バイユー ゲイト 不定期日刊『南風』

ブルース、ソウルにニューオーリンズ!ソウルフルな音楽溢れる東京武蔵野の音楽呑み屋バイユーゲイトにまつわる日々のつれづれを

不汁無知ル&愛染恭介&リトルキヨシ

2011-11-30 | ライヴ報告

では昨日の「感動しました」ブログに続き土曜日の詳細を…。

いつもより30分早い午後7時半過ぎ、ほぼ定刻に開演。最初はサックスとチェロによる不条理デュオ『不汁無知ル』。バイユーの常連出演者であり3月11日以降は『震災復興義援金企画』に何度も登場してもらっている二人。サックスと歌の渦ヨーコさんが一貫して「私たちって義援金企画にあまりに相応しくないんじゃないですか?」という程にダークで反社会的な匂いをふりまく芸風なのですが、今回の活動に対する意識は非常に高い。そして自らの「芸」を高めようという気持ちの強さと、「芸」あり方にさえ疑問を投げかけつつ進む試行錯誤感が僕的にはなんとも好ましい。「相応しい、相応しくない」でいえば「被災地に愛を届けよう!みんなで繋がろう~絆!」とかなんとか大きな声で手を振り上げたりできるような人たちこそがバイユーの義援金企画には相応しくないと思われ。「客席を暗くする(渦談)」のも大いに結構?なのであ~る。
そんな不汁、この日は「手話ダンス」の空見ボーさんをゲストに迎えての初LIVE。耳が不自由でほぼ音を聞く事ができないという空見ボーさん。彼女はこれまで何度かバイユーのLIVEを観に来ていたので耳のことは気づいていたものの、まさか聴こえない方だとは思わなかった。それくらいに行動的で積極的な方。しかし積極的も積極的、語り歌い吹く渦ヨーコ本人が「スイマセン」と謝る不汁無知ルの言葉を手話で通訳し、そのうえダンス!?凄い人だ。
で本番。なかなか言葉で説明できなくて申し訳ないのだけれど、音のない世界と音楽の共演はとてもスリリングで興味深いものでした。

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ビートを共有することに気を使い用意された楽曲、和風というかなんというか、その目と身体に感じる振動を元に身体を揺らす空見さんの妖しさはヨーコ嬢の怪しさと相まって(失礼)なかなかの見ものでした。空見さんありがとう。来てくれて、そして出てくれて嬉しかったです。あなたの佇まいは「俺ももっとやらなきゃいかん!」と思わせるに十分でした。そんな刺激は共にステージに立つ不汁の二人は更に強く感じるのか、今回のイベントへの思い入れゆえか、とにかく気持ちの入った演奏で緊張感もビンビン。

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個人的にはこれまでに観た不汁無知ルで一番でした。いろいろ演奏面のトラブルはあったようですがダークで不条理な世界観の中から思いが伝わってくる感動的な演奏でした。終了後客席から「…良かったよね?」という会話が聞かれたくらい。

続いて愛染恭介。以前から社会問題に対する意識は強く、それらを自らのフィルターを通して詩的かつロックンロールに翻訳を試みる彼は、直接的な言葉で説明的に歌う事は少ない。いやそれどころか声高に語る事もあまり好きではないように感じる。正義、というものに対する素朴な疑問や不確かさを敏感に感じるゆえにストレートなロックンロールからははみ出してゆくのか、結果時に「アングラな匂い」さえまとってしまう。でもクールな中に怒りを孕んだ歌声は良く聴けば思いの他優しくて熱い。そして一聴するとポップさやキャッチーが少ないようなその楽曲も実は歌心に溢れている。そんなほんの少しとっつきの悪い「良い音楽」。それが僕にとっての愛染恭介の魅力です。もちろん!僕が日々口ずさめるようなポップな曲も沢山あります。ただ彼の愛想を振りまくようなところのない佇まいにはポップさが足りないないかな?(笑)ゴメン。
そんな彼が二番手に登場。探るように聴き耳を立てるお客さんを前に丁寧に歌ってゆく姿に「ああやはり彼を呼んで良かった」と思ったものです。

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シャープな外見の彼が無骨に歌うメロディと骨太なことばの数々はやはり魅力的。いつも通りなにかを強く押し付けてくることはないけれど、人となりがしっかりと伝わる良いライヴでした。彼にしてはめずらしく直接的な内容の新曲も、心境の振幅が感じられて味わい深いものがありました。そういえばこのころから客席、いや店内の雰囲気が出演者の心意気にあてられてか不思議な熱さに変わって来ていたのだと思います。

