バイユー ゲイト 不定期日刊『南風』

ブルース、ソウルにニューオーリンズ!ソウルフルな音楽溢れる東京武蔵野の音楽呑み屋バイユーゲイトにまつわる日々のつれづれを

今夜は義援金企画第3弾!

2011-04-30 | イヴェント案内

4月30日(土)、今夜は 三鷹バイユーゲイト義援金企画第3弾!
東日本大震災復興支援企画 『そらいろ横丁 JOINT LIVE Vol.1』 を開催いたします。

今回は『煉獄サアカス』や一人芝居でバイユーではお馴染みの、役者・神山てんがいを主催者とする『東日本大震災復興支援企画 そらいろ横丁 JOINT LIVE』の第1回公演。朗読パフォーマンスから舞い、そして音楽と多彩で豪華な出演者が彼のもとに集まりました。出演者もバイユーも参加費を払って作り 上げる『そらいろ横町』、収益を義援金として神山てんがいが被災地へ送ります。出演者の静かに熱く燃えてる感じがなんとも頼もしいです。夕方6時開場です。お時間のある方は是非!
出演:吉植荘一郎+神山てんがい(朗読)/Sango & HIROYUKI (カリンバと舞い)/KURO (弾き語り、ベース)/セザール・カマヤン(三味線、フラメンコギター)/へそふじ(弾き語り)/ギネマ(俳句、サックス)/愛染恭介(弾き語り)
開場18:00 開演19:00 料金1500円(+1drink オーダー)


真空管アンプ新調!!!凄いぞ!

2011-04-29 | ある日の出来事

多くの方々がご存知のようにバイユーは通常営業時、真空管アンプを使ってレコードを鳴らしている。自分で言うのもなんだけどイイ音だ。なんとも素晴らしい。ハンドメイドのアンプでH県F山在住の「W」という僕の一番古い友人の1人が作ってプレゼントしてくれたものだ。古い友人も古い友人、ブルースやソウルを聴き始めたころ、最初にバンドを始めた頃一緒に演っていたのだからなかなかに古い。アンプと彼については真空管アンプ使用開始時の当ブログをご参照下さい。

とそんな思わず自慢気に言ってしまうようなバイユーの音環境なのですが…この度、真空管アンプを新調いたしました。そう2代目アンプです。またもやH県F山より届いた凄いヤツ!

これです。1104272 大きさも大きくなった為、ターンテーブルやアンプを乗せる台を改造しました。アンプは作れないけどこれくらいは自分でやるのだ。セッティングはまたもやAヤマさんにお手伝いいただきました。感謝であります。

Wからの2代目のプレゼントは初代からグレードアップしたなかなかのブツ。
まずボディの緑色がかっこいい!真空管の本数が多い!!オレンジの光も奇麗です。パワー、音質共にアップしているのです。が、特筆すべきはバイユーの常日頃の営業時間に耐えうるだけの調整がされているところ。長時間運転による真空管の熱ダレについて改善、バイユーの営業時間中は今まで以上に音質クオリティを維持できるようになっていることなのです。素晴らしい!

で、音。そんなに耳が良いわけではないですが音。

これまでの初代真空管アンプも素晴らしかったけれど…
パワーと音のツヤがひと味もふた味も違います!

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初代アンプの音像の豊かさには感動してたけど、今回はなんというかリアルさが違う。
サックスの肉声の様な聴こえ方…そして、なんといってもタイコの音!録音されたドラムじゃなくて目の前でナマ音を聴いているかのような存在感。ベードラの質感、タムを叩く時の手触りや距離感まで伝わってくるような音には心底驚きました。

1時間くらいすると音が出来上がって来たかんじでした。これは堪らん。

閉店後ひとりで、Wが送って来たキャノンボール・アダレイのCD(音を味わう為のサンプルにと同封されていた)を指示通り「爆音」で聴きました。
いや、凄い音。
感動して今度はアナログ盤『メインストリートのならず者』UKオリジナル盤を…。
イントロのキースのギターから別世界。
1104272_4 後ろ髪をひかれる思いで1曲で針を上げてお約束の『ハローハービー』!!
ブっ飛びました。Wとふたりで聴いたあの日の爆音を、彼の武蔵境の部屋を思い出しました。
「この音で少しは元気でるかな」とありがたいお言葉。感謝。感謝。

