BIKEBIND自転車日記ブログ2

BIKEBINDの自転車日記ブログの移転先。過去が消えるのも忍びないので…。

ベアリングのお話 2011

2011-05-08 21:11:00 | 自転車
ゴールデンウイークスペシャル! ということで。

さあて、皆さんお待たせ、ベアリング小話の続きです。待っていない? しかも以前っていつだ? はい、それはもう一年以上前のお話です。誰も待っていませんか……。すみません…………。

結局MTB編というより、2011年度版bikebindベアリング考察ですね。

違っていてもクレームなどは受け付けません(笑)。

さて参りましょう。


内輪、外輪、玉までセラミック製のフルセラミックベアリング

今回注目したのはベアリングの回転数と熱です。

自転車の回転数はいたって遅め。故にベアリングの専門家からは高い等級、G3などは不要と言われます。これはプロの意見として正しいと思います。

ですがちょっとした自転車の特殊事情もあります。そんなに簡単ならシマノやカンパ以外の会社ももっと廉価で良質なハブやペダル、BBなどの回転系を作っているでしょう。でも難しいんです。世界中にペダルメーカーが生まれたとはいえ、回転部分でシマノと並ぶことが出来るのは1社か2社くらいしかありません。タイムやルックも、個人的にはあまり優れたペダル軸受けだとは思っていません。特に最近のカーボンモデルはシャフトでボディが削れてしまい、さらにはそれで生じたガタを吸収することも出来ませんから。

しのぐことができるのは、三ヶ島ペダルだけでしょう。あそこは別格です。良いビンディングシステムを作れれば、ロードバイクとMTBでも世界を獲るポテンシャルを秘めていますよ。

<script type="text/javascript" charset="utf-8"> var _LiveAds_Standard_Data={aid:"a5611bca",cid:"01",title:"0",keyword:"カートリッジベアリング",img_chk:"1",border_Color:"FF0000",bgColor:"333333",text_Color:"FFFFFF",link_Color:"FF6600",link_BgColor:"F4F4F4",price_Color:"FFFF66",width:"400",col:"2",row:"1",price_min:"262",results_per_page:"20",sort_order:"asc"}</script><script type="text/javascript" charset="utf-8" src="http://www2.liveads.jp/widgets/standard/23/liveads.js"></script>

シマノのすごさははっきり言うと……、意味が分かりません(苦笑)。故あってSPD-SLを分解、切断したのです。するとよく分からないことが起きました。シャフトとボディが通常の理屈では説明が付かないのです。意図的にオフセットさせています。この意味を本当に知るのは、シマノのペダル部門の技術者だけかもしれません。これを自転車以外の技術者の人に見せたのですが、よく分からないと言うことでした。専門家を差し置いていうのもなんですが……(まあこれは他の記事でも言えますが(笑)、転がり軸受けと滑り軸受けの両方の性質を備えているようなのです。これ以上は、私にはなんとも説明できません。

使われ方も異例ですね。ベアリングは通常、一定速度、高回転、一定負荷の状況で使われます。だからあそこまでの高回転が可能です。しかし自転車はそうはいきません。速度の上下が激しく、低回転、負荷もあらゆる時に変わります。MTBならなおのことです。

ロードバイクホイールの回転数を記しましょう。700Cでの数字です。時速50キロとした場合、一分間に回転するrpmは380ほど。本当は700cは厳密にいけばちょっと誤差があるのですが、ここで問題とするのはあくまでホイールがどのくらい回転しているのだろう? ということなので追求はしません。

カートリッジベアリングのスペックも見てみましょう。比較的メジャーな(マヴィックでも使われています)深溝軸受け6805(内径25㎜、外径37㎜、幅7㎜)を例に取ります。基本動定格加重4300N(435kgf)、基本静定格加重2950N(300kgf)です。たかだか一個のベアリングなのにすごいですよね。もちろんちゃんと設計した条件で取り付けなければなりませんが。そして内径13.6~13.8㎜、最大外径16.4㎜の開放型グリース潤滑型の場合、8300rpmまでの回転に対応します。油潤滑の場合は9500rpmまでです。