そしてバイユー初登場のリトルキヨシ!僕が昔働いていた阿佐ヶ谷の店で、ノーズウォーターズのマストに紹介されて以来の古い友達。何度か自分でライヴを観に行ったこともあるくらいの存在(こういう仕事をしているとなかなか外に観に行く機会は少ないのです)。近年はリトルキヨシミニマム!gnk!としてメジャーでの活動が主だったし、横浜方面で活動していたので時に連絡をとりつつもバイユー出演は実現していなかったのでした。そしてようやくの初ライヴ。会場入りして「有さん、久しぶりの俺のライヴ聴いて気に入ったらまたこれから改めてよろしくお願いします」とキヨシ。?と思っているところに挨拶をすませた及川智明くんが「youtubeで観た北風って曲最高です。何度も観ました。今日やりますか?」と訊いたら、間髪入れず「やらない」と即答。あんまりな言い方に笑いつつもキヨシくんらしくない言い回しだなあと思う。すると及川くんの方に向き直り、僕の方も見ながら続ける「実は俺、あんまりバンバン曲のできるタイプじゃなかったんだけど3月11日以来、何か降りてきたのかどんどん曲が書けるようになってしまい、いい曲もいっぱいできたので。今はその新曲以外は演ってないんです。」「じゃ全部(アルバムに入ってない)新曲?」「はい(自信満々)」居合わせたもの一同驚く。でも及川くん「えー、でも聴きたいです」「すいません」「…遠くからきてるのでそうそうチャンスないのに」「うーん痛いとこ突くなあ」「じゃあアンコールなら?」「今日は3番目だしアンコールはないよ」
「いやわかんないよ」と僕。「アンコールならいいですよね?」と及川くん。「…OK、ではもしあったら考えます」と笑いながら応えるキヨシくん。リハーサルで聴いた曲も良かったし期待して迎えた本番。
エピフォンのセミアコをベースアンプとギターアンプに繋いでガツーンとかき鳴らし始まったロックンロールショウ!凄かった。久しぶりに見た彼は沢山のライヴで入った筋金をこれでもかってくらいに見せつけてくれた。そして新曲の数々。痛快なことこのうえない反原発ソングの数々、抑えようのない怒りがしっかり笑いを携えて届けられる。コミカルな表現ゆえ怒りと魂が伝わってくる。その他のテーマを持った曲もすべて、あの日以来誰もが体験した心の揺れをまっすぐに思いださせてくれる。自分をカッコ良く見せようなんてしない等身大のロックンロール!

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小柄な身体に「BIG」とプリントされたTシャツ姿。初めて彼を観るお客さんの心をしっかりと掴んでいる。店内の温度が上がる、上がる。彼の表現をどう思う人もとりあえず巻き込んで聴かせてしまうであろうパワーは凄い。やはり聴いてもらってナンボなのだ。あっという間に終了。しかし遠慮がちに始まった熱いアンコール。僕も及川くんも様子を見ていたがお客さんのほとんどが熱烈に求めている。応えたキヨシくんは「及川さんに…」と語りこの日唯一の「過去の曲」『北風』を歌った。

もうこの時点で「今日は凄い!」と感激していた僕でしたが
このあと更に…の

大トリ『及川智明』編は時間が尽きたのでまた明日!


11/26の夜、2011年に一矢報いた気分。

2011-11-29 | ライヴ報告

土曜日の『震災復興義援金企画第10弾特別編』無事に終了しております。

無事に、というかすべての出演者が気持ちの入った素晴らしい演奏で、企画した僕の想像、期待を遥かに超えた素晴らしい時間を過ごすことになりました。

あんな夜ってあるんですね。長く音楽関係の現場に立ち会ってきましたが経験したことのない瞬間の連続。
月並みな言葉で恥ずかしいけど感動しました。

自分がどうしてこの仕事をしているかを丁寧に説明されてしまったような気分で終演後も閉店後もほのかな高揚感が収まらないほどでした。
丸2日経っても余韻に浸っていたくらい。この気持ち、どう伝えれば良いのだろうかとブログを書く事さえためらっていました。