ぜひ皆様も2代目アンプくんの艶ある音圧を楽しみにいらして下さい。
フリーのアンプ制作、クラフトマンと化した元バイユー店主のバンドのギタリスト、そして元レーサー。
既に「俺も欲しいな」との声もありますが~Wくん、いつでも注文を受けるそうです。驚きの価格でハンドメイドの真空管アンプを入手することが可能です(ギターアンプも作っているそうです)。私、責任を持って仲介いたします。


フィービ・スノウがこの世を去りました。

2011-04-27 | 音楽

昨夜遅くツィッターに信じたくない情報が。女性シンガーソングライターのPhoebe Snowが亡くなったとのこと。
それは本当だったようだ。国外のサイトで確認する。うー。言葉も無い。残念。

Phoebe20snow02_2

黒人とユダヤ人の混血である彼女の透明感ある歌声はもう聴けない。かえすがえすも89年?のあのグローブ座での来日公演を観逃したのが悔やまれる。名盤『Something Real』リリース直後のライヴはオンエアを聴いたが素晴らしい出来だった。本当に残念。
自らのキャリアーを犠牲にして愛した、重い障害を持つ娘さんを無くした後にカムバックしたばかりだったというのに。なんとも残念。

カムバック作のライヴ盤は本当に素晴らしかった。享年58歳、早すぎます。
悲しい。

彼女については当ブログで熱く触れたことがあります。興味のある方はカテゴリ「音楽」、2008年12月8日をご参照いただければと思います。


傑作!!ブルース・コバーン5年ぶりのスタジオ作。

2011-04-25 | 音楽

いきなり傑作!!と言い切ってしまいましたが
敬愛するカナダのシンガーソングライター&スゴ腕ギタリストBruce Cockburnの5年ぶりとなるスタジオ録音作『Small Source of Comfort』。最高です。素晴らしい。早くも2011年ベストアルバム候補です。上位入賞間違いなし!

Bruce_cockburnssoc

震災前に届いていて「なかなかいいねー」と盛り上がっていたのですが…。これがとんでもないシロモノでした。聴き込めば聴き込むほどに良い。なんというかスルメ的作品だったのです。淡々とした語り口の歌は繊細で良いメロディで流れ、いつも以上に素晴らしいギターサウンド。穏やかでありつつ、そのクールな手触りは孤高の男らしさでいっぱいです。ジャケットを眺めているとシンガーソングライターってかっこいいなぁと思ってしまいます。ワタクシ、1曲目のギター弾き語りから2曲目のバンドサウンドへの流れでもうヤラれてしまいます。
彼の作品は新作がリリースされる度に購入するのですが、これほど良いのは久しぶりです。「毎回は買わないけどコバーンいいよね」という方「昔は好きだった」「興味はあるので聴いてみたい」そんな方々に熱烈にお薦めです。テクニカルな盤ではありません、歌ゴコロの盤です。

ほんと、聴き込むほどによくなります。先日朝、Inter-FMの『バラカンモーニング』でこのアルバムが取り上げられたのを聴き「こんなに良かったのか!!」とまた驚きました。わずか数日前にも同じように思ったばかりだったのに(笑)。そんな盤です。


ひがあゆみLIVE!

2011-04-25 | ライヴ報告

土曜日はひがあゆみワンマンLIVE!
女性でもワンマン!バイユーでは初めての2ステージたっぷり(ギターの来島けんじさん、パーカッションのhasenoさんとトリオで登場)!
110423_2213 ということで~いつもの赤いギターでパワフルにキメる曲あり、ハンドマイクで歌う曲ありで、ゆっくりじっくりと楽しめました。集まったファンの方々にもご満足頂けたのではないでしょうか。オリジナルも良い曲が揃ってきているし、数々のカヴァー曲そしてローリークックさんにプレゼントされたという名曲『恋をしようよ』まで、進境著しい2ステージでした。
ギターを弾いて歌う姿もなかなか凛々しくなってきました~次回も楽しみです。


土曜日は『ひがあゆみ』アコースティックワンマンLIVE!

