正直、かなり驚かされました。まさか
マヴィックが
タイヤ市場に参入してくるとは……。
キシリウム・Yksion k10クリンチャー
今マヴィックはキシリウムからR-SYSへ主力商品をシフトしてきています。今季一気に増えたラインナップがそれを物語ります。とくに13万円ほどの最廉価モデルはキラーコンテンツとして自信を持っていることでしょう。
しかし一方でカーボン製品はアルミに比べて、デリケートな扱いを要します。海外のツーリングにR-SYSを持っていくことは経験者なら決してしないはず。そう言う意味でキシリウムやカンパ・シャマルなどは無くならないと思っています。
ですがここに来て、キシリウムにこういう形でてこ入れが行われるとは思いもしませんでした。
タイヤはレース指向はなく、
ロングライドがターゲットです。ベースのキシリウムはESあたりでしょうか。フロントハブの胴部分はカーボンです。しかし、MTBのクロスマックスSLRに真っ先に投じられたサイドまで肉抜き加工したマクスタルリムは、一つ上のキシリウムを実現しているでしょう。
チューブレスではありません。タイヤもタイ製らしいです。サイドを見るとヴィットリアの工場で作ったような気配があります。パターンは完全なスリック。見た目ではコンパウンドはちょっとわかりません。
タイヤというのはある意味聖域なのです。開発が非常に難しい。ホイールメーカーと共同開発はしても、ホイールとタイヤをセットで作っているメーカーはほとんどありません(そう言えば、来年からボントレガーはタイヤもチームに供給を始めるという話がはいっています)。車もモーターサイクルも飛行機もタイヤが着く乗り物はタイヤ専門メーカーが存在します。F1でもエンジンで1秒速くならなくても、タイヤではあっさり差が出てしまう……、そんな重要パーツです。ひょっとしたらミシュランとの共同開発に限界を感じたのかもしれません。
ホイール、タイヤ、チューブを含めて2100グラムですから、ホイール単体では1400グラム台に乗っているでしょう。価格も11万円近辺かと。もちろんタイヤは消耗品扱いで、ばら売りもしています。
最上級がどんな状況でも最高というわけではありません。目的にそぐわなければ、どんな高級品も力を発揮できないで終わってしまうことがあります。
マヴィックのロードラインもついにレース以外を見始めました。
これからが楽しみです。
http://www.bikeradar.com/news/article/mavic-to-produce-own-tyres-24159