時に有名著名ミュージシャンも出演するバイユーですが…ある意味、一般には比較的知名度の低い4組が忘れられない夜を届けてくれました。
本当に凄かった、彼らはホンモノです。

バイユー丸6年の中でも屈指の夜でした。参加してくれたミュージシャン、お客様そして来られなくても声援を送って下さった方々に感謝。

及川智明さん。ハッキリいってヤラれました。

詳しいことは明日また書きます。


いよいよ本日!震災復興義援金企画特別編(第10弾)

2011-11-26 | イヴェント案内

いよいよ本日です!
三鷹バイユーゲイト震災復興義援金企画特別編(第10弾)
今夏、僕が押し掛けで参加した復興支援LIVE(於:大船渡)で出会った『及川智明』さんを遠く岩手から迎えて送るスペシャル版。
起きてみると天気も良く非常~に気持ちが盛り上がっている僕なのですが実は!
この週末はバイユーだけでなく明日日曜日、
夏に及川くんと出会った岩手県大船渡のLIVE会場だったソウルフルなラーメン店『秋刀魚だし黒船』またの名を(別のカオ)『LIVE黒船 a go go!』でも復興目指して NEVER GIVE UP Vol.2 というLIVEが開催されます。なんという偶然!
このブログを覗いて下さっている方で大船渡近辺の(アクセスしやすい)方もいらっしゃらないかと思いますが…以下に詳細を。

気仙の復興を願ったライブイベントシリーズの第2回目。東京から来るプロのミュージシャンと地元気仙でがんばるミュージシャンとの競演。(注:大船渡近辺は気仙地区といいます)
会場『LIVE黒船 a go go!』岩手県大船渡市猪川町字藤沢口39-1
11月27日(日)18:00 開場/18:30 開演。入場無料。
出演:SHY(シャイ)+永原元(ながはらげん)/白石松則(しらいしまつのり)&ライトニンソブクン/やすのり(TILITILI(チリチリ))/斎藤正彦(さいとうまさひこ)

楽しそう!行きたい!
でも大船渡は遠いなあ…の皆様は是非今夜のバイユーへ!大推薦の内容紹介は前回のブログをご参照下さい。
11月26日(土)
三鷹バイユーゲイト震災復興義援金企画特別編(第10弾)
出演:及川智明(東洋線 from岩手)/リトルキヨシ/不汁無知ル+空見ボー(手話ダンス)
/愛染恭介 /増吉俊彦(b)/遠田和範(Dr)
開場18:30 開演19:30 料金 1500円(+1drinkオーダー)


今夜は午後7時半開演です。お間違えなく!


今度の土曜日11/26は震災復興義援金企画という名の音楽宴!

2011-11-23 | イヴェント案内

勝手に気合い入ってます!!!
11月26日(土)
三鷹バイユーゲイト震災復興義援金企画特別編(第10弾)
出演:及川智明(東洋線 from岩手)/リトルキヨシ/不汁無知ル
+空見ボー(手話ダンス)
/愛染恭介 /増吉俊彦(b)/遠田和範(Dr)
開場18:30 開演19:30 料金 1500円(+1drinkオーダー)


とにかく悔しいことだらけ。怒りを感じることいっぱいの震災をきっかけに
何か新しい展開でもないと本当にやってられません。そうなのです。この震災をきっかけに何かが始まらないと。マイナスの思い出だけには本当にしたくない。
そんな気分でいくのです。

まだまだ復興どころか復旧への道さえも険しい東北への思いを込めて、これからも細々と続いて行くシリーズLIVEのスペシャル版!
今夏、僕が押し掛けで参加した復興支援LIVE(於:大船渡)で出会った『及川智明』さんを遠く岩手から迎えて送ります。
東北各地で『東洋線』というバンドを率いて活躍する及川さん、ソロでも素晴らしいです。是非、聴いていただきたい! 加えて中央線ライヴシーンではなかなか著名なリズムセクション 増吉&遠田さんのお二人との共演も予定しています。
そして『リトルキヨシ!ミニマムgnk!』のリトルキヨシが遂にバイユーに初登場。ソウルフルな歌は一聴の価値有りです。
そのうえバイユーお馴染みのチェロとサックスの不条理デュオ『不汁無知ル』、
僕も昔からファン!のクールで実は熱いシンガーソングライター『愛染恭介』も出演という豪華版。
本当にお薦めします!
※収益の一部を震災復興義援金として寄付いたします。

自己満足なのかもしれませんがなにか動いていたいのだ。
やられっぱなしじゃ本当に悔しいし東京に暮らす我々は過酷ではないけどやっぱりなんとなく晴れない。試行錯誤って基本だ。

とりあえず良い音楽、実りある時間をおおくりできればいいなと思っています!
お待ちしております。


いづみや直送宮城の酒到着してます!

