バイユー ゲイト 不定期日刊『南風』

ブルース、ソウルにニューオーリンズ!ソウルフルな音楽溢れる東京武蔵野の音楽呑み屋バイユーゲイトにまつわる日々のつれづれを

サマー・オブ・ソウル!

2021-11-10 | 映画
すっかり時間が経ってしまいましたが10月20日、映画『サマーオブソウル』を観てみりました。
50年以上埋もれていた幻の黒人のためのブラックミュージックフェスティバル映像。
しかも周りに音楽ファンや関係者がこれだけいながら噂すら聞いたことのなかった夏の記録。
このフェスでの映像が(ニナシモン!)数年前から動画サイトにそれとはわからずあがっていたのに気づいたのは映画に関する報道に触れて初めてという次第。
この情報過多の時代にこんなことがあるとは、一部の熱烈な音楽愛好家の中では現代のおとぎ話的騒ぎとなっていました。
「感動した!」の声が周囲に溢れる中、務めて冷静に劇場に足を運びました。



まさかほんとに涙浮かぶ映画鑑賞になるとは…。それも2度3度と。
自分で自分に驚いてる。
確かにスティービーワンダーのドラムが終わると同時にタイトルが現れた瞬間、思わず胸の前で拳を作ってしまったあたりからガードが甘くなっていたような気がする。
とにかく撃ち抜かれました。
もし最後がain't got no.I've got lifeだったら恥ずかしい状態になったかもしれないなぁ。

知らないことがたくさんあった。

ドキュメンタリー映画ゆえ、演奏が完奏することは少なく貴重なライブ映像にインタビュー映像やナレーションが重なるこの作品。
そこに不満を漏らす方もいるようですが
僕はライブはあくまで「ナマ」現場で体験することを重視していて、映画、特に2時間などの劇場用作品でライブ映像をそのまま見るということを重視していません。
1969年夏のハーレムを映し出す作品としてみたので「完奏しないこと」に不満は感じませんでした。
素晴らしかった。

この熱。機会があるならなんとかして、万難を排して、劇場の暗闇で見てほしいと思います。

I AM THE BLUES

2021-07-16 | 映画
今頃!?と言われそうな気もしますが映画『I AM THE BLUES』を観ました(2018年公開)。

公開当時、ポスターを横目で見て思ったのは「地味そうな映画だなぁ」というもの。

アメリカ南部のブルースドキュメンタリーなのだが、出演者がいかにも渋すぎる。
出演者の中でそれなりに知られているのはボビーラッシュとバーバラリン、レイジーレスターくらいであろうか。
それ故「時間のある時に観ればいいかな」とすっかり忘れかけていたけれど…。

これが、素晴らしい作品でした!

もちろん、予想通り地味ではあったのだけど。アメリカの黒人音楽、特にブルースミュージックに強い思入れのある人間なら絶対に見て損はない映像が次々に現れるなかなかの逸品でした。
特段劇的な場面があったり、圧倒的なパフォーマンスが見られるわけではないので物足りないという人もいるのかもしれないけれどそんなことは少しも問題じゃない。
現地に行ってもなかなか見ることのできない、地域文化としてのブルースの真の姿を見ることができる貴重な作品です。
特にルイジアナ、バイユーという言葉に憧れのある人なら思わず息を飲む様な映像の数々。
生活の中の、南部黒人の人生の中に根付いたブルース。レコードや来日公演では伝わってくることのないブルースミュージックのリアルな姿を見ることができました。

この映画に出てくるのは70代80代の老人ばかり、彼ら、彼女たちの音楽を拠り所に生きてきた人生の終盤が淡々と描かれる。
キャロルフランとレイジーレスターのやり取りを眺めつつ「自分たちの周りだってあと20年経てばこんな光景が…」などと思わされたりもしたものでした。

本編中、最も頻繁に登場するのはボビーラッシュ。
彼の来日公演は体験したし、彼の南部ツアーを描いた映画『ロードトゥメンフィス』も見ているけれど、この映画での彼を見てこれまでとは随分違う印象を受けました。
ステージを離れ、他者と対峙する時の優しげな佇まい。黙って会話を聞いている時、相槌を打っている時のボビーラッシュの表情、眼差しの持つ包容力の様なものには自分がこれまで気付いていなかった魅力がたっぷり。
チタリンサーキット(南部の黒人相手の場所を回るツアー)叩き上げの大物ブルースマン、ボビーラッシュ。
メジャーヒーローには成れなかったけれどブルースフィールドに確固たる地位を築いた彼の、うわべだけだったり薄っぺらでないリアルな立ち姿。「もう1度ライブが観たい!」と強く思ったのでした。

なんというかブルースへの愛情がしっかり伝わってくる、素敵な作品でした。ブルースが好き、もっと知りたい、という方なら是非。




JBの映画!身体が動きます!!

