#more-8685
スペック
素材 クランク部 鍛造7075アルミ BBシャフト部 熱処理クロモリ窒化チタンコート30ミリ径
BB BB6806(7×30×42、ベアリングの幅×内径×外径) 68/73/83ミリ対応
PCD 104ミリ(インナーチェーンリングはミドルの延長部分に取り付ける、デュラトリプル形式)
長さ 165、170、175ミリ
といったところです。
アームは鍛造して削りだしていますね。アーム部分の精度は良さそうです。
もっとも注目すべきはシャフトでしょう。30ミリ! という太さをノーマルBBで実現しました。スペース的には問題なくありましたので、簡単だったのでしょうが(苦笑)。ホローテック2タイプの24ミリシャフトよりも200%丈夫に出来ているとしています。これはどっちが正しいのでしょうね? シマノは折れないために24ミリに留めたとしていますから。今の時点ではわかりません。ちゃんと右に繋いでいるのも高ポイントです。
そして左クランクとの接続方法。ポリゴン嵌合と成っていて、なるほど、確かにおむすび型の丸めの三角形です。これがえらく丈夫だと主張しています。
ペダルネジ部分は当たり面にスチールを埋め込んでいますね。うーん、貫通していなくていいのかな?
そしてBB。当たり前ですがシャフトに対応して30ミリの内径です。工具は専用品が必要な感じです。勿論大口径なので強度的には従来のBBより剛性が高いでしょう。
ですが! ですが気に入らない点が一つあります。
それはウエーブワッシャーでガタ取りをしていること。これはダメです。シャフトを固定するのにこの巨大なボルトが欲しかったのでしょうが……。アメリカ人はウエーブワッシャーが好きですねえ(苦笑)。もうね、これはダメダメなんです。もうすでに私の目にはしばらく使って削れてしまったBBシャフトが浮かんできます。これなら極薄のカラーを何種類も付属させて現物対応しろといっている方がまだマシです。
私が何故こんなにもウエーブワッシャーを嫌うのか? それはクランクの負荷の掛かる方向が縦方向だけでないことに端を発します。
キャノンデールやスペシャライズドの高級なBB30モデルに乗っている人は、実感としてあるでしょう。ベアリングがダメになるどころか、クランクシャフトが削れてしまったという事態を。もっとも走り込まなければそのような症状は起こりませんが(苦笑)。カンパニョーロも2011年にクランクの形式を変更してきます。ですがウルトラトルククランクが比較手にマシなのは、ベアリングをシャフト部分に圧入してあることです。これによりシャフトのダメージを最低限に抑えています。もっともこれではベアリングに負担が集中してしまうので、犠牲になってしまいますが。
クランクには回転方向の『縦方向』だけでなく、スタンディングやコントロール時において『横方向』にも負荷が掛かります。ウエーブワッシャーは完全に潰してしまっては意味がありません。ちゃんとバネとしての力が発揮できるように適正な空間が必要です。
でもそのバネとしての特性が問題なのです。
バネということはそこの部分が動くことを前提にしています。クランクというのはちょっとした距離でも何万回、何十万回と回る物ですから、ほんの1ミリ以下の動きでも結果的にはとんでもない距離をがたついていることになります。当たり前なんですが、そうなればシャフトにもベアリングにも過大なダメージを与えてしまうのです。ベアリングだけならともかく(といっても最上級を買うような人はセラミックを入れていることが多いので、諭吉さんが何人か家出することでしょう)、クランクまでいってしまわれては……。泣くに泣けません。
そもそもBB部分にそんな部品を使う意味が、私には理解できないのです。
シマノの回転の重さは伊達ではありません。あそこまでしなければ様々なストレスに対してガタを出さないようには出来ないのです。とくにこのクランクはDH用と銘打っていますから、横方向にも多大なストレスが掛かるはず。焼き入れクロモリをチタンコートしても、それは根本的な解決策ではありません。横方向のガタを出さないこと、これとても重要です。
今からでも遅くないので形式を替えた方が良いです。おそらく970系XTR形式が最良でしょう。ローターもそうですし。もしこのまま出てきても、私ならウエーブワッシャーは外してシマノのロードトリプルのようにプラスチックのスペーサーを挟むことでしょう。内径が違うので加工が必要かもしれませんが。例え回転が遅くなっても。
BBに着いているカバーは簡単に外れるようです。あれではシール性はほとんど見込めません。高剛性、高性能も正しいです。ですがそこに性能維持という要素はなくてもいいのでしょうか?
現行のセイント・FC-810-1だと170ミリ、チェーンリング(36T)、バッシュガード、BB(68)込み込みで1059グラムとなっています。バッシュガードが150グラムくらい、ナットは15グラムくらい、チェーンリングは90グラムくらいです。
対してこのクランクはクランク(165ミリ、759グラム)とBB(83ミリ、111グラム)で870グラムとなっています。
ふむ、100グラムくらい重いだけですね。バッシュガードなどの選択を間違わなければ、ほぼセイントと互角と言っていいでしょう。
ちょっといじめてしまいましたが、トゥルバティブなどよりも遙かに良く考えられた製品です。チェーンデバイスの会社が作ったことで、相性は抜群でしょうしね!MRPは重すぎます……。
サードパーティではレースフェイスやローターなどと並んで、久々にアッセンブルしがいのあるクランクだと思います。
http://e13bythehive.com/
そして、極太ハブメーカー、チャブを抱えていたハイヴがE13とレヴェルを傘下に置くこととなり、新たなコンポーネント勢力が形成されることになりました。
かなり楽しみな会社です。
他の会社もアメリカでは再編劇が起きています。それがどんな結果をもたらすのか……。少なくともヘイズグループのような失敗はしないでほしいです(苦笑)。