バイユー ゲイト 不定期日刊『南風』

ブルース、ソウルにニューオーリンズ!ソウルフルな音楽溢れる東京武蔵野の音楽呑み屋バイユーゲイトにまつわる日々のつれづれを

ソロモン・バークの新譜は大傑作!!

2010-05-11 | 音楽

Nothinsimpossible アイスランドの火山噴火の余波による航空便の乱れで、遅れに遅れて到着したソロモン・バークの新作『NOTHIN'S IMPOSSIBLE』。大傑作です!本当に聴けば聴くほど素晴らしい。繰り返し聴きたくて堪らなくなる。齢70歳でこれほどの力作。アル・グリーンにも驚いたけれどこんなことってあるんですね。
一見意欲的な音作りだった前作『Like a Fire』と比べてどっしりと地味にすら感じられる手触り、色彩の今作。スティーヴ・ジョーダンプロデュースの前作を「良く出来た秀作」として楽しく聴きながら…時間が経つにつれて少しづつ物足りなくなり、ついには聴かない盤となってしまった理由が今作を聴くほどによくわかる。
なんというか、今作には派手さはなくとも盤全体から滲み出る濃厚なソウルがあるのです。
アル・グリーン2008年の傑作『Lay It Down』に続く「ソウルの重鎮が作り上げた晩年の大傑作」だと思います。プロデュースは先日惜しくも世を去ったウィリー・ミッチェル。これが彼の最後の作品とのこと。ソロモン・バークとの仕事は初めてだったそうで(会ったこともなかった!)最初で最後の1枚がこの強力な盤となりました。ウイリー・ミッチエルは最後までグレイトだったということです!

ソウルシンガーにとって本人の実力と同じくらいにプロデューサーの力、センス(楽曲選びも含む)というのは大きく、前作の1曲目(EクラPトン作)の薄味さとあざとさが作り上げたムードがキング・ソロモンの濃厚な世界を微妙に損なっていたことが今となってはよくわかります。現代的なサウンドと歌解釈で聴かせようと意欲的だったのかもしれませんがほんの少し的ハズレだったのでしょう。アルバムの顔である楽曲を作ったクラPトンさんの失策ですね。

温故知新?な感覚としては驚異的な傑作だったアル・グリーンの『Lay It Down』にウィリー・ミッチエルは感銘を受けたりしたのでしょうか?ついついそんなことを考えてしまうくらいに、今作の、古さに留まらぬ濃厚なソウル度数の高い世界は魅力的です。ご高齢にも拘らず歌もバッチリのソロモン・バーク!いよいよ迫って来た(5月29&30日・日比谷野音)初来日公演が本当に楽しみです。胸が高鳴ります。
これは必見でしょう!!ソロモン・バークがウィリー・ミッチェルが最後に手がけた作品を発表直後に、70歳にして初めて日本を訪れるのです。ストーンズやブルース・ブラザーズを通してしか彼を知らないという方も、ましてやブラックミュージック愛好家を自認する方にとっては絶対に見逃せないショーになることでしょう♪

というわけで、まずはこのアルバムを!!