2015-06-24 | 映画
JB映画、ようやく観てきました~。あっという間の139分!ひとことで言って面白い‼
作りモノの映画で色々言う人もいるかと思いますが、文句なく楽しめます。
JBを少しでも好き、とか興味がある、という人は(今の上映はあと少しで終わりそうだけど…)絶対にスクリーンで観ることをオススメします‼︎

音はホンモノのJB、
デカイスクリーンで観ると身体が動きます!!

『MUSCLE SHOALS』堪能しました!

2014-08-01 | 映画

一昨日のこと。午前中から新宿へ行って、狭い世界で話題沸騰の映画『黄金のメロディ マッスル・ショールズ/MUSCLE SHOALS』を観て来ました!
映画の日(1000円デイ)だったのですね~狭い劇場ながらほぼ満席でした。平日午前中に動けるオトナってこんなにいるんだ~と不思議な気がしましたね。
Photo_2 まだ観てなくって迷ってる方、DVDでいいかなと思ってる方…。もし可能ならば是非劇場へ!お薦めいたします。ソウルマニアでこのあたりのウラ話に詳しい方や、あそことあそこに触れてないのはちょっと…とか気になるという方からはいろいろとご意見もあるようですが。
ともかく!ソウルミュージックが好きでフェイムスタジオやマスルショールズの名前を少しでも知ってるという方には強くお薦めいたします。

観るものを引き込む作りで、2時間近い作品ながらあっという間に終わってしまったという感があります。深い部分とわかり易さのバランズも良く。良い意味でマニア度数高目に走っていません。モータウンの映画の何倍も良かったです!!グッとくるところも何ヶ所か有り。見終わるとレコードが聴きたくなったもんです。

しかしわかってはいたけど…あれほどの田舎だったんですね~。


今頃キャデラックレコードを…

2009-09-29 | 映画

Cadillacrecords_poster ブルースといえばまずはCHESS!というほど有名な『チェスレコード』の歴史を描いた映画『キャデラック・レコード』をようやく観てまいりました。なんだかんだ言って結局行けなくなる、というパターンを避けようと珍しく前売券を購入していたのですが…ビンボー暇無し故に、淡々と時は過ぎ間もなく上映が終ろうかという時期となり慌てて、本当に慌てて行ってまいりました。(どうせ行けずに無駄にするんだろうと予想していたみなさま!無事に行ってまいりました)

で、どうだったか?ですが。
これが予想以上に楽しめました。画面に引き込まれているうちに2時間近くがあっという間に過ぎました。こんなことってなかなかありません。
考えるに、これには上映期間ギリギリに観たことが良い方に働いたのではないかと思われます。いろいろな方々によるあれやこれや、「あれはないんじゃない」や「あれはイケる」。そしてフィクションとも言える設定や事実、時計軸の違いについての情報が沢山耳に入った状態で観たため、過剰な期待なく席に座ることができたのでした。おそらく自分も漏らしたであろう細部への不満も既に他の方々が言って下さっていたため「まぁこれくらいええやん(笑)」という気持ちで受け止められました。なんといっても、胸躍る黒人音楽レーベルのサクセスストーリー。とにかく楽しく観ることができました。これまで日本のビヨンセしか知らなかったけど本物のカオも覚えることができたし満足です。
数年前のモータウンの映画が、基礎知識の無い人には若干厳しい内容であったのと違い、今作は良くも悪くもエンターティンメントの道を外しておらず、ブルースを知らない人が観ても十分楽しめる映画となっています。事実、まったくブルースとは縁のない若者がたまたま観てマディやリトル・ウォルターのCDを買った!!という話も耳にしました。
未見の方は是非!肩肘張らずにごく一般の映画として楽しむことをお薦めいたします。
とても楽しい時間を過ごし、観終わるとCHESSのレコードを引っぱり出していろいろと聴きたくなりました。そして恵比寿は都会でした。。。