そうカートリッジベアリングを自転車で使う場合は、許容できる最大回転数の実に1/20ほどに留まっているのです。これは見逃してはならない要素です。

動加重と静加重では動加重のほうが許容重量が大きいですね? これを回転数の違いにそのまま当てはめるのは暴論ですが、想定した回転数での動加重のほうがベアリングにとっては優しいということは出来ると思います。

他のベアリングを必要とする機器は分間何千回もの回転が行われたりしますが、自転車はそんなに回転しません。それは車としては異例なほどの大径ホイールを使用するからです。一回転は一回転ですから。ちなみにクルマのホイールのベアリングはテーパーローラーベアリングです。あれは回転性より耐久性を重視しているのですね。

世界的にはカートリッジベアリングをベアリングと呼ぶのが普通ですが、それは高回転を前提とします。回転による摩擦熱で、粘度が高めな封入グリスが溶け出しより滑らかな動きを生み出すのです。でも自転車は……? GOKISOのサイトでも分かるのですが、熱をそんなに発しないのです。ま、あれは特殊中の特殊なんですけど(苦笑)。時速200キロでのテストというのはオーバークオリティではなく、想定違いかなとも思います。もっとも速度が倍になっても回転数はたかが知れています。通常なら時速100キロほどもいけば十二分に超高速域でしょう。それでも800rpm未満です。それで山を下り終わると……、ハブが真っ赤で触れない! なんてことはないですよね? リム(特にカーボン)や、ディスクブレーキのローターならやけどもありますけど、赤くはなりません。ここがキーポイントです。

自転車の速度領域では、ベアリングの専門的設計者が想定するような温度域にはならないのです。とするとグリスが本来の性能を発揮するような粘度にならない。それは回転時の抵抗の増加を意味します。低速度ならではの問題です。

熱で変化が起きるのはグリスだけではありません。ベアリング自体もそうです。金属は熱膨張しますから、それの公差も考えなくてはいけません。金属は温度により体積が膨張します。鉄もステンレスもというか、おおよその物体すべてです。シャルルの法則ですね。懐かしいなあ……。玉、ワン部分も本来なら膨張するはずが、しない。金属同士の製品は必ずと言っていいほど発熱時の膨張が設計に織り込まれています。でも自転車の使い方だとそこには至らないわけです。

念のため、鉄の膨張比率を記しておきます。12.1×10-6/Kです。500度に至るまで、1000㎜(1m)あたり6㎜くらい大きくなるという感じらしいです。ステンレスや炭素綱の場合、またちょっと違います。


で、G3とG20の公差です。

G3 ●呼び適用範囲0.3~12 ●直径不同0.08 ●真球度0.08 ●表面粗さ0.012
G20 ●呼び適用範囲0.3~38 ●直径不同0.5 ●真球度0.5 ●表面粗さ0.04

※単位は呼び適用範囲はmm、他はμ=1/1000mm

ここにほんの、本当にごく少しのロスが生まれます。本来なら見逃して良いほどのものだと思います。でも人間とはやっかいで、性能うんぬんではなく感覚、クオリアの領域で感じてしまうのです。それは前のベアリングの話でも書いたように、人力が非力であるが故です。公差、膨張率などを反映させた実際に生じる差は、G3とG20どころではありません。真球度の許容範囲の実に75倍! もの変形が熱膨張によってもたらされます。ここを無視して良いという人は……、ベアリングの等級を上げる、良いベアリングを使うということとは相容れないので、ベアリングチューンは無視してよいかと。

カップ&コーン式なら玉、ワンが別体であるが故に膨張を考えない、低い速度領域でのジャストセッティングが出来るわけです。低回転であるが故、大きな車輪(力点)であるが故、非力であるが故に生まれるわずかなロス。これを克服(熱膨張を無視したギリギリの自転車だけのセッティング)できるのが、旧式と言っていいカップ&コーン式なのです。