2011-11-22 | メニュー

知る人ぞ知る
特にミュージシャンや音楽ファンには非常に有名なウルトラ本気度の仙台の酒屋『いづみや』からまたまた宮城の酒が到着しております!

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今回も『いづみや』のおやぢセレクトの逸品の数々。
特に『夢幻』は3月11日のお昼過ぎにいづみや到着、震災から守ったという特別な思い入れのあるお酒との事。今回も丁寧なお手紙、そして分厚い手書きの日本酒通信?付き。毎回圧倒されます。そのあまりにぶっ飛んだプロフェッショナル具合について興味のある方はこちらを是非!
超絶レコードコレクター、そしてゴスペルライターの日本第一人者としても知られる『いづみやのおやぢ』の選んだお酒で秋の夜長をお過ごし下さい。


Lucinda Williams『Blessed』

2011-11-22 | 音楽

Blessed

これもすっかり紹介が遅れていました!
私的「ケンカの強そうな女性シンガー」ランキング上位常連のルシンダ・ウイリアムスの2011年作『Blessed』。もう十分評判になっている盤ではありますが一応紹介を。

芯が強くてケンカの強そうな女性が魂込めて歌う、の図は相変わらずの説得力。1曲目の力強いミディアムロックチューンで一気に引きずり込まれます。基本的にスロー、ミディアムナンバー中心で、重心低くルシンダが歌いかけてきます。
しかし、真摯に挑戦的にアメリカ社会のダークサイドをこれでもかというほどに覗き込む「強い女」の視線は驚くほど穏やかでもあるのです。
アルバムタイトル曲『Blessed』では現実社会で過酷な状況を生きる、それに立ち向かう人々との共生(連帯)が呟くように歌われるが、もちろん彼女のそれは安易な連帯や共感を押し付けたりはしない。前述したように穏やかな視線ではあるのだけれど強靭な意志が感じられるのです。僕は彼女のそういう強さが眩しいなと思う。

普段から息詰るような手触りの彼女の音楽は今作も健在。ヘヴィな力作です。そして残念ながらBGMには向いていない。勿論、バイユーで日々流れる音楽にBGM的なものなんてないのだけれど、あえてこの表現を使います。

本作はジャケットが数種類有り、個人的にはこのカップルジャケが欲しいなと思いました。タトゥーのコワモテにーちゃんのジャケはちょっとねえ…

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ところがどうやらこのカップルキスジャケは2枚組デラックスエディションのみのようなのです。本編と同じ曲順でアコースティックデモが収録されたボーナスCD『キッチンテープス』は当然ながらあまりに生々しくて、なかなかの聴きもの!ではあったものの個人的(バイユー的)にはいらなかったかなあと思っています。しかしどうやらデラックスといいながらこの2枚組が普及版(本来の姿)のようでもあり、併せて聴いてもらいたいという感じなのかもしれません。

こんなアルバムが世間で話題になり、そこそこ売れるというのは素晴らしい!と思います。オルタナカントリー?というのですか?いやこれはロックアルバムですね。
ルシンダやっぱり怖そうですが…。

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日曜夜のアコースティックナイト。

2011-11-21 | ライヴ報告

昨夜は日曜ながらライヴ営業。バイユーゆかりのミュージシャン3組によるアコースティックナイト。それぞれタイプの違う3組をゆったりと楽しみました。
年齢を感じさせない(失礼しました)キュートな弾き語り『しもーれ』さん。

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清涼感としつこくはない切なさのある歌を聴かせてくれました。長く歌っていて瑞々しさを失わないという事はやはり日常の過ごし方に理由があるのでしょう。そんなことを感じました。

