BIKEBIND自転車日記ブログ2

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コルナゴ・EPS改め、EPQ登場!

2011-02-28 17:07:00 | 自転車
意外です、意外すぎます。

すでに2012年の話題が出ている中で、なんと2011年モデルの発表です!

……まあ、ここら辺の年度区切りはすでに有名無実化していますから、どうでもいいんですけどね(苦笑)。パソコンと一緒で欲しいときが買い時です。モデルの熟成、ファーストロットは避けるなんてしていたら、いつまで経っても買えません。在庫が潤沢にある時代は終わっています。圧倒的な差があるならともかく、完成車も部品もライバルとの差があまりありませんから、トヨタ・カンバン方式にならざるを得ないのです。

それはそれとして、

コルナゴ・EPQ

稀代の名車、EPSの新型モデルです。コルナゴを救ったと言っても過言ではないエクストリームパワーから数えて3代目となります。最新作・C59がコルナゴのすべてのレーシングバイクを統合したと思いきや、どっこい生きていました。






http://www.cyclingnews.com/news/sneak-peek-colnagos-new-epq
http://www.colnago.com/ja/bikes/2011/epq

EPQというあまり強そうではない名前で出てきました(笑)。これは新型シートステー・Qステーに由来するのでしょう。C59に使われた技術がそのまま投影されたようです。今までのEPSの前三角とQステーを合体させたのですね。そのほかにはワイヤの内装化、そしてシマノ・Di2対応という感じらしいです。

んで、今までコルナゴのホームページを見ても気がつかなかったのですが、EPSのカーボンについての解説が載っていました。まったく人が悪い(苦笑)。

オメガカーボン

EPSのカーボンチューブ技術ですが、EPQやC59にも通じる技術と考えて良いでしょう。コルナゴにはラグ式だけでなく、M10が引き継いだカルボニッシモ、E-1、プレジデント等のモノコック式の系譜もあります。どちらも一長一短があるということかと。両方諦めないところが偉いですね。

製法は要するに『マンドレル方式』なんですね。鉄の心棒にカーボンファイバーを巻き付けるのが一般的なマンドレル式なんですが、コルナゴはプリプレグを用いるようです。面白いですね。ただ書いたり訳したりした人間がカーボン技術に明るくないと間違えてしまう可能性があるので、トウプリプレグ(糸に樹脂を含ませたカーボンファイバー。プリプレグシートが布状なのに対して糸状)の可能性も否定しきれません。マンドレルを利用したフィラメントワインディング方式には、こちらのトウプリプレグを使うのが一般的です。

マンドレルに巻き付ける方式が何故優れるかというと、プリプレグ同士の重なり部分がなくなるためです。これにより均一で軽い、優れたカーボンコンポジットが出来上がります。余計な重なりは層を生み出し、界面になってしまいます。残留空気の可能性も上がります。そうするとエネルギーは界面に留まってしまい、思い通りの性能が出なかったり、最悪破断しています可能性があります。釜で焼いた部品はバックでエアを排除するため、ほどんどありませんけど。

基本的にマンドレル方式は、オートクレーブ釜で成形されます。自転車フレームを丸ごと釜で焼くのとは異なり、内側にバックを仕込まなくてよい分手間が省け、鉄芯のおかげで高精度に仕上がります。F1や飛行機のように予算を問わなくて良いならもちろん、内、外両方にバッグを使い複雑な形状にしても問題ないのですが。パイプ状なら場所も取らなくて済み、(比較的)大量に作ることも可能です。コルナゴの宣伝文句に、フェラーリと同じところでカーボン部品を作らせているとありますが、まず間違いなく釜を持っているでしょう。

プリプレグはマルチディレクションとユニディレクションの両方を用いています。こうして『3PRSチューブ』ができあがるのです。

この作り方は最上級のカーボン製法の一つです。ですが最上級の肉を使っても、塩加減一つでまずい料理を作ることが可能なように、製法がすべてではありません。フレームの製法のみで完成車の性能を語るのはナンセンスです。

コルナゴが極上の料理であるか否かは……、プロレーサーや世界のサイクリストが証明していると思います。

ちなみにラグはハンドレイアップのようです。形状が複雑ですからね。でもオートクレーブで焼いているようです。12層とのこと。いやいや、高い訳です。これでコルナゴがラグドフレームにこだわる理由が分かりました。なるほどなるほど。

ちなみにEPSの最終工程はここに動画があります。「コルナゴ・EPSの作り方」

あとチューブ内部にリブがあるのも特徴の一つなんですが、多分、これが関わっている可能性が高いです。図らずも日本の技術ですね。

角形断面繊維強化複合材梁の製造方法
多段角型の金属マンドレルにプリプレグをハンドレアップすることにより中リブを構成する。その外周に樹脂を含浸した炭素繊維をフィラメントワインディング 法で処理する。減圧バグーオートクレーブ硬化してマンドレルを脱芯してなる中リブを有する角形断面構造用炭素繊維強化複合材梁を製造する。

http://www.patentjp.com/07/F/F100196/DA10003.html

さらにですね、注目して欲しいのはジオメトリーなんです。メーカーが手を抜いていないか簡単に見極める方法があります。それはチェーンステーの長さを見ること。手を抜いているメーカー(コスト削減のため、仕方ない面もありますけど)はここのサイズが身長200センチのライダーのフレームも、140センチのライダーのフレームも全部一緒なんていうのもザラです。コルナゴはすべて違います。

397、399、402、405、407、409、412、413(シートサイズ420~580スローピング)

たいしたもんです。いや本当に。ホリゾンタルフレームはまた違う寸法です。

一見すれば、他社の最新フレームよりも地味に見えます。ですが自転車に乗っている人なら、長いこと関わっている人なら……。この凶暴的とも言える凄味が伝わってくるでしょう。

現時点での最強バイクの一台ですね。



リッチー in NAHBS 2011

2011-02-27 14:04:00 | 自転車
私は懐古主義ではありません。リッチー至上主義でもありません。

……しかしPシリーズと言われたら、目頭が熱くなりますですよ!!!