そしてセラミックベアリング。前に書いたときにセラミックベアリングに近い動きを実現するのは、グリスを抜けば簡単にできると記しました。セラミックは熱膨張がほとんどありません。だから安定して回転するというのがセラミックベアリングを語る上での口上でした。しかしそうではなく、それによる公差を取る必要がないから高い回転域での設計がそのまま低い回転域での高性能に繋がるのだと私は思います。セラミックベアリングではオイルレスで運用するのが通常ですから、グリスの融点も考えなくて良いわけです。この理論だと、等級、精度ではなくセラミックであることに意味がありますね。そうです。実はこれが最近の私の結論です。

等級が高くなくても良い。日本製やスイス製でなくても良い。中国製などの安価なセラミックベアリングでも、そちらの方が効果的ではと思っています。精度より性質という考えですね。もちろん割れなければの話ですが(笑)。結構暴論、極論に近いですがあながち間違っていないかと。これは回転性を重視した考えです。

もう一つの考え方、耐久性を重視した考えも。これは多分MTBのピボットなどに向いたの考えです。しかし通勤や超級のロングライドなどを考えている人にはフルシールド構造が良いでしょう。あ、これ私が勝手な名称です(笑)。もちろんベアリングの左右がシールされているベアリングなんですが(回転性を重んじる場合、内側だけ無しという選択肢もある)、金属ではなく、ゴム性で、両面接触です。自転車に使う場合回転性を重んじて片側接触が多いんですよ。もちろん回転は重くなります。ここもバランスというか引き替えですね。

そして内部の保持器・リテーナーを金属製以外にする。リテーナーは色々意見がありますが、基本的にあった方が良いです。それは回転性に関わります。ベアリングが隣り合ってしまうとベアリング同士が逆回転でこすれるのでマイナスの力が働きます。保持器も接触してマイナスになってしまうのですが、逆回転はしないので保持器がないときよりもマイナスが少ないです。さらにそれを潤滑材で作るポリルーブというものもあります。これは樹脂製なんですが、潤滑剤を混ぜてあることで保持器のデメリットをメリットに変更しているんです。頭良いですね。

でもそれを上回るものがあるんです。日本精工のルブガードベアリングです。ポリルーブは保持器の代わりといった感じですが、ルブガードは潤滑油を含んだ特殊固形潤滑剤をベアリングの内部をすべて埋め尽くしています。保持器は普通の金属製が入っています。柔らかいグリスの場合は流れ出てしまうことがありますが、これは固体なのでより耐水性、耐候性が強いと考えて良いでしょう。もちろんゴム製のシールドもつきますから、おそらく最上級のシールド性を持っています。これは先ほども記しましたが自転車ではグリスが溶け出すほど柔らかくはならないので、低抵抗にはなりません。でも耐久性と失われにくい潤滑性は魅力だと思います。固形潤滑剤は多分蝋燭のロウみたいなものなんでしょう。それに潤滑剤を混ぜて仕込む。

これ個人でも出来そうですね。金属の保持器が着いたカートリッジベアリングのシールを外し、中のグリスも一度きれいに洗浄する。その後耐熱性の高いルブを一滴ずつ玉にたらす。なじませた後ロウを両側から完全に埋まるようにたらす。そして冷えて固まったらシールがはまるように余分なロウを削る。シールをはめる。一般ライダーのサスペンションピボット用ベアリングとしては、最高の耐久力を持ちそうです。玉に吹き付けたルブでロウとは固着しないでしょうし、そもそもロウは潤滑能力があります。柔らかいとはいえ固形なのでグリスよりも浸水性に強いでしょうし、イモグリスのような固さも生まれないかと。もちろん動きはねっとりとするでしょうけど。