2011-04-22 | イヴェント案内

明日、23日土曜日は沖縄・読谷出身のガッツと繊細さ溢れる女性シンガーソングライター『ひがあゆみ』のアコースティックワンマンライブを開催します。

Photo これまでバイユーでシリーズ企画を開催してきた彼女が今回はついにワンマンに挑みます。たっぷり演っていただきます。お楽しみに!

出演:ひがあゆみ/来嶋けんじ(サポートギター)
開場19:00 開演20:00 料金1500円(+1drinkオーダー)


義援金企画第2弾、良いライヴでした。

2011-04-18 | ライヴ報告

昨夜のバイユー義援金企画第2弾LIVE、無事終了いたしました。

最初に登場した佐古勇気くん、バイユー従業員・近田が推薦するだけあって(偉そうか…)なかなか個性的でソウルフルなシンガーでした。楽曲も魅力的で最初がこれなら良いライヴになるぞ~と思ったのですが、果たしてその通りに。次の『不汁無知ル』がピリっとした緊張感のある熱演でこの夜の成功を決定づけてくれたのでした。

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しかし良い演奏でした!ハッキリと独自の世界観のあるグループなので好みは分かれるとは思うのですが、あれだけのクオリティの前にはそんなことは関係ありません。なんというか感銘を受けましたね。
そして最後の近田崇仁、アコースティックギターかき鳴らしてロックンロ~ルな冒頭でいきなりお客さんの気持ちを盛り上げる姿にはソロパフォーマーとしての成長を感じました。…ってちょっと偉そうか(笑)人の気持ちを掴む、良い演奏で「チャリティといううもののあり方についてまだ(自分の中で)よくわからない部分がある」と言いながらも、最後を締めたいという気持ちがしっかりと伝わってくる熱演でした。

テーマを持って集まった出演者すべてが気持ちの入った演奏、なによりクオリティが高くてとても充実感のあるライヴでした。主催の近田、渦ヨーコさんをはじめとした出演者の皆様に感謝。そして熱心に聴いて下さったお客様に大感謝、ライヴチャージ以外にも義援金を託していただき感謝しています。今月末で一度まとめて、責任を持って被災地に送る予定です。改めて報告させていただきます。とにかくやっていきます。
第3弾は4月30日です。


本日!バイユー義援金LIVE第2弾。

2011-04-17 | イヴェント案内

本日、日曜日はライヴ営業。
バイユーがゆかりの面々と企画する震災義援金LIVE第2弾!
出演はお馴染み、不汁無知ルとバイユー従業員でもある近田崇仁(はいからさん)。そして佐古勇気(snap)の3組。

震災直後に偶然三重県の同じ店を前後してツアーで訪れた不汁無知ルと近田。それも何かの縁、そして普段からバイユーで縁深い渦ヨーコと近田。ということでバイユー近辺ではお馴染みの二人と店主が手を結び義援金企画を開催することとなりました。加えて近田がお気に入りのミュージシャン佐古勇気も参加。ソウルフルにやりたいと思います。
開場は普段より早くて18:30。開演は19:30です。 
料金は1500円(+1drink)
※(売り上げの一部を東日本大震災の義援金として寄付させて頂きます。)
お待ちしております。


ファンキーセッション!

2011-04-17 | ライヴ報告

昨夜は久しぶりのヒロナリBayou Session。ギタリストの新城秀規さんとエレキデュオでミーターズなどなど。ニューオーリンズなリラックスしたムードでThe Live Bar!な感じで楽しませてくれました。とはいえ息のあったファンキーなふたり。次第に演奏は白熱し、そこにゲストでRockin' Shoes他で大いに活躍中のドラマー遠田和範が参加。後半はなかなかのファンキータイムとなりました。我々従業員側もリラックスして楽しみました。110416_2 終演後、フラリと来店して聴いていた若者たち(ご来店ありがとう!)のひとりがミュージシャン志望と聞くと、ヒロナリは帰りかけているところをほぼ無理矢理「一緒に演ろ」とステージに上げアフターセッション。
ああいうタイミングでいきなりプロミュージシャンとのセッションにひっぱりあげられたにもかかわらず自作曲?を最後までやりきったのはなかなかのものでした♪若者にはこれからもバイユーに来て欲しいですね。

しかしアフターセッションまで、相変わらず気ままなヒロナリサンでした。この気楽で楽しい感じはなんともいい感じです。そうそう。その後飲みながら聞いたニューオーリンズでのジョニー・アダムス・バンド時代の話もなんとも興味深く面白かった!

