バイユー ゲイト 不定期日刊『南風』

ブルース、ソウルにニューオーリンズ!ソウルフルな音楽溢れる東京武蔵野の音楽呑み屋バイユーゲイトにまつわる日々のつれづれを

『だんごの輪島』の最中

2010-05-18 | ボクシング

先日お客様に「バイユーのブログってお店関連の話題が中心で、個人的日記がちなモノと違って(飲み屋のブログとして)正統派だよね」と言われました。おお!お褒めが!!と思ったのですが「ボクシングの話を除けばね(笑)」と付け加えられてしまいました…。

そんなボクシングの話題に日々の徒然を交えて。。。

100517

自宅のお隣さんで木琴使いと太鼓叩きのご夫婦、Nカザワさんからの頂き物。『だんごの輪島のファイト最中』。
「練習は根性、試合は勇気」のメッセージが泣かせます。似顔絵のリアルさ加減が更に泣かせてくれます。ボクシンググローブの形をしています。美味しく頂きました。感謝。
しかし、最中も作っているんですねー。
元世界Jミドル級チャンピオンの輪島功一さん。彼の現役時代のストーリーは文章を読むだけで血が沸騰するような興奮のスペクタクル一代記なのですが引退後の佇まいも「炎の男」であり続けています。
タンカで運び出されるようなKO負けから何度も立ち上がり世界王座に3度就いた輪島さん。なんというか一貫してカッコイイですね。
雑誌『Number』の取材で、最近の若者が良くないというような話をふられて
「若者が悪いっていう大人は、そんな大人たちだから世の中や若者を悪くしているんだ。若い奴らは大人の背中を見ているんだよ。俺はジムで若い奴らの靴が乱雑に脱がれていたら黙って揃えるよ、若い連中がそれをどういうふうに見てくれるか?じゃないんだよ」。
自分達の背中は見られているという自覚が必要だ、というような意味のことを熱く語っていました。
そんな輪島さんは早朝の井の頭公園のゴミ広いと挨拶が有名だ。どう思われるか、は問題じゃないを実践している。
昔フジテレビのボクシング解説をしていた時のこと、勝利に感激したボクサー(格下と見られていた)が大感動でスタッフと勝利を喜び合い、そのままインタヴュアーの存在に気づかずリングを降りて引き上げてしまったことがあった。花道の奥、応援してくれた人たちに向かっている時にマイクで名前を呼ばれ「インタヴューがあるのでリングにお戻り下さい」と。観客失笑の中再びリングへ昇った彼(小笠原一揆選手)は照れくさかったのか、明らかにわざと一番下のロープに足を引っかけてバッタリとインタヴュアーの前へ倒れ込んでしまった。場内は更に失笑。アナウンサーも解説者も「倒れましたね」と冷たかったのだけれど。輪島さんだけは「か~っこいい~(笑)」と。その口調と笑いがなんとも暖かく「カッコいいのは輪島さんアンタだ!」と思ったものでした。

※余談ですが…その試合をきっかけに、それまでさえない選手と見られていた(デヴュー戦は1RKO負け)小笠原選手は泥臭くも少しづつ勝ち上がり、遂に日本タイトル挑戦までこぎつけたのでした。予想は圧倒的不利。世界を目指すようなボクサーでないことを既に十分に思い知り、「新人王に輝いたことのある選手」に勝っただけで「こんなところまで来られたのはトレーナーさんや会長さんのおかげです」と涙ながらに語っていた彼にとってキャリアの集大成、一世一代の大一番。ようやく手にしたメインイヴェンターの特権、リング登場時の音楽に彼が選んだのは『ブルーハーツ』。後楽園ホールにイントロもなく、いきなり『人にやさしく』が炸裂した時には一気に体温が上がったような気がしたものでした。ゴングとともに魂込めて攻め続けた小笠原選手。
しかしそんな想いが残念ながら通じなかったのも、またボクシングでした。

面白い人だ。本名の「輪島公一」から「輪島功一」リングネームを変更した理由は、本人談によると。ある試合のリング上で「わじま・はむいち」とコールされたためであるとのことだ、本当だろうか?
素敵な人だ。3たびタイトルを奪われ、4度目の王座を目指した試合で激しくKOされて遂に迎えた引退式。引退セレモニーの10カウントの時、引退することの寂しさからかリング上で両耳をふさいでしまったとのこと。

そんな輪島さんが現役中から営んでいるだんご屋さん。今日もも元気に営業中、を知って嬉しく美味しい最中でした。

うーんコレってボクシング話、ですかね。。。