おお! 自分で考えておきながら、なかなか良さそうではないですか! こんど試してみましょう。私より先に試される方は、いや私より後でも自己責任ということで(笑)。




ルブガードベアリング

体感としてわかりやすいのは常に比較です。デュラエースのハブにセラミックベアリングを入れてみよう、入れてみた、と言う人は少ないですけどいるはずです。妥当なチューニングだと思います。効果があるかは保証しませんが。良くなった、いや大して変わらない。軽く回るんだけど、タイムには関係なさそう。というような意見が聞かれます。

そこを逆に考えてみましょう。デュラエースのハブに思いっきり低いグレードのベアリングを入れてみるのです。そう、ソラグレードでいいのでは。これ差を感じると思います? 私の経験上、虫食いのベアリングでもなければ、グリスアップしたときに交換や足したりしても重くなったことはなかったです。それでクレームを言われたこともありませんでした。

フルセラミック、玉だけセラミックなどいろいろありますね。懐疑的な人もいると思いますが、間違いなく良いです。カートリッジベアリングの頂点であることは間違いないでしょう。そうでなければ作る意味がありませんから。もっとも自転車乗りの仕様用途とはかけ離れた過酷な使い方を前提としていますけど。精度、硬度、耐久性など明らかに金属製ベアリングを上回っています。でもそれが『自転車に使った場合』効果があるか、掛けたコストに見合うかは別です。タイヤの空気圧の0.2barにこだわった方がよほど走りに違いが出るでしょう。こっちは無料ですし(笑)。ベアリングがセラミックでなければ勝てないなんてことは、あり得ませんからね。

でも競輪選手のように、ほんの1センチでも先に出たい! 自転車に万全を尽くしたというようなメンタル面でのおまじないには……、効くと思います。回転性の良さはグリスレスであることが要因ですね。もちろんそれに耐え続けてくれるのはセラミックベアリングであるんですけど。あと一般人で楽しみたい人ですね。あ、でも105とかに入れるのは止めましょう。ここら辺は道楽というものです。軽く回したいなら柔らかいグリスを少しだけ使って、こまめにメンテナンスするほうがよほど実践的です。ただメーカーは日本かスイスを選んだ方が良いかと。

結局、TPOに応じた使い方が肝要なんですね。ヘッドセット、ハブ、BB、ペダル、フリー、サスペンションピボットなど、それぞれに応じたベアリングが必要ということです。回転領域が違うロードバイク、MTB、クロスバイク、小径車などはそれぞれ最適なベアリングがあるともいえます。

個人的にはオイル、またはオイルレスで運用できる金属ベアリングが安くできればいいのではないかなと考えています。でもそれは難しいかも知れません。そもそも価格以外はセラミックベアリングにつける注文は、ほぼないのですから(靱性という人もいるでしょうけど)。

自転車の部品の話だと常に「じゃあ、それつければ速く走れるようになるのかよ?」ということになります。ベアリングの高性能化(セラミック化も含む)は確かに効率面で走りに寄与してくれることでしょう。でもそれはほんのわずか。他の外的要因にたやすく左右されてしまうほどの差でしょうね。その恩恵にすがるくらいなら、他人の後ろに通常よりも数分長く張り付いていた方が、数字的には簡単に上回るかと。 

ライトウェイトを履いたサンデーライダー、Sさん、48歳、家族は奥さんと娘二人の4人暮らしと、シマノ・R500を履いたヨーロッパプロツアーチームの育成クラスに属するZさん、24歳、彼女募集中と競争すれば、だいたいZさんが勝つでしょう。それがエアロホイールだろうとなんだろうと、そこまで決定的な差にはなりません。

ブレーキのタッチと同じかもしれません。変えた直後はよく分かる。でも100キロ以上走った時にそれを意識する人がいないように。変速の質感とかもこの手の類です。フィーリングの世界です。

サスペンションでいう、ストローク感とも共通していますかね。同じ200㎜トラベル、同じインナーチューブ内径でも最新のフォックス・40と昔のマルゾッキ・モンスターTではやっぱり違うわけです。それはどこか一つが決定的な要因ではなく、全体の小さなリファインの積み重ねです。剛性が近くてもスプリングの係数が近くても明確な差があるというのは、何か数字的なことではなく、ストローク感と言い表すのが正しいでしょう。やはり人間が使うのもは心地よさも大切ではないかと。

