メンバーがステージから去り、大きな拍手に包まれる場内。ザッザッザッザッと拍手の波が聞こえ、その中には「アン、コォル~ゥ」や「ワ・ル・ツ、ワ・ル・ツ」が入り交じる。で、自分はというと拍手の波に乗って手を叩きながら…「ひぃ~休憩、ナシだったぁ」と思ってました。バイユーゲイトツアー仲間と少し言葉を交わす。でも何を話したか記憶が…。
盛大な拍手と歓声の大きさに抗えるわけもなく、アンコールに応えるワルツ、カッコイイー!「とびきりファンキーなナンバーを!」と(曖昧ですがこんな感じだったはず)ホーンが煽るように鳴り響き『恐竜がやって来たyayaya』が始まった!躍り上がる客席。ギターカッティングが我々の腰を直撃する「yayaya!」。ダンスナンバーのプレゼントに騒然とした状態となる。比較的前の方の席の人たちはステージ前に向かう。後ろの方でも立ち上がってる方多数。ブレイクしてローリーさんのファンキー・ギターカッティングが空気を切り裂く。助けて~♪
それまで前の方の席は、エアコンのせいで少し寒いかなと感じていたのですが一気に暑くなってしまった。どーする??もうこのまま突っ走るのか?と思って覚悟を決めていたら続いてミディアムナンバーが始まった。『LITTLE SONG』。歌いだすまで何の曲かわからず、とても驚いた。アンコールでこの曲というのはまったくの予想外。ファンキービートから一転…ではあるのでゆっくり味わおうかな。という気持ちになったら、そんな甘いものではなかった。
…睡眠不足でほとんど昨日の続きのまま沖縄にやって来て、ここでワルツのライヴを観ている。この今の自分の現実にザックリと入り込んでくる歌。特別な難しいことを歌っているわけでもない。感動や感性などどという数字ではかれないものにうつつをぬかしてきた僕らに、擦り寄って肯定してくれているわけでもない。安易で虚しい応援ソングや癒しなどではもちろんない。いたってシンプルな歌。でも、いろんなことを自覚しながら自分で有り続けているであろう多くの人の心をとらえて離さない、さりげなくも強い力を持っていた。ここに歌詞を書いても、?と思う人もいるだろう。かつてジョン・レノンが「ボブ・ディランの詞を読んで理解しなければならないということはない、(英語を解さなくてはというものでもない)。彼の歌いまわし、それを聴くと全て(ロックンロール)がわかる」と語ったそうだが、この日この時間、客席に向かって歌う姿の持つ説得力。『LITTLE SONG』は僕の心をこの夜、何故か鷲掴みにした。何が?ではなく全てが解った気がした。気のせいでもいいのだ。恥ずかしながら呆然と聴きながらグッとこみ上げてくるものがくるものがありました。(目が曇っては勿体ないのでそこまでで止めるけどねー。)なんでこんなに胸に迫ってくるのだろう?後半はそう思いながらこの曲に包まれていました。そして熱い気持ちでサビを一緒に歌いました。文句なく自分に取ってこの日のハイライト。感謝の言葉を述べて去ってゆくローリー・クック。不思議な気分で眺めている自分。ここでこのコンサートが終了しても忘れられないエンディングであったと思う。
しかし、まだまだおさまらない人、多数。激しいアンコールの嵐。身体の芯がじんわり暖かいまま、拍手に加わる。再びステージに現れるワルツ。カッチョイイー。「~腰をクネクネクネ♪~」の。『Jam Angel』が始まった!これまた酔ing時代からのファンは大喜び。バンドからファンへの感謝の気持ちが強く伝わってくる。多くのお客さんが立ち上がり、ゆるーいビートに腰をくねらせる。「Jam Jam Jam えーんじぇー♪」大声で歌う。いかん!気持ちいい。各メンバーの見せ場も満載。そして「勇気ならあるが~ゼニならねえぞ」という熱い?メッセージが投げつけられる。うねって盛り上がる客席に最後のリフレインが放たれると、エンディングにローリー・クックはマイクに向かい「がんばれニューオーリーンズ!負けるなニューオーリーーンズ!!」と叫んだ。大きな拍手。最後に満員のお客さんに感謝を込めるかのように『週末はA&Wで』が奏でられる。本当に嬉しそうな顔が並ぶステージ前。後ろを振り返る余裕はなかったけれど、後ろもきっとそうだったのだろう。最後は「ラララ~」の大合唱。この夜に終わりが来るのを惜しむような気分だ。ローリーさんが挨拶して曲が終る。立ち上がり拍手と歓声を送るお客さん。満足げな笑顔があちらこちらに見える。去ってゆくワルツに手を振る人たち。サァッ、と少しだけ客席が明るくなり、スピーカーからBGMが流れ始める。「ああー終っちゃったねー」「サイコー」ざわざわと喜びと満足を噛み締める客席。