「次回はミーターズ限定のセッションをやろう」とお題も決まって意義深い夜でした。


Johnny Winterのブルースが東京に響いた夜

2011-04-15 | 音楽

4月13日水曜日、ジョニー・ウィンター「奇跡の」初来日公演初日に行ってまいりました。
あの来日中止から21年。諸事情により来日は不可能と言われて21年。そのうえ、近年伝わってくる彼自身の体調不良もあってほとんど諦めかけていたところに届いた「初来日決定」の一報にバイユー近辺も大いに盛り上がったものでしたが…。
3月11日の震災発生、そして続く原発危機以来「ライヴは本当に開催されるのか」と不安視される事態となっていたのでした。
しかし!多くのミュージシャンの来日公演が中止となる中、ジョニーは遂に日本にやって来てくれました。

立って演奏することはない、と事前にわかっていたために少しでも前の方で観ようと珍しく開場時間前に着いたのですが、平日だというのに既に会場前はオヤジの渦、人波に溢れていました。静かに暑苦しい熱気。場内に入って真ん中前方に陣取って、開演1時間前だというのにかなりの入りの周囲を見渡すと、とにかくオヤジだ。平均年齢45歳は確実。そのオヤジ達が静かな熱気を放出して100万ドルのギタリストの登場を待っている。街で電車の中ですっかり慣れてしまった最近の重苦しい空気は勿論ここまで引きずってきているのだけれど、その中に少年のようにヒーローの登場を待つ情熱が小さく沸き立っている。

ジョニーはもう昔のジョニーではない。座ってしか演奏しないし、早弾きもしない。指がもつれるのでアップテンポのロッキンブルースも出来ない。ほとんどファイヤバードは持たない。演っても1時間くらい。もうほとんど目は見えてないのでは?…そんな情報が当然のように語られていた近年。そう、ここに集まっている観客はみんな「それでもジョニーに会いたい」オヤジ達なのだ。ジョニー・ウィンターの魅力はあのトゥーマッチすれすれのギタープレイと怒鳴るようでありながら繊細なブルースボイスだ。僕は個人的には音数多く弾きまくるギタリストは好みじゃないのだけれどジョニーだけは別格。トゥーマッチすれすれと言ったけれど、実際は本当にヤリ過ぎな時も多々有る音で埋め尽くすギタープレイ。たただそこに彼の場合は真実があるように感じるのです。弾かずにはおれない「辛抱たまらん感」が強烈で、ただ自分に酔って手癖でギターを弾きまくっている連中からは絶対に伝わってこない切迫感や人間性、そして悦びや哀しみがあるのだ。ローランド・カークが辛抱たまらん~と唸り、叫ぶときくらいに。
だけどどうやら、今のジョニーにはその辛抱たまらん感を表現することができなさそうだ。枯れた味で聴かせるスタイルじゃないだけに厳しい。youtubeで危ういプレイを聴かせる近年の姿を観ることができたため。ますます過度な期待は抱かなくなってきていたのでした。実際、開演前に周囲からは「早く終わったら今日はどこで飲んでく?」という、とにかく姿を観られれば良いという空気さえ感じられたものでした。

会場にはずっとブルースが流れ、シンプルなステージ上にはあの『CAPTURED LIVE』を思い出させるJOHNNY WINTERの文字が掲げられ「期待していない」といいながらも興奮は高まる。すっかり満員。ZEPPって大きいんですね。

