50年以上埋もれていた幻の黒人のためのブラックミュージックフェスティバル映像。
しかも周りに音楽ファンや関係者がこれだけいながら噂すら聞いたことのなかった夏の記録。
このフェスでの映像が(ニナシモン!)数年前から動画サイトにそれとはわからずあがっていたのに気づいたのは映画に関する報道に触れて初めてという次第。
この情報過多の時代にこんなことがあるとは、一部の熱烈な音楽愛好家の中では現代のおとぎ話的騒ぎとなっていました。
「感動した!」の声が周囲に溢れる中、務めて冷静に劇場に足を運びました。
まさかほんとに涙浮かぶ映画鑑賞になるとは…。それも2度3度と。
自分で自分に驚いてる。
確かにスティービーワンダーのドラムが終わると同時にタイトルが現れた瞬間、思わず胸の前で拳を作ってしまったあたりからガードが甘くなっていたような気がする。
とにかく撃ち抜かれました。
もし最後がain't got no.I've got lifeだったら恥ずかしい状態になったかもしれないなぁ。
知らないことがたくさんあった。
ドキュメンタリー映画ゆえ、演奏が完奏することは少なく貴重なライブ映像にインタビュー映像やナレーションが重なるこの作品。
そこに不満を漏らす方もいるようですが
僕はライブはあくまで「ナマ」現場で体験することを重視していて、映画、特に2時間などの劇場用作品でライブ映像をそのまま見るということを重視していません。
1969年夏のハーレムを映し出す作品としてみたので「完奏しないこと」に不満は感じませんでした。
素晴らしかった。
この熱。機会があるならなんとかして、万難を排して、劇場の暗闇で見てほしいと思います。