あと、等級の高いベアリングを否定しているわけではないので、念のため。記しているのはあくまで性能やら価格やらのバランスを鑑みての話です。それが私の場合ちょっといびつなんですね(笑)。一般的な概念で言えば、シマノの販売している形態がもっともバランスが取れています。当たり前ですけど。

最上級の回転が欲しければ、ためらいなく日本製のG3グレード、内輪、外輪、玉までフルセラミックベアリング、シールなしを選ぶべきです(保持器はテフロンなどが多い)。セッティングを間違えなければ、最高の回転性能が得られるでしょう。まあ、ゴールドレースなんかもミーハーでいいですけどね(笑)。カンチェラーラ御用達というのは……、魅力的な言葉です! 

それがどこまで持続するかは……、考えてはいけません!というか持続しません(苦笑)。シールがなければ絶対に異物が入り込んでしまいますから。そうするとごりごりになり、等級やガタなんかは目じゃないほど性能が落ちてしまいます。何でもそうなんですが、用途を考えなければいけませんねー。すべての性能(コストパフォーマンスも含む)が相並び立つというわけではありませんから。

セラミックベアリングチューンは、私のモットーである『無事これ名馬』とはある意味正反対のベクトルにあります。かといって否定もできません。それは極論すればデュラエースとアルテグラ(ソラとかでなく)で構造はさておき、他の精度などで走りが違うのか、意味があるのかと聞かれたら、一応YESと応えるのと同じだと考えています。もちろんアルテグラのハブで、コンタドールがツールを勝つことは可能でしょう。そして問題もないはず。でも、でもなんです。

伸びが良いというのもよく聞かれます。ベアリングにまつわる抵抗の要素が少ない分、空走感が気持ちいいようです。これは自転車でもそうですが、インラインスケートのほうがより聞かれる感想です。

速く走れるということよりも『気持ちよく走れる』というのがベアリングチューンの答えではないでしょうか。なーんだと思わないでください。気持ちよく走れる。これ凄く大事です。不安を抱えたバイクなんて、思いっきり攻め込むことなんて出来ませんから。まして極限状態では。



……………………………………………………

以上はあくまでベアリング単体での話です。GOKISOが素晴らしいのはベアリングに正しく仕事をさせているところなんです。そういう状況(ハブシェル、シャフトなど)を作り出すというのも大切な話です。いやむしろそっちの方が要素の方が大きいと思います、圧倒的に。でもここではそこまで踏み込みません。ベアリングの話なので。

構造的なこともちょっと足しておきましょう。

カップ&コーンも万能ではないと思います。それは自転車のホイールがテンション構造だから。コンプレッション構造のクルマやモーターサイクルのキャストホイールなら、縦のみならず斜めからの力に左右の上下あるベアリングの(ほとんど)一カ所が受け持つことになります。ゆえに力の掛かるところを特定するのは比較的容易で、対策も導きやすいでしょう。しかしテンション構造の場合、力が掛かったその部分だけでなく、全体に作用します。それはベアリングも同じこと。とするとある一定方向だけを想定したベアリング配置ではないほうがいいかと。カップでもカートリッジでもただアンギュラコンタクトであるのではなく、複列アンギュラコンタクト(アンギュラコンタクトベアリングが向かい合っているベアリング。それ単体でラジアルとアキシアルの両方向の負荷を受けることが出来る)であるべきかなと。


http://www.origin.co.jp/

テンション構造である限り、ある特定の方向に対して強いのではなく、どの方向からも、どの位置でも負荷を受け持つことが出来るように成らなければなりません。ただしカートリッジである場合、上手いことガタを消す手段を考えなければなりません。カップ&コーンで複列アンギュラコンタクトを実現するには相当な手間と精度が必要です。カンパのカーボンハブのようにカップが取り外し出来るというのも手かも知れません。あれを内側にも鏡写しに配置してみる。でもこれだと内側をどうやって調整すればいいのやら……? そもそも精度が保てるのか? それならカートリッジ式の方がまだ実現の可能性がありますね。