定刻をほんの少し過ぎて開演。バンドが登場して短いインストを披露するとすぐにジョニーを呼び込む。あっさりしてるなーと思ったら、ひょこひょこっとステージ右手から100万ドルのギタリスト、ジョニー・ウインターが登場!いきなり興奮の坩堝と化すオヤジで満杯の場内。僕も大興奮。おお本物のジョニーだ!!!
2 愛用のヘッドレス、レーザーギターを取り出しておもむろに弾きだす。驚いた!僕と同じ驚きが周囲に広がっているのがわかる。ジョニー大丈夫やん!弾ける。バッチリ!!明らかにみんな驚いている。もちろん往年のプレイではないのだけれど寂しくなるようなところはなく間違いなくジョニー・ウィンター!感激が客席に広がってゆくのがわかる。アップテンポの曲もいける!切れ味あるやん!期待していなかったからこその嬉しい驚き。そして興奮。やっぱり初日に来て正解でした!
なんといってもバンドの貢献度が高い。サイドギターがクリアーでないラウドなギターをかき鳴らすこのサウンドには賛否あるのだろうけれど、この音ゆえに今のジョニー・ウィンターをカッコよく聴くことができたのだと思う。潰れ気味のバックのトーンはジョニーの衰え、アラをそつなく覆い隠していたし、もともと暴走気味のジョニーのビートをカヴァーし、アップテンポの曲での危うさも、潰れたトーンと高音キツめのリードギターの絡みはバンドの上で暴走気味という範疇にとどめていたと思う。遅れ気味になった一瞬にバンドが拍を若干ズラして合わしたり(ドラムもベースも愛あるプレイでした)、即席バックバンドではあり得ないカバーリングで主役をもり立てていた。ジョニー・ウィンターの良い面をしっかりと聴かせる、よいサポートぶりだったと思う。ファンとしてはジョニーのギターをもっとクリアーなトーンでビシっと、もっと言えばサイドギターなんていらなかったのかもしれないけれど、僕はこの日のサウンドを支持します。
MCはほとんどなく短い曲間でカウントを入れどんどん演っていく。ベンド(チョーキング)をほとんどやらず、長い指をボディ方向に斜めに倒すように寝かし向け指板を滑らせてプレイするジョニー。もちろん火の出るような早弾きもなし。
バンドの音作りやテイストはどちらかというとロック寄り、だけどなんともブルースを感じさせる。これぞジョニー・ウィンター。「マディ・ウォーターズの曲を」と演奏された『Got My Mojo Working』。高校生の頃ジョニーよりマディを先に聴いてしまっていた僕は、当時出回っていた『マディ“ミシシッピ”ウォーターズLIVE』(ギターがジョニー)の印象が強い。晩年のマディの側に寄り添っていた彼の奏でるマディ・ナンバー。生マディに出会えなかった者として感慨深いなんてものではありません。胸が熱くなり次第に目頭が…(笑)続いて『Johnny B. Goode』。モジョワーキンにジョニーBグッド、こんなベタな曲でサビを一緒に歌うことがあるなんて思いもしませんでした。ええ、大きな声を出してしまいましたとも。
そして後半に演奏された長尺のスローブルース、これが衝撃的でした。別に特別なことをしたわけじゃない、彼がずっと演ってきたブルース表現なのでしょう。自分は本来、長いギターソロで聴かせるスローブルースをあまり好まないのですが…正直、どうにもこうにも沁みました。超絶ギタープレイがあったわけではないですし、凄い歌声というわけでもない。歌詞も聞き取れない。しかし紛れも無い、個の匂いプンプンのオリジナルなブルース。平時を装いながら全く平時ではない今の東京、外国人も寄り付かなくなりつつある今の日本という特殊な状況だったからでしょうか?会場の外はすぐに海。つい先日、多くの命を飲み込んだばかりの海。近い将来への漠然とした不安を抱えたまま集まった聴衆に染み込んでくるようなブルースでした。
かつて「ブルースは黒人にしかできない」というニュアンスの発言をしたことがあるというマディが、かつて自分の側にいた真っ白な男(ジョニーはアルビノです)の奏でるこのリアルなブルースを聴いてどんな気持ちになることだろう。そんなことを思ってしまいました。

