先週の事。日々、いろいろとお世話になっている山名昇さんから直接購入したのがコレ!
『BLUE BEAT BOP! (REISSUED EDITION)』
初版発行から10年後、1度目の復刊。それからさらに12年後の再復刊。
マニアックな音楽本としては極めて稀な3度目のリニューアル版を、準備中から「出たら買いたい!」と言っていたのを覚えていてくれたのか?発売日前に(完成直後に)届けて下さいました。
まあ実際は完成直後の数少ない山名さん手持ちの現品から現金で強奪したようなものなのですが…。
著名なこの本を持っていなかった僕はいつか手に入れたいと思っていたので、いち早く手に入れられて嬉しかったです。
1月28日発売。「まだたぶん(関係者以外は)2人か3人?しか持ってないよ(笑)」と山名さん。
…事情あって家に籠っていたので、急いで読みました。せっかく早く入手したので早く読まなきゃね。という感じで。
スカ、ロック・ステディ、レゲエを愛好する人々にとってバイブル的存在の本著。
このジャンルのマニアックな愛好家とまではとても言えない僕にとっては未知の名前や事実が膨大な量記されているのですが、その膨大な情報量が無機質な呪文として響いて来たりしないのは
この本が、インターネットで世界中の情報が瞬時に検索できるようになる遥か前に作られた、ということがまずひとつ。
そして、専門的で敷居が高そうな音楽専門書でありながらも、細かくビッシリと記された中身に少し目を通しただけで伝わって来る
(著者であり編者である)山名さんの
興味を持って近づいて来る読者と、「自ら得た音楽の楽しみを共有しよう」という、内容の専門性とは裏腹の親しみやすさなのだと思う。
いや決して、共有しようぜ。なんてことは思ってないのだろう。キャラ的にも(笑)
「面白いこと、あるぞ」という感じだろうか?
音楽は詳しくなったらエラくなるのでなく、更に面白くなってくるのだということがよくわかるのです。
それはスカ、ロック・ステディ、レゲエを中心とした本書でありながら一筋縄でいかないニヤリとする部分がそこかしこに転がっている事からも…。
今回のリニューアルで加えられた「未来のコレクション」という貴重なレーベルやジャケットが多数掲載された巻頭からしていきなりROY MONTRELLが目につく。そしてJOE KINGCARRASCOにKILBURN&HIGH-ROADS。
そのうえFLAMIN'GROOVIESのジャケット写真までがカラーで掲載されているのには凄いな~と思いました。
これらは山名さんの選ではないのですが、後記で「それにしても、この本にF・グルーヴィーズのアルバムのカラー写真が載るとは…(以下かなり略、買って読んでね)」と嬉しそうに言及していることからも、本著には山名昇の音楽全般に対するアティテュードが隅々まで行き渡っていることがわかる。
イントロダクションの文章からして
フロッグマン・ヘンリーやピーティ・ウィートストロー、クッキー&カップケイクスへの言及があり「スカ、ロック・ステディのファンに贈るアメリカのR&B、ブギー曲の推薦盤50」なんてものが紹介されている!
カリプソにも言及し、「ブルービートは少なくともスカとはイコールではない」と、まだ冒頭だというのにスカフリークにあんまりな物言い。
80年の来日時にリコ・ロドリゲスが「マイティ・スパロウはキング・オブ・ブルービートと呼ばれていた」と語っていたと紹介されている。
この本がこれまで「聖書」のように扱われてきたというのだから、日本のスカファンはなんと柔軟で豊かな音楽生活を送ってきたのだろう。…●●●●ファンとはエライ違いだ。
再び後記から
「対象はオーバーにいえばスカでなくても構わなかった…(以下略。後は買って読んでね)」との一文があるけれど
いまだにレコ屋通いがやめられないような、日々どうしようもないほどの音楽ファンならば、このことが(後記に辿り着く前に)自然とわかってくるのだ。
未知の部分を振り切り振り切り読んでいるので隅々まで読んだとは言い難い自分。
これから再度、日々ゆっくりと読ませていただきます。
スカ愛好者以外の方にも、音楽にガツンとハマッた「あの」経験のある方には是非、お薦めいたします。
以上、このジャンルに疎いのがバレバレの推薦文失礼いたしました!