カンパのハブも優秀で名高いですが、カーボンハブの場合、あのカップが取り外せる形式でどこまで精度がでているのか、はなはだ疑問があります。まさにベアリング屋さんがG3? と疑問符をつけたがるのが分かります。でもあれも精度というよりはベアリングのセラミック化によるルブ運用、ソフトグリス運用が目的なのでしょう。もちろん重量は嵩みます。故に採用されていないのでしょう。現在使われているクロモリシャフト、あるいはアルミシャフトが、力を反対方向に逃がしているので何とかなっているという側面も無視できません。

カップ&コーンはウェルベターの構造として、シマノ、カンパニョーロという大メーカーに採用されているのかと。

長文駄文、お粗末さまでした。



参考サイト
http://www.jbia.or.jp/
http://www.ntn.co.jp/japan/
http://www.jp.nsk.com/products/
http://www.minebea.co.jp/product/bearing/1181967_3801.html
http://www.jfe-steel.co.jp/
http://www.nmm.jx-group.co.jp/
http://www.satotekkou.co.jp/technical/steel_jis.php
http://www.raleigh.jp/InfoFAQ/060430_wheel.htm
http://www.geocities.jp/jitensha_tanken/wheel.html

個人的にはカーボナイトベアリングやポリアセタールベアリングなどの樹脂系ベアリングが気になります。樹脂もピンキリですが、安いのも多いのです。そして自己潤滑性を持っていてドライ運用が可能です。そしてカーボンベアリングも。まあ、これが高いんです。笑ってしまうほどです。でも突き詰めれば面白いでしょうね。何十人の諭吉が家出するのかわからないほどですよ! カーボナイトは調べてもよく分かりません。どうやら商標であると同時に会社の名前でもあったようなのですが、3Mに吸収された後のことが分かりません。樹脂に金属並みの強度を付与することに成功したらしいのですが、詳しくは不明です。カーボンベアリングはカーボンコンポジット、カーボングラファイトを作れるところでしか出来ません。セラミックベアリング以上の高嶺の花です。とはいってもそれが自転車の用途に適うかというのはま他別問題ですね。単純に試してみたいといったところです。

実現不能なことはさておき、この理論を証明してもらうべく、選び出した人柱が二人います。ロードバイクからはNさん。MTBからはNさん。図らずもイニシャルは一緒なんですが、別人です(笑)。選考基準は……、知り合いでよく走る人。それだけです。私には資金がありませんので、文字通り自腹でテストしてもらいます。フルセラミック化です。それなのにbikebindステッカーとか貼ってもらおうかなと思っています。悪いヤツです(笑)。

結果は後日!


最新の画像もっと見る

16 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (通りすがり)
2011-05-08 23:21:48
惜しいですね~、、、グリース潤滑と摩擦のメカニズムについての理解がまだまだ不十分のようですね。「摩擦」や「潤滑」は難しいですよ。
返信する
セラミックベアリングってオイルレスで使った場合 (よぺ)
2011-05-10 18:41:37
レースとボール削れたりしないもんですかね
あとはグリスでカバーされてないとたとえシールされててもちょっとした埃ですくガリガリになりそう
大きめのゴミがはいってロックしたー!とか
返信する
通りすがり様 (bikebind)
2011-05-14 22:46:44
まあ、そこらへんは追々。

ないかもしれませんが(笑)。
返信する
よべ様 (bikebind)
2011-05-14 23:08:50
書き込みありがとうございます。

それは基本的に問題ありません。何製のベアリングも壊れるときは壊れます。ただ玉だけ代えるときはワンと玉押しがそれに見合う強度を持っていることが前提ですが。

インラインスケートを見てみると、遙かに地面に近くて硬いタイヤでもセラミックベアリングは割れません。想定される強度、剛性、靱性の範囲で使うことが肝要かと。

ロックはほぼないですが、ガリガリにはなります(苦笑)。海外のMTBレーサーは、試合の時には決戦兵器としてシール無しでオイルをちょっとだけということをしているレーサーもいます。