ライヴはいよいよ佳境、期待していなかった曲が飛び出した。『Bony Moronie』高校生の頃『CAPTURED LIVE』に興奮しこの曲をバンドで演っていた僕としては(といってもジョン・レノン風だったけど。バイユーの忘年会でも演りました)なんとも興奮する選曲。「ああいうアップテンポのロックンロールはもう演らない(れない)んだろうなーと思っていたもので。ええ、一緒に歌いましたよ。
同じく同アルバムに収録されていた『It's All Over Now』で本編終了。
熱烈な拍手声援を受けてかすぐにアンコールに応えるジョニー。出て来たその手にはファイアバードが!!大歓声、客席はこの日一番の盛り上がりを見せる。そして左手小指には銀色に輝くスライドバーが、どよめく場内。バーを勢い良く滑らせて鋭い金属音をひとつ鳴らすと絶叫するオヤジ達。息つく暇も無く次々に演奏していた為、まだスライドを聴いてないことにこの時になるまで気づきませんでした。そうコレが聴きたかったのよ~。どよめきとざわめきを切り裂いて『Dust My Broom』。なんと奇をてらわぬ選曲。

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痺れました。恍惚としましたね。これで終わりか?と思ったら最後の最後にもう1曲!必殺の『Highway 61 Revisited』。悲鳴のような歓声が上がる。怒鳴るように歌うジョニー。繊細な男です。スライドギターが胸に突き刺さりました。

1時間半のショーはこれにて終演。事前にM社の人から「ジョニー本人は1時間半演るって言ってます」と聞いてはいたけど「ほんまかぁ~?」と思っていましたゴメンナサイ!ほとんど曲間なしの濃密な1時間半のグレイトショーでした(後で見たセットリストにはHave a great showと書いてありました。)。
終演後のお客さんの高揚した様を見て、自分も興奮冷めやらぬ熱気を放出しているオヤジであることに気づきました。ほんと来て良かったと思いました。そしてこんな時期の日本に来てくれたジョニーに感謝です。
全体の印象としてはブルースロックスタイルのライヴでしたが、どうしようもなくブルースを感じました。
ブルースが好きでずっと聴いて来た自分とって、忘れられないブルース体験となりました。


土曜日はヒロナリBayouSession!アコースティック・ミーターズ??

2011-04-15 | イヴェント案内

明日、土曜日は久しぶりのヒロナリBayouSession。今回もニューオーリンズの香り溢れる演奏になりそうなのですが、いまだ詳細は未定。なにやらアコースティック・ミーターズ?という情報も…。興味津々です。
19:00開場20:00開演料金は1500円(+1drink)です。
出演:ヒロナリ(from GO-AHEAD、ex Kirk Joseph's Backyard Groove、ex Johnny Adams Band、ex Cyril Neville Band 他)


あの『いづみや』より宮城の銘酒到着!

2011-04-13 | メニュー

あの、といってもわからない人ももちろん沢山いるとは思うのですが…わかる人にはわかる。音楽好き、特にブラックミュージック愛好者にはなかなかに有名な仙台のマニアックでプロフェッショナルな宮城の地酒専門店『いづみや』さんからお酒が到着いたしました。

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店主は音楽ライターとして、特にゴスペル分野では最も知られた存在の佐々木健一さん。とにかくレコードコレクター&酒店店主としての熱い情熱が一部で非常~に高名な『いづみや』さんのお酒を自宅用として一度購入してみたいものだと常々思っていました。
と思いながらなかなか機会を逸していたのですが…この度の大震災の中、今こそ東北のお酒を飲むときだ!と高知の日本酒だけを扱ってきたバイユーでも積極的に取り扱っていこうということになりました。
今回のセレクトはもちろん!佐々木さんに一任。「送り出した酒、どれもがいづみやのおやぢ責任の下、全国どこへ出しても恥じない味わいです。」という逸品揃いです。もちろん冷蔵保存します。
今回の入荷は乾坤一・純米酒/冬華、夢幻・純米生酒、日髙見・純米、墨廼江の4種類。
震災で甚大な被害を受けた蔵も多く、先日の余震で更に被害を受けたという話も伺いました。墨廼江(素晴らしかった!)は先週土曜日に震災後初の配達に来てくれたそうで(石巻から!)被害を免れたものから瓶詰めしたそうでなんと2011年4月表記が。「ひとつ皆様で心して飲んで下さいね。」との佐々木さんの暖かい手書きのメッセージが添えられていました。義援金も勿論続けていきますが、飲食店らしく被災地に貢献できればと思っています。
それにしても凄いです。


石田順裕ラスベガスで快挙!

