バイユー ゲイト 不定期日刊『南風』

ブルース、ソウルにニューオーリンズ!ソウルフルな音楽溢れる東京武蔵野の音楽呑み屋バイユーゲイトにまつわる日々のつれづれを

感激!偉大なるソウル / Solomon Burke at 野音

2010-05-31 | 音楽

土曜日の夜、バイユーのお客樣方と一緒に日比谷の野音に『キング・オブ・ロックン・ソウル』、『ソロモン王』ことソロモン・バークを観に行ってきました。

これから名古屋、大阪で観る、という方はこの先を読まずに行った方が良いです。
そう、行ける方は絶対に行くべき!!

Solomonburke_3

…はい、スイマセン。ネット上や口コミで、行った人はみーんな同じ反応でしょうが。。。。。感動しましたよ。
それもかなりの大感動。あまりにもあたりまえの反応でなんとももーしわけない。お恥ずかしい。

ええ、感激しました。特に後半は胸が震えましたよ。なんだソウル・ミュージックってこんなのがあたりまえだったのか!?リアリティってこーゆーことなのか!?いろいろ気づかされた1時間でした。

行きたくてたまらないのにどーしても行けなかった皆さん、「良かった良かった」って騒いでゴメンナサイ。…行けたのになんとなく行かなかった方!これは愚かにも大きなミスを犯しましたね。残念でした!

では以下に…

三鷹を出た時は降っていた雨も日比谷では感じられす曇り空の下、ビール飲みつつ開演。

まずは豊かなキャリアが醸し出す素晴しい演奏!で楽しませてくれたローラーコースター。そこに石川二三夫さんと吾妻さんが加わるのだから言うことなし。
この夜は、上に乗っかる客演という形の吾妻さんのギターの自由度は強力。トリッキーなプレイとトンチの効いたエグイギター&アクションで大~いに沸かしてくれました。
その後は急病のバーナード・アリスンの代わりのジョー・ルイス・ウォーカー。観るのは10数年ぶり。以前観た時は正直、最悪のショーでこの人に対する評価は地に落ちてしまっていました。で、今回は。
まぁ前よりはマシかな?という感じ。でもコレは個人的音の好みなので申し訳ない。

そしてお待ちかねのソロモン・バーク!
デッカイ椅子がステージ中央に置かれ、袖から敷かれるレッドカーペット。そして大人数のバンドセッティング。それだけでもう興奮していました。なんと14人編成!のバンドが登場しイントロがスタート。最新作(大傑作!)のタイトルナンバーのイントロが流れ一気に熱くなる私。曲が進むにつれフィドルの女性達が前に出て来てキングの王座(椅子)の前に立ち、踊る(身をくねらす)、フッと照明が消えて暗闇に。そこに左側の袖から車椅子を押されてキングソロモンが登場。歓声が上がるがなにせ暗くて微かにしか見えない。女性陣の身体で隠された巨大椅子に慎重に移ると、女性達が右サイドにハケる。ライトが一気につきソロモン・バークがスポットに照らされ歌い出した。大歓声!!ロックンソウルショーが始まった。

とにかく素晴しいソウルシンギング。椅子に座ってあんな声、表現が可能なのかと驚くしかない。そしてその説得力。3曲目くらいうにはもう全開。ドスが効いてたり甘~い歌声だったりまさに自由自在。でも歌をこねくりまわしているようなところがない。グイグイと胸に迫ってくる。そして流石元説教師、のMCもどうだ!の引きつけ方。一瞬教会マナーが垣間見えたような…。子どもが20人、孫が90人とか何とか言って娘と息子に歌わせるのも微笑ましく、あっという間のソウルショーでした。バンドの的確なサポートも素晴しい。オーティスナンバーをメドレーで歌うところなんて彼のショーではお決まりのある種ベタな流れなのですが…素直に、いや実はそれ以上に感激しました。「FaーFaFaFaFa♪FaFaFaーFa」一緒に歌ってしまいましたよ。個人的には『What a Wonderful World』の説得力溢れる歌唱にグッときました。そして最後は『Everybody Needs Somebody to Love 』!!そしてメドレーで『When the Saints Go Marchin' In』。登場時と同じように椅子を目隠しして照明が消され暗闇の中車椅子に乗り換えさせてもらい去ってゆくソロモン・バーク。「これでショーは終わり」を察知した総立ちのお客さんが手を挙げ、手を振り大歓声で別れを惜しむ。
身体の不自由さを人目に触れさせない演出だと思われるが…演奏が続く真っ暗なステージに向かい総立ちのお客さんが歓声を上げ手を降るという絵はこれまで目にしたことがないもので(あたりまえか)なんだか夢の中の光景というか夢に出て来そうというかとにかく忘れられない体験となりました。照明がつくとそこには主の去った大きな赤い椅子があるだけでした。ほどなくして演奏は終了。アンコールがないであろうことはみんなわかっている。大きな大きな拍手だけが残った。
隣で観ていた大先輩Aヤマさんが「…本物のニオイがプンプンしていたな」と仰られたのが印象に残りました。そう、なにがニセモノって言うつもりもないけど、まさにホンモノしか醸し出せないニオイ、空気でした。
まだまだ歌えるソロモン・バーク。「また来たい」というようなことを言っていたけれど自分で立つこともできない身体のほうがなんとも心配です。これが最初で最後か…と思って観ていたけれどこうやって歌声を思いかえしているとまた、という期待もしてしまう。でも飛行機はキツそうだよなぁ。。。

この日の野音の記憶に残った諸々…。

Bブロックの一番前にソロモン・バークの大きなポートレートを掲げた年配の(かなり)和服の女性のがいらっしゃいました。杖をついているのにずっと立って写真を掲げていましたが、前に出て来ることもできないバークには気づいてもらえませんでした。後半、ステージに飾られていた赤い