そして『コンタンズ』。

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タクゾーのソロというカタチで童謡や古い流行歌に何曲かオリジナルを交えて聴かせてくれました。長いキャリアに裏付けされた力量は十分に伺い知れるステージでしたが、個人的には(大好きな)彼のポップな昔のソウルミュージックを感じさせるオリジナルの数々をもっと聴きたかったなぁとも思いました。まあでも今、ああいう気分なんでしょう。震災後の心情を感じさせてくれる歌の数々でもありました。日本の美しさを思いだしたりもしたものです。彼がキヨシローを歌うのを聴くのも久しぶり、の『ラヴミーテンダー』もありました。

最後はスタンブルバムやキノコズで活躍中の『井上民雄』さん。

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基本バンドスタイルの人で「弾き語りはこれから」とのことでしたが、緊張感のあるライヴでオリジナルを中心にじっくりと聴かせてくれました。バンドでしか聴いた事のなかった曲も手触りが生々しく良い感じでした。

軽く打ち上げの後は日曜ながら地味に通常営業を再開。いつしか深夜まで。あれ、今日って何曜日やったっけ?な夜でした。秋の夜長、ですね。


古道具とちくわぶでSWING!

2011-11-21 | ライヴ報告

土曜日は『古道具』と『ちくわぶ』。
古道具のメンバーの紹介で今回初めて観た『ちくわぶ』。

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オールドスウィング?お洒落ジャジィ~な歌モノ?と思いきやボーカルのEMMAがSGを抱いてスライドバーをはめるといきなりどブルース!なんとも味わい深い二人でした。下からじゃなく上からバーをあてるの図。野崎くんのギターはオールドエピフォン、音もルックスもかなりカッコイイ。

そして大好きな『古道具』。

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バイユーにとっては大事なバンドです。演奏も曲も良い。ブルーグラスやドーグミュージックという括りがなくても老若男女が楽しめる音楽です。
ビリー岩田くんの高音部のボーカルはなんとも懐かしい切なさで良い感じ。
来年早々のライヴも計画中です。今回はご都合のつかなかった方もお楽しみに♪


本日アコースティックLIVE!

2011-11-20 | イヴェント案内

本日11月20日、日曜日はバイユーゆかりのミュージシャンたちによるアコースティックLIVEです。『震災復興義援金企画第9弾』でもあります。
出演は『コンタンズ』『井上民雄(Stumble Bum)』『しもーれ』の3組。中央線飲み屋ライヴシーンではなかなか高名なコンタンズ久々の登場。キノコズでも活動中の民雄さんはソロではバイユー初登場です。そして南口の老舗喫茶店『しもおれ』のママさんが久しぶりにバイユーで歌います!
7時開場8時開演、料金1500円(+1drinkオーダー)です。
お待ちしています。