明日に向かって

2008-09-29 | 映画

ポール・ニューマンが亡くなった。
ガキの頃『明日に向かって撃て』が大好きだった。サンダンス・キッド(ロバート・レッドフォード)より断然ブッチ・キャシディ!だった。あの軽さと言うか、クールに飄々としているところがなんとも良かった。主題歌『雨に濡れても』は今でも大好きな曲だ。歌詞も大体覚えてる。
世間からかなり遅れて自宅にCDを導入した時(89年か90年)最初に何枚か買ったCDの1枚がこの映画『Butch Cassidy and the Sundance Kid』のサントラだった。
よく『スティング』とどっちが好き?という話になるけれど(確かにどちらも素晴しいが)、ぼーっと眺めていてもストーリーが簡単で、そしてカッコイイという点で『明日に向かって…』の勝ち、だと思う。

あとはボクシング世界ミドル級チャンピオン・ロッキー・グラジアノを描いた『傷だらけの栄光』かな。影のあるチンピラっぽい風情が印象深い。
そして『シンシナティ・キッド』!ニューオーリンズが舞台のタマらん作品(ポーカーモノ)。レイ・チャールズが主題歌を歌う場面が映像と共に激渋だった記憶がある。この作品の監督は後にあの『夜の大捜査線』を撮った人なんだな~(当ブログのカテゴリ「映画」で触れてます)。

83歳か…。なんかもっと若かったような気がするので「早いよ」と思いました。Paulnewman


ロニー・レインの映画を

2007-06-22 | 映画
先日、吉祥寺のバウスシアターにロニー・レインの生涯を描いたドキュメンタリー映画『ロニー』を観に行ってきました。先に渋谷で上映をしていたのですが、バイユーでTマイさんから「終わったらバウスに来る」との事前情報を得て待っておりました。なんといっても地元、そのうえバウスのライヴ用PAシステムで上映されるのですから!はやる気持ちを抑えて上映開始を待ちわびていたのであります。日程決定後はバイユーにチラシとでっかいポスターも届けられ、渋谷で観た人たちの感想も聞こえてくるなどいやがうえにも盛り上がります。
当日、久しぶりのバウス大ホール?はやっぱり良かったです。ここ数年入口外の小さいところでしか観てなかったので尚更です。この前ここで観たのは10年以上前の『THE LAST WALTZ』だったような気がします。武蔵野市民失格です。
さて!馴染みの方々と一緒に観た『ロニー』。満足しました。そりゃぁいろいろ言いはじめたら感想や意見はあるんだけど、ロニー・レインという個性と才能に溢れた素晴らしいミュージシャンの歩みをゆっくりと観ることのできる素敵な時間でありました。劇場用映画!という大掛かりな手触りよりも丁寧な音楽ドキュメンタリーという趣きでした。音楽好きの方には是非観て、終始一貫していたロニーのミュージシャンとしてのあり方に接して欲しいと思います。そしてやっぱりバウスで観て良かったなと思いました。これからは時々は足を運ぶように心掛けます。
…と書きながら。。。バウスでの上映は今日までです!!ギリギリのお薦めでごめんなさい。早く書くべきでした~。お時間ある方は今夜!その後は是非バイユーへ(笑)
沖縄や岡山、京都、広島、大阪、神戸の方は近々上映があるようなので是非足をお運び下さい(読んでくれている人はいるのかな)。http://ronnie-love.com/index.htmJpg033



夜の大捜査線

2006-06-15 | 映画
先週の休日、生憎の雨模様だったので自宅で録りためておいたヴィデオを観た。
映画『夜の大捜査線 IN THE HEAT OF THE NIGHT』。シドニー・ポアチエです。レイチャールズの主題歌にはヤラレます。
刑事物サスペンス?人種差別物?という作品ですが、期待にたがわぬ傑作でした。以前から薦めてくれていた方々の気持ちがわかりました。ポアチエ、カッコイイです。このカッコ良さはかなりのものです。それとは対照的にミシシッピの田舎警察署長役のロッド・スタイガー(何故かこの作品でアカデミー主演!男優賞受賞)以外の白人描写はヤバさ満点で、愚かな差別主義者というのが基本でその上変態性や異常性の強い人物ばかりで犯罪者と紙一重、ほぼ全員が知恵がまわらずに鈍いという凄いもの。これってある意味差別的では?そこにきてポアチエがファッションを含めたルックスまでガッツンとキメているからかなり対比が際立っています。これは意図したものではないのかも…などと思ったりしました。
邦題の響きはいいけど出てくる刑事は2、もしくは+1で「大」でも「線」でもありません。

しかし昨夜はサウジ、ポーランドの健闘に熱くなりそして、疲れました。ウクライナに合掌。Yorusousa3
Yorusousa2