2011-04-12 | ボクシング

ボクシングです。

先日のトリプルタイトルマッチは西岡選手粟生選手が見事にKO防衛したものの、長谷川選手がジョニー・ゴンサレスにKO負け。強豪相手の防衛戦だっただけに敗戦の可能性は認識していましたが…やはりショック!営業中だった為まだゆっくりと観直していないので詳しくは語れませんが、バンタム級時代のようなスピードとタイミングに溢れた好戦的なアウトボクシングを展開することはできませんでした。打ち合いも厭わないソウルフルな立ち姿もそれはそれで魅力的なのですが長谷川選手のスタイルではないように思います。それとゴンサレス選手との相性の問題もあったのではないでしょうか?とはいえ3人の挑戦者がこの非常時に来日してトリプルタイトルマッチが開催されたことの意義は大きいと思います。

と、長谷川選手の敗戦にガックリしているところに凄いニュースが飛び込んできました。

元WBA世界Sウェルター級「暫定」王者、石田順裕(のぶひろ)選手がアメリカ、ラスベガスのビッグマッチのアンダーカードで次期世界王者候補として名高いジェームス・カークランド選手とノンタイトルで対戦し、1Rノックアウトで勝利したとのこと!!これは快挙です!

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石田選手は国内で何度も挫折を味わいながら世界戦線に浮上し王座挑戦のチャンスをうかがい続けたものの、アメリカが主な舞台となる階級のため困難を極めた末、WBA暫定王座を奪取したという経歴を持つ選手ながら知名度は極めて低い。
その理由としては彼の獲得したタイトルが暫定のうえ、決定戦であったということが上げられる。しかし、彼の場合は正規の挑戦者決定戦を制したものの王者がスター選手との大試合を希望し防衛戦を行わないという状況の中、待たされに待たされた末に救済策として組まれた決定で仕方のない一面もあった。しかし対戦相手は挑戦者決定戦で一度勝利した相手であった為、勝利し王座に就いても一般マスコミ、ボクシングファンどちらからも高い評価を得ることはできなかった。
本人は「すぐに正王者と決定戦をやって暫定の文字を取りたい」とアピールを繰り返したが東洋の暫定王者に試合の声はかからず、仕方なく暫定王座の防衛戦を戦わざるをえなかった。初防衛に成功するものの試合は井岡選手のノンタイトル戦の前座で行われるという不遇を味わった。
WBA王座は結局、防衛戦よりも大試合を望むチャンピオンがスーパーチャンピオンという摩訶不思議な地位に格上げされ空位となった正チャンピオンを決定戦で決めるということになり、本来昇格するべき暫定チャンピオンはメキシコで行われた正王座決定戦へ出場を求められた。あまりにも不当な裁定で陣営や協会はWBAに抗議したが石田選手は潔くリングに上がり微妙な判定で(不可解な判定と騒がれた)破れ、無冠となった。