STONES『LIVE IN TEXAS'78』

2011-11-18 | 音楽

昨夜はウワサのストーンズ1978年のライヴ映像『LIVE IN TEXAS'78』を仕事しつつ鑑賞、最高でした!Stoneslivetexas78_2
常日頃から「カッコイイということではこの時期のストーンズ」と言い続けてきた私としては持論が認められたようで?なんとも嬉しい。多分みんなカッチョイイ!!と叫んで観ていることでしょう。
『Some Girls』発表後のこのツアーは音源的にはブートレッグ(ラセレイテッド等)で親しんでおりこの時期のスピード感とゴッタ煮感が入り交じった濃厚なロックンロール!にこれこそがストーンズの神髄?と思ってました。何より『サム・ガールズ』というアルバム、そして次作『エモーショナル・レスキュー』で展開される(大きな意味で)似たようなテイストを持つギター2本(キース&ロニー)がそれぞれのスピード感で勝手気ままに(聞こえる)小間切れのフレーズを繰り出し合いビートをバウンドさせ、リズムが痙攣しそれらすべてをミック・ジャガーの歌声が一種暴風的に刈り取りロックンロールに仕上げるというなんともオリジナルなサウンドにとにかくヤラれていたのです(「ヘタウマ」と暴言をはく人さえいます)。そしてこの時期はチャーリーのドラミングが鋭く尖っていて、ロニーの前任ミック・テイラー在籍時後期の、いわゆる絶頂期とされるストーンズサウンドを解体した混沌から生まれた奇跡の様な音様なのです。
ただこの時期の映像はあまり目にする機会がなく、非合法映像でスピード感溢れるステージを眺めつつ、フルではどんなライヴをやってたんだろと想像を巡らせておりました。そこに出て来たこの映像!この年のツアーのイメージにある野外のモノではなく小さいホールでの映像。ステージにはストーンズの5人とイアン・スチュアート&イアン・マクレガンの鍵盤二人がいるのみ。セットだってアンペグのアンプが並んでいるだけというシンプルなもの。とにかく剥き身のストーンズ、60年代のストーンズのワイルドさが78年テイストで再現されているかのようです。30代後半のストーンズ、なんとイキが良いこと!
ミック・テイラー期のストーンズの特徴である~キースのルースなギターカッテングにsus4を多用したオープンG5弦ギターのコードワーク、それにねっとりと絡みつくテイラーのブルースマナーのリードギター、スライド。そしてホーンセクションやパーカッション。今も絶頂期といわれるThe Stones Soundが頂点に達した後のギタリストの交代劇。
新任のロン・ウッド初ツアー時の音源は名盤『Love You Live』に残されているが一気にスピード感を増した演奏に驚く。テンポが早い、といいうわけでなくスピード感。まさにブランニューストーンズ!ではあるのだけれど、アレンジ的にはミックテイラー後期のリズムギターとリードギターという構成の延長線上にあり、次のスタジオアルバム『サムガールズ』で展開される新しい感覚のストーンズサウンドの気配は薄い。
しかし78年のこのツアーは大きく違う!御披露目ツアーをこなし、ライヴアルバムをリリース。そして濃密な時間をかけて新しいストーンズアルバムを制作したことでロニーがミック・テイラーの代役ではない存在感をギンギンに発揮しています。
実際この後のどの時期よりもロニーのプレイはキレている!フェイシズ時代のギターにストーンズマナーを加え、そしてこれまでの彼にはなかった新たなスピード感覚を身につけているようだ。もちろんパンクの時代に対抗したという背景もあるのだろうが、そんなものおかまいなしに新生ストーンズを生み出しているところが何とも凄い。真にイキの良いストーンズはここまでだったことが良くわかる映像です。いや単にこの時期のイキが良すぎるのか?
オープニングの『Let It Rock』から全編観もの聴きものなのですが、あえて挙げると『Respectable』、ダグ・カーショウがフィドルで参加する『Far Away Eyes』。『Houn Dog』収録かと思っていたら『Sweet Little Sixteen』!そして意外かもしれませんが大定番『Happy』『Brown Sugar』に『Jumpin Jack Flash』。そしてそして更に意外かもしれませんがイチオシは『Love In Vain』!!ロニーのねちっこいスライドに(これをヘタウマという人もいるのか!?)凶暴なミックのボーカル、そしてライヴ全編にわたって攻撃的なドラミングなのですが、この曲では更に超攻撃的に荒れ狂うチャーリーのドラムス!ロバート・ジョンソンのブルース、ミック・テイラー期のストーンズライヴを象徴するかのようなこの曲に真っ向勝負を挑んでいるスリリングな瞬間の連続です。歌のすべてのアクセントに呼応するビート、そしてバウンドするスライドリズム。つんのめっても前のめりでもオリジナルなブルースフィーリングをまき散らす凄み、これは堪りません。ブルース解釈が間違っている?俺たちゃ、ソウル解釈もファンク解釈も間違ってるんだそんなもの怖くも何ともねえ~なこのブルース感覚!つまんないブルースカヴァーに足りないモノがここにあります。このバッキングは超攻撃的守備とでもいうのでしょうか?うーん凄い。これを聴いて完成度が…という方とは、もちろん人それぞれですがロックンロール観が違うのかな?としか言いようがありません。
なんというか人間、圧倒的にカッコイイものの前には無力です。

当初、この映像は劇場公開で観るつもりでした。いち早く観たRockin' Shoes、キノコズ、The Voutで活躍するドラマー遠田くんから熱い推薦を受けたのがその理由。ところが都内でやっている劇場は東部練馬と武蔵村山!どこが東京??という感じながら幸い武蔵村山は最近のおクルマ行動範囲なもので「行こう!」と盛り上がったのですが…あいにくレイトショーのみ。残念に思った翌日に!これまたドラマーの(武蔵野ミニーバンド等でご活躍)渡辺さんがリリースされたばかりのDVDを持ってバイユーに現れた、という訳なのでした。
居合わせた方々と盛り上がったのですが、初めてじっくりストーンズを観るという女性が「カッコイイ」「ミックってセクシーかも」そして「これ買ってじっくり観たい」と仰っておりました。素晴らしい!
そう。買い、なのです。

最近のストーンズアーカイブものには手を出してなかった僕も熱烈にお薦めします!