厳密には重量を表していた以前のモデルとは意味合いも変わりましたが、P-29erなんてネーミングされたら……、ほ、欲しい!













これですよこれ! ハンドメイド・トム・リッチーのマークが入ったバイクが欲しかった……!!























http://www.bikeradar.com/news/article/north-american-handmade-bicycle-show-nahbs-2011-part-1-29442

リッチーの29er。自然になじんでいますね。昔からラインナップしていたかのようです(笑)。

エンドも凝っていますね。シングルスピードにすぐ変えられます。

昔から意味が分からなかったのはヘッドです。リッチーはひたすらノーマルサイズにこだわり続けました。もちろんリッチープロダクトでもヘッドパーツはありました。軽かったのですが、ワンレースごとにメンテナンスということが必須な製品でした……。アヘッドではない時代でしたから、アホみたいな手間でした(苦笑)。いったい何を考えていたのだか……。

柔らかさを生かしたかったのでしょうけど、どう考えても無理でしたね。ねじれ剛性うんぬんではなく、前後剛性が致命的に確保できませんでした。

アヘッドへの移行も遅かったです。サスペンションの導入も……。ソフトライドサスペンションステムでなんとかなる!と言い張っていたのが懐かしいです(笑)。

同じMTBレジェンドであるゲイリー・フィッシャーがフロントサスペンション、オーバーサイズヘッドセット(1-1/4、スーパーオーバーサイズですね)、リヤサスペンション、29erなどの新技術の導入に積極的だったのとは好対照です。

ですが! ビジネスとして成功したのはリッチーなんです。フィッシャーに至っては2011年に、ついにトレックの一ブランドから、一カテゴリーにまでおちてしまいましたし(涙)。不思議ですよねー。作っているものを見ると、その理由は分かる気がしますけど。

それにようやく気づいたのか(笑)? 今回はインテグラルヘッドにまで踏み込んで来ています。ヘッドチューブもオリジナルのようで、おそらく鍛造の後、削り出しているんでしょう。細身ですが、かなり剛性を稼いでいるかと。それでも最新カーボンレーサーに比べれば、かなり落ちるでしょう。世界では下ワンワンポイントファイブ、15ミリスルーエンドが標準化しつつありますから。

といってもトレイルバイクほど楽なポジションでもありません。リッチーはレース上がりの人ですから、前傾ポジションは当たり前なのです。もちろんレーサーとしても、一線級とは言えません。

ではこのような半端なバイクは魅力がないのか? と言われたら、それは否です。このバイクに価値を見いだし、宝石のように思う人は私だけではないはず。もちろん同じくNAHBSに多く出品されている床の間バイクや、街乗りバイクではありません。リッチーのバイクはどこまでもアウトドアが似合います。どこまでも現場主義です。

なんというか……、こう、一般ライダーのレースではない『クロスカントリー』がという区分けが似合うのではないでしょうか? トレイルではないと書きましたが、やや本気気味で里山を走る日本のサンデーライダーなんかには、極上の一台ではないでしょうか?

スイスクロスもお約束です。リッチーのラインナップから外れることのない名作です。

ロードバイクは昔のオリジナルですね。こうやって見るのは初めてです。走っている写真とかは見たことがありましたが……。ラグの削り込みなどは尋常ではないです。でもアメリカ人チックなテキトーな感じ(苦笑)も醸し出されていて、これぞリッチーといった感じです。

リッチーのバイクへの理解の深さというか、オタク具合は尋常ではありません。オンオフ問わずです。彼の頭脳と手から生み出されたバイクには、人を引きつけてやまない魅力があるのもごく当たり前なのかも知れません。

インディペンデント in NAHBS 2011

2011-02-27 03:54:00 | 自転車
今年も始まりましたねえ。

インディペンデントは従業員がまとまって独立したらしいのですが、このセンスがある限り、盤石でしょう。











http://ifbikesblog.blogspot.com/2011/02/nahbs-2011-sneak-peek.html

と言っても、私は諸手を挙げてマンセーなわけではありません。最初の白黒のロードはかなり好きですけど。

いや、良いセンスをしているのですよ? でもちょっとやりすぎというか……。私にはおしゃれすぎます(笑)。

小話

2011-02-26 16:19:00 | 自転車
最近、勉強することが多くて大変です。

今作っているものに関係することばかりですが。

鉄系素材、そしてベアリング。

いやあ、深い。

底が見えませんね。はっきり言って海外製品には手が回りません。そしてこれは言葉がちゃんと分からないと理解できませんね。インチキ英語では無理です(苦笑)。

と言ってもNTNやミネベア、NSKが分かれば十分、いや十二分ですね。というか理解しきれるのでしょうか? これ開発している人でなければ、全部なんか理解しきれないでしょう。そしてそれを製品にふくらませ、発展させるなんてとんでもない作業です。

さすが産業の米と呼ばれるだけあります。

ピンからキリまで。

ベアリングの話は、自分の中の知識が溜まるにつれて急速に書き換えが進んでいます。どこかで区切って書かないと書けませんね。

がんばらなくては……。