BIKEBIND自転車日記ブログ2

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バンブービーのDIY竹フレーム製作キット!

2014-11-01 03:21:00 | マイナー系素材
おっちゃんたちの笑顔が素敵です(笑)。

















上のおっちゃんの持っているのが樹脂型がついたままのもの。下のおっちゃんが持っているのが外して仕上げたもの。









https://www.kickstarter.com/projects/817362809/bamboobee-build-it-yourself-biy-bike-kit
http://www.bamboobee.net

しかしまあ、よく考えられています。確か今のバンブーバイクのオリジネーターはカルフィーデザインのクレイグ・カルフィーだったはず。彼は発展途上の国々でもバイクが製作できるようにとこの手法を開発、ボランティアに近い形で教えたそうです。その時はアジアではなくアフリカだったような……。でもこのバンブービーはシンガポール製だそうです。

で、その時はちゃんとしたジグはもちろん必要なんですけど、各部の接合はエポキシに浸した麻紐だったはずです。これをぺとぺと巻いていくのが結構大変そうでした。もちろんちゃんとテンションを掛けて方向を考えながら巻かないといけません。ところがこのバンブービーは金属ワイヤを巻き込んで、麻紐を先に乾いたままで巻き付けます。その後おそらく樹脂製の型(容器)をその上から挟み込んで、そこにエポキシ樹脂を注入するのです。乾くのに3日ほどかかるようですが、外した後にヤスリがけして接合部分を形成します。治具に至ってはMDF材をつかって一層のコストパフォーマンス向上を目指しています。

うーん、頭良いですね!

もちろんワンサイズごとにこの接合部用樹脂型が必要になってしまうんですが、最初は3サイズしかラインナップしないようです。でもこれそんなに精度も要らないでしょうからすぐに増やせる気がします。まあMTBなどは3サイズでやっているところも多いですから、このバンブーバイクの性質上も問題ないかも知れません。

しかもこれ、凄くお手頃なんですよ。キックスターターの企画(もう予定金額は突破して居るみたいです(笑)なので最終的にいくらになるかはわかりませんが、最初期モデルは169ドル(国際便は別途100ドル)、一般的なタイプは179ドル(国際便は別途100ドル)なんです。

なおエポキシ樹脂は別売りです。これは注意が必要です。まあ組み立てた後で注文しても問題はなさそうです(笑)。

このバイクに精度や走りを求めるのは無粋です。手持ちの部品達を引っ張り出して、友人達と一緒に作って、一緒にツーリングに行く。走り出してちょっと壊れてもご愛敬です。

なんだかとても素敵な時間が過ごせそうなバイクです。



昔のアルミニウムの製造工程を見てみよう

2014-10-12 16:22:00 | マイナー系素材
こういった映像は、なぜか怪獣映画のような音楽がつきものです。ちょっとおどろおどろしくて……、子供が泣いてしまいそうな(笑)。

ボーキサイト、アルミナ、そしてアルミと変化していくのは面白いですね。

アルミを精製するには大量の電気が必要です。その電源を確保するのに複数の供給所を設定しているのも、リスク分散ですか。





いやあ、モダンメタルって(笑)。この動画は60年ほど前のものらしいので、そういう時代だったんでしょうねえ。確かに自転車も20年ほど前はアルミやカーボン、チタンが新素材と銘打っていましたから。

……なぜか最後の方に主な用途としてネックレスが出てくるのですが、女性の方、アルミのネックレスでうれしいですかね(苦笑)?


東レの新素材。アルミダイカスト並のカーボン樹脂

2013-10-31 03:23:00 | マイナー系素材
はー、樹脂の世界の進歩はスゴイですね。

以下引用
 東レは29日、アルミダイカストと同等の引っ張り強度を持たせた炭素繊維強化ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂の開発に成功したと発表した。引っ張り強度で300メガパスカルを持たせた。アルミダイカストに比べ45%軽く、PPSの持つ耐熱性や難燃性、耐薬品性などを備えた。射出成形が可能で成形品のデザイン性向上が期待できる。3年以内を目標に量産化技術の確立を目指す。
 同社はこれまで、射出成形可能な炭素繊維強化熱可塑性樹脂「トレカペレット」を開発し、自動車や家電、レジャー用途などの部品として採用されてきた。ただ軽量や高強度などに優れているものの、引っ張り強度が小さい課題があり、広く金属代替材としての使用には制約があったという。
 今回、ナノ構造制御で成形品中で長繊維炭素繊維を均一に分散させ、炭素繊維とPPS樹脂の界面接着性を高めることでこれを解決した。高い強度や軽量性などをアピールし、普及を図る。

http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0820131030cbbj.html
引用終わり


炭素繊維強化ポリフェニレンサルファイド樹脂、略してPPS樹脂。正確には炭素繊維強化PPS樹脂ですね。

PPS樹脂は融点が高く、難燃性を備え、事故消化性を持っているエンジニアリングプラスチックです。これを樹脂部としてカーボン繊維を加えることで金属の代替えとなる強度、剛性まで持ってきたようです。PPS樹脂自体は熱可塑樹脂なので、射出成形などが可能なことから今後かなり普及するかもしれませんね。自転車用としては鍛造部品に比べてちょっと強度が足りないかもしれませんが、使い方次第で現在のアルミ部品をかなり置換できるかと思われます。

今まではPPS樹脂の補強はグラスファイバーが主であったようです。そこに今回カーボンを使用したようです。単純に見ればただ置き換えただけのような気もしますが、そこは長年製品化できなかった理由があるようでして。どうもカーボン繊維が均一に分散できなかったようです。今回はそこをナノ構造制御によってコントロールが出来たとか。

現在の東レのラインナップとしてもトリレナというものがあります。これの補強にはグラスファイバーや無機フィラー、エラストマが使用されています。カーボン繊維はグレードによって性能に大きな差がありますが、射出成形が可能なほどの柔軟性を持つことからそこまで高弾性のものではないでしょう。でもアルミダイキャスト並の強度なら、実用面では十分でしょう。

また一つカーボンの世界が広がりそうです。
http://www.toray.jp/plastics/products/torelina/
http://response.jp/article/2013/10/30/209625.html