ええ……。
公益財団法人・日本自転車競技連盟(JCF)が公式スポンサー契約を結ぶ健康補助食品販売会社「梅丹(めいたん)本舗」(大阪府摂津市)の2製品から世界反ドーピング機関(WADA)で禁止されている、たんぱく同化ステロイドが検出されたことが20日、分かった。JCFは同社と2011年から契約し、五輪を目指すトップ選手らに製品を提供していた。公式と銘打った飲食物から禁止物質が検出されるのは前代未聞で、リオ五輪を間近に控えて混乱は避けられそうにない。
【写真】禁止薬物使用を認めたシャラポワ
商品を製造・販売する梅丹本舗によると、WADAが指定する禁止物質が検出されたのは、梅を液体状に加工した「古式梅肉エキス」と粒状のサプリ「トップコンディション」の2製品。ほかに、梅肉エキスが含有する「梅丹スーパーエキストラゴールド」など6製品の使用を中止するよう11日にJCFに報告し、選手らに告知した。
サプリなどを提供する場合、大塚製薬、味の素、森永製菓、明治、ドームの大手5社などは、日本アンチ・ドーピング機構(JADA)の審査を受けて販売している。義務づけられていないため、梅丹は審査を受けていなかった。社内では以前から「日本代表選手も口にするものなので、成分などについて第三者の検査が必要」との議論をしてきたが、適切な検査機関が見つからず、JCFからの指摘もなく、野放し状態となっていた。
今年に入り、梅丹が10製品についてWADAの指定する英国の検査機関に依頼。4月になって「製品から禁止物質が見つかった」と連絡を受けた。今回の検査はふるい分け検査の段階で、確定検査の結果が判明次第、改めて発表するとしている。選手からステロイドが検出される可能性については「分からない」としている。
検出された、たんぱく同化ステロイドは、負傷部位の治療や筋肉増強剤にも使用される代表的なもの。自転車選手の場合、ステロイドの摂取で筋力がつき、けがからの回復も早くなる一方、肝機能などへの負担も増えるという。
選手によると、試合会場の控室などに数種類の梅丹のサプリなどが置いてあり、誰でも口にできる状態だった。ある選手は「公式サプリだったので梅肉エキスなどを服用したのは間違いない。禁止物質が含まれているとは想像もできなかった」とショックを隠せなかった。梅丹側は提供した選手の数、商品数などの詳細について「現段階で詳しい数字は分からない」と話した。
ドーピングで効果を上げるには1日に100ミリグラムから2500ミリグラムの投与が必要とされる。問題の梅肉エキス1グラム当たりのたんぱく同化ステロイド成分は0・00005ミリグラムと微量で効果はないとされるが、検査では微量でも陽性反応が出る。クロとなれば、選手は数年間の出場停止や資格停止など厳しい処分が科せられる。
JCFはスポーツ報知の取材に「担当者が不在で回答できない」とした。リオ五輪を目前に控えたこの時期に判明した“ドーピング危機”。梅丹本舗とJCFのずさんな管理体制が問われることになりそうだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160420-00000225-sph-spo
梅丹本舗は長く自転車界を支援してくれていたメーカーです。でもJCFの公式スポンサーになったのは2011年からと、結構最近です。
薬物はたんぱく同化ステロイド(ボルジオン)。梅肉エキス1グラムから0・00005ミリグラムというので、効果ははっきり言ってないでしょう。それにメーカーに同情したくなるごく微量です。それでも5年間、禁止薬物摂取となってしまった選手達は非常に不安な心境でしょう。ちょっとでも出てしまえば、アウトになってしまいますから。
メーカーに同情してしまいたくなると前記しましたが、それでも検査すらしていなかったという話しを聞くと、なんのためにスポンサーになったのか、選手たちに支援どころか負担になってどうするんだという気持も沸いてきます。
再発防止の道筋と選手達へのサポートを、梅丹本舗もそうですがJCFも認可した側としてきっちり行ってほしいと思います。