何事もバランスです。ノントラブルがいい人や、世界一周に出かける人にシールなしのセラミックベアリングを勧めることはナンセンスです。

我々のようにアマチュアは、どうやったら楽しめるか? というのが大切かと。

失敗だって財産です(笑)。
返信する
ベアリングの規格はあくまでも外周360°ギアがあり、円滑にトルクが掛かることを前提としています。 (通りすがり)
2012-08-14 06:55:18
自転車のクランクは180°のトルク伝達で、玉に加わる応力が不規則。しかも立ちこぎではこじる力が加わるため軸の特定の箇所が摩耗しやすい。
メーカーは精度のオーバースペックで対応していますが、個人的にはこの特殊な使われかたに対応した耐久性を研究すればと思います。
返信する
技術者の方が計算した結果がありますが、自転車のベアリングの潤滑はかなりギリギリなようです。 (raven)
2012-08-19 17:05:15
http://ameblo.jp/nc29kuma/entry-10502805109.html
シマノでも当然ながら検証しているはずで、私はデュラグリスより柔らかい油脂を使う気にはなれません。油膜切れでフリクションが増加したら本末転倒ですし摩耗もします。
タイム差が誤差でも少しでもフリクションを減らしたいというマニア的追求はアリですが、それならデメリットも含めた検証が必要だと思います。

>性能うんぬんではなく感覚、クオリアの領域で感じてしまうのです。
感覚より先にプラセボ効果を疑うべきですね。先にダブルブラインドテストとパワーとタイムの比較をやれば?と思います。
返信する
Unknown (トライボロジーファン)
2012-11-26 19:25:32
 島根県安来市に巨大な工場を構える日立金属が開発した新型工具鋼 SLD-MAGIC(S-MAGIC)は微量な有機物の表面吸着により、金属では不可能といわれていた自己潤滑性能を実現した。この有機物の種類は広範囲で生物系から鉱物油に至る広い範囲で駆動するトライボケミカル反応を誘導する合金設計となっている。潤滑機械の設計思想を根本から変える革命というものもある。
 このトライボケミカル反応にもノーベル物理学賞で有名になったグラフェン構造になるようになる機構らしいが応用化の速度にはインパクトがある。
返信する
Unknown (熱処理技術者)
2013-01-20 11:23:01
 今月の、「プレス技術」を読みましたが、冷間工具鋼、SLD-MAGICのトライボロジー特性は凄いですね。微量の油をぬったセミドライ状態で、摩擦させるとまるでDLCのような自己潤滑性が出るなんて。コーティング費用分コストパフォーマンスが良く、いろんな転動・摩擦・摺動部品にも使えそうだ。
返信する
Unknown (パラダイムシフト)
2013-05-17 22:19:25
それにしても日立金属さんの自己潤滑性工具鋼、SLD-MAGICのトライボロジー特性はインパクトがある。ここは戦時中、国産初のジェット戦闘機のエンジン、ネ-20を海軍航空技術廠が開発しようとして、かじり(凝着、焼付き)に苦しんでいた時にここの安来工場が新合金を開発して、なんとか実用化に成功したとのこと。この技術を復活させたのが今回の高性能工具鋼なのかもしれませんね。
返信する
Unknown (分子力学研究者)
2013-05-27 11:29:39
先日、その工具鋼の自己潤滑性とかいう話を日本トライボロジー学会で聞いたが、モリブデンとかカーボン、それにDLCコーティングなどの怪しげな論説とも整合し、油中添加剤の極圧効果にも拡張できる話は面白かった。いわば、世界初のナノマシンが表面に形成するそうだ。
返信する

コメントを投稿