し・か・し、ステージ右前に詰めかけた10名程の「八重山ソウルマン」たちは激しく拍手を続けている。BGMが流れつづけ終わりムードが漂う中、「オジーオバァーちゃーがんじゅ~」と『とーとーめ』を歌い始めた。大きな声で自分たちで手拍子をしながら歌い続ける。マストが『あきれかえる世界』に続き本日2曲目のワルツ熱唱中だ。「おいおいこのまま単に歌いきるのかぁ??」と思うほどのソウル込め度数。拍手でサポートする。周りでも何人かが手を叩く。
と、すぅっとローリーさんが出て来た!!そしてタバちゃんにマットミさん…。おおおー!どよめく場内。慌ててBGMが下げられる。暗くなる客席。再々アンコールだぁ!ファンも慌てて身体のスイッチを入れる。すると自分たちの後ろ隣の席から、今日ずっとお客さんとして観ていた川満しぇんしぇーが立ち上がりステージに向かって行く。ローリーさんに声をかけてステージに上がると少し話しかけている。ローリーさんが「川満が一言あるそうです」と言い、左側マイクを使いしぇんしぇーの「あいさつタイム。」に(笑)みんな大喜び。そして当然、『TOO-TOO-MAY』!やった!
願いが届き喜び踊る「石垣ファンキースタッフ」。自分たちの歌声を歌い直してくれるローリー・クックに大満足のご様子。川満聡入りの正調(こればっかり)『とーとーめ』。贅沢ここに極まれり。もうここぞとばかりに大騒ぎさせていただきました。いやいや、自分だけじゃない。みんな凄い。もう、これで終わりかと思いきや、ローリーさんがコードをかきならし『WOO-TOO-TOO』が始まった。更に「もう我慢できない」という人たちが押しよせ歌い踊る。でっかいコーラス。20年間のファン全てに向けられた贈り物のような『うーとーと』みんなしっかり受け止めている。
時に鋭くもあり、決してみんなで楽しく盛り上がりましょう!的ではないローリー・クックの歌たちも、強く求めるファンの前では本当に暖かい贈り物となってしまっている。サビのコーラスは永遠に続くのではというほど、みんな元気いっぱいだった。終了と同時に感謝の拍手と歓声が押し寄せる。丁寧にファンに応え去って行くThe Waltz。素敵~!
時計を見ると開演から4時間をかなりオーバー。なんというロングコンサート!途中メンバー全員がステージから消えていた時間は全部あわせても10分はないはず。凄い。あとで古くからのファンの方に訊くと酔ing時代に5時間近いライヴという記憶があるが、ノンストップということではそれ以来だ、との事。明るくなった客席では、笑顔と疲労の入り交じった表情が多く見られた。そんな中ステージ前では、一体普段何を食べているのか??疲れ知らズ、石垣青年たちが大きな声で『なまけ者のバラッド』を歌ってる。他のお客さんは、聴きたいのはやまやまだけどみんなもう疲れたーという様子。あのファンの気持ちまで持ち去ったような再々アンコールで燃え尽きたのだ。。。今回はサポートする拍手もまばらでした。残念無念。
半ば呆然とした、祭りの後感の漂う客席には、お店のスタッフにより切り分けられたバースディケーキが振る舞われた。疲れた身体には甘いものが…。と好評でした。ほうけた状態でタラタラ泡盛を口に運ぶ、邪魔であろう我々にもお店の方々は親切。TOP NOTE、いい会場です。なんの不満もありません。
期待の大きかった20周年記念ライヴでしたが、まさかこれほどたっぷり楽しませてくれる、豪華で完璧なショウになるとは思いませんでした。クック船長ありがとう!しかし、満足度120%を継続しての4時間と少し。流石に観ているだけでも少し消耗しました。嬉しい悲鳴です。ひーっ。タフなワルツに感動。
バイユー組は、翌日名護やコザで予定があったので珍しく、そこそこの時間に終了。朝まで遊んだりはしませんでした。長い一日が終ったのでありました。
以上、本当に長くなりましたが2006年2月10日についてご報告いたしました。
うーん、何をしたというわけでもなくコンサートを観ただけなのにこの達成感。なんなんでしょう?冗長な雑文、読んで頂いた方に感謝です。少しでもお楽しみいただけたなら幸いです。