はあ~。踏ん張るしかないのだ。

2011-11-18 | ある日の出来事

政府・東電統合対策室発表。
「現在、格納容器から新たに放出されている放射性セシウムの量は毎時0.6億ベクレルと先月の同約1億ベクレルからさらに減少」ながやと!

8ヶ月も経って、8ヶ月もの間…。
東北をはじめとする被災地の復旧作業も遅々として進まんし。果たして復興はいつになるのか。
ため息しか出んけんど誰もが踏ん張るしかないがやろう。

あれ以来、いろんな人の心や気持ちがわかって貴重な時間でもありました。こんな人たちがいるんだから自分らも踏ん張れると思った夜もあれば、あまりにも想像力(思いやり)のない物言いに出会い絶望的な気分になった真っ昼間もあった。

自らどうあるべきかはなかなか自信が持てんけんど、試行錯誤しながら踏ん張っていくしかないよな~と思った今朝でした。

11月26日土曜日には被災地でのイヴェントで出会った『及川智明』くんを岩手より迎えて『バイユー震災復興祈願企画』のスペシャル版を開催します。
いいことなかなか見つからんけど状況にやられっぱなしじゃなんとも悔しいので、震災をきっかけに出会ったいい音楽を紹介し、そして新しい友達をつくっていろいろと企んでいる次第です。

今現在も極めて過酷な状況下にいる方々も、そうでないのになかなか晴れない各地の方々も
それぞれ踏ん張りましょう。ほんとやられっぱなしは悔しい。


土曜は古道具、日曜は井上民雄、コンタンズ、しもーれ。LIVEな週末。

2011-11-17 | イヴェント案内

今度の土日は連日のライヴ営業。
19日の土曜日は元祖三鷹のローカルスター『古道具』のライヴです。
ブルーグラスからドーグミュージックまで。グレイトフルデッドから高田渡まで、ビートルズからど根性ガエルまで。ゴッタ煮のスイングを聴かせてくれるバンドです。
ゲストとして彼らお薦めの『ちくわぶ』も登場!

そして日曜日はバイユーゆかりのミュージシャンたちによるアコースティックLIVEです。『震災復興義援金企画第9弾』でもあります。出演は『コンタンズ』『井上民雄(Stumble Bum)』『しもーれ』の3組。キノコズでも活動中の民雄さんはソロではバイユー初登場です。

両日共に7時開場8時開演、料金1500円(+1drinkオーダー)です。
どうかよろしくお願いいたします。


今夜12時地味~に解禁

2011-11-16 | メニュー

季節モノに弱いもんで、やっぱり飲みたいけど
毎年「照れくさいので地味にね…」のバイユー。

今年もボジョレー・ヌーヴォーご用意しています。
550円と600円の2種類。 深夜のワイン用にフードメニューも御用意いたします。
お時間のある方は是非。


そらいろ横丁JOINT LIVE終了と義援金報告

2011-11-16 | ライヴ報告

土曜日に行われた濃厚イヴェント『そらいろ横丁JOINT LIVE4』無事に平和に終了しております。主催てんがい氏によると「今回は静を意識した」構成だったようなのですが。静でも動でも濃ゆいことは同じでありました。とにかく盛り沢山、そして出演者の意識も高い楽しめるイヴェントでした!今回逃した方は次回に是非。
良い写真がなくてほんの一部ではありますが当日の風景を。

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俳句朗読の女王ギネマ!

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ベリーダンサーのキカさん。美しい動き、そして音楽が立ち上がってくるかのような表現力。

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カリンバ奏者のHIROYUKIこの夜はノーアンプリファイド、ノーマイクのナマ音でアフリカ起源の親指ピアノを披露。写真は津波の被災地をライヴで訪れたおりに現地の方から託されたという、壊滅した漁港の船で使用していた大漁旗。

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そして大トリ『煉獄サアカス(ミニ)』。楽団面に絞った小編成で最後を締めてくれました。

最後に掲載コード抵触寸前?ギネマ嬢の勇姿です。

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この日の収益から11800円を
主催者・神山てんがいさんが吟味した上で『一般財団法人 連帯東北』に寄付する事となりました。
吟味しただけあってなかなか良い送り先なのではないでしょうか。
当然、まだまだ続きます!