4月8日に行われたボクシング日本ウエルター級タイトルマッチ小原佳太vs坂井祥紀 戦をひと月遅れで観た。
フルラウンドを戦い終え、自分としては挑戦者坂井選手に分があったように感じたけれど
結果はチャンピオン小原選手の判定勝ち。
判定結果には正直疑問が残るが、好ファイトだった。
高校卒業後単身メキシコに渡り10年間彼の地でプロキャリアを積んできた坂井選手。
(WBC世界ユース・スーパーライト級王座を獲得している)
昨年帰国して国内ジム所属3戦目で挑んだ日本タイトルを残念ながら奪うことはできなかった。
しかしコロナ禍により試合数が激減している中、日本のボクシングファンに強い印象を残したのではないかと思う。
顔面の前で高くグローブを合わせた固いガードから繰り出すパンチは強さも軌道も魅力十分。
特に強く打ち切る左ジャブはほとんどストレート!で観ていて新鮮だった。
更にインパクトがあったのがガードを高く上げて自らのボディをあまり守らず相手に打たせるところ。ボディを打ってくる相手の顔面に強烈なパンチを返す姿には驚かされた。
抉るようなフックにも鳩尾へのストレートにもたじろぐことのない、まさに鋼鉄のボディ。
坂井選手はメキシコ、アメリカ、ベネズエラで30数戦を戦い、不当な判定で敗れたことも多いとのことでこれまで11の敗戦を経験している。
しかしKO負けはおろか1度のダウンも喫していないという。
その身体的タフネスぶりにも驚かされるが、打たれているように見えて絶妙な身体の使い方で決定打を許さない実戦的なディフェンステクニック?があるように感じた。
わかりやすくテクニカルには見えるわけじゃないけれど巧い!流石ナチョベリスタイン傘下だっただけはあるな、と唸らされた。
そしてメキシコでは必要とされたであろう勇気あるボクシングスタイル。右ストレートもコンビネーションも迫力十分。
なんとも魅力的な選手だと思いました。
終盤激しく打ち合ってコーナーに戻った後に見せた、インターバル中の笑顔には多くのボクシングファンが引き込まれたことでしょう。
俺はすっかりファンになってしまいました。
最初に書いたように判定結果に疑問は残るものの
小原佳太選手ももう一度世界戦線へ打って出るんだという気迫で立ち向かった見応え十分の日本タイトルマッチでした。
というわけで
坂井祥紀選手、
覚えておいて損はないです!