ボクシングファンにとって「石田順裕」といえば評価はそれほど高くはないが気の毒な選手というイメージが固まり、引退か?と囁かれていたところにラスベガスで再起戦!とのニュースが流れたのが2週間前。
僅か2週間の準備期間だけでなく驚かされたのがその対戦相手。暫定とはいえ世界王者経験者の再起戦というと比較的リスクの少ない相手が選ばれることが多いが、石田の相手カークランドは超のつく強豪。アマチュアで146戦(134勝12敗)~プロ入り後、北米タイトルを獲得するなどして世界1位まで躍進したものの違法行為のため戦線離脱。その後リング復帰を果たした為、世界王座にこそ就いていないが本場のリングが認めるスーパースター候補。戦績は27戦全勝(24KO)。1RKOも多い黒人のハードヒッターで直前の試合決定ということからもこれはどうみても石田選手の方が「かませ犬」。甘く見られている日本人の元暫定王者は調整相手として絶好と判断されたらしい。
この2週間ボクシングファンの間では「無謀なマッチメイク」「頑張って欲しいけど…」「無理」など悲観的な意見が多く見られた。石田選手の実力以上にラスベガスで日本のボクサーが勝つイメージを持てないということも多かったのだろう。西岡選手や長谷川選手のようなところまで辿り着いて初めてあの舞台に立てる。そう思っているからか冷ややかな意見もあったようだ。

それを覆しての1ラウンドKO勝利!!既に海外のサイトでは「大番狂わせ」と大評判になっていてyoutubeでの映像をいろいろなところで目にすることができる。スピードとと技術に裏付けられた素晴らしいノックアウト。3度のダウンを奪っての勝利に文句のつけようはありません。
勿論この試合はノンタイトル戦なのでチャンピオンになったわけではないですが、暫定タイトルより価値ある快挙です。全米に生中継されていたこの試合、ISHIDAの名前は一気に世界に広がったようです。
WBAの迷走によりタイトルの価値が低下した現在の世界のプロボクシングではタイトルよりも印象的な試合をした選手が優遇される傾向があります。WBAの王座乱発によるタイトルの価値低下の犠牲になった石田選手が今度はその恩恵を受けることになるのではないでしょうか。世界ランクも上がって次はより大きな試合が組まれるはずです。不遇に腐らず踏ん張った石田選手に心から賞賛を送りたいと思います。

息の詰まるような毎日に届けられた素晴らしいニュースでした!


ちゃーがんじゅーの熱い夜

2011-04-10 | ライヴ報告

昨夜の『ちゃーがんじゅーの夜』は沖縄出身、ゆかりのミュージシャンが5組、バッキング等で共演の人数まで入れるとまさに大集合!の震災チャリティライヴでした。

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急な開催にもかかわらず大入り満員の大盛況。バイユーは身動きの取れないほどの状態で「冷房!」が欲しいくらいでしたが我慢。お客さんと共に、汗をにじませライヴを楽しみました。5組たっぷり+セッションの長丁場のライヴ。そのうえ窮屈な環境でしたが、終演後お客様方から「楽しかった、来て良かったです」と店主としてなんとも嬉しい言葉をいただきました。「気持ち円」として集まった義援金は44726円(バイユーも協力させていただきました)。全額を主催者ノーズウォーターズの平安山高広が責任を持って被災地に送るとのことです(後ほど報告いたします)。

110409 個人的な感想を述べると~最初に登場し弾語りを披露し、その後はベーシストとして皆のバックアップにも努めた主催者ヘンザンの魂のこまった頑張りに胸が熱くなりました。思えば震災後、「俺たちどうしよう」とふたりで話しあったこともありました。思い悩む前に行動する強さ、瞬発力も勿論素晴らしいですが。考えに考えた末に辿り着いたシンプルな行動は僕の心に響きました。
彼の心意気に賞賛と感謝を贈りたいと思います。
そして慶田盛大介、加治工敦、石垣喜幸、あびこめぐみさんをはじめ出演者の方々。そしてそしてお客様、本当にありがとうございました。


ちゃーがんじゅーの夜

2011-04-09 | イヴェント案内

4月9日(土) 、今夜のバイユーは沖縄のミュージシャンたちによる震災チャリティLIVE~がんばろう日本!!ちゃーがんじゅーの夜~を開催します。
Photo_3 出演は発起人のノーズウォーターズ平安山高宏に加え、慶田盛大介(いなむぬ3)、加治工敦、石垣 喜幸、あびこ めぐみ。
入場料は気持ち円(+1DRINKオーダー)
入場料は全額震災義援金となります。
発起人がいろいろと悩み考えて開催に辿り着いたチャリティLIVE。気持ちの入った良いLIVEになる予感でとても楽しみにしています。19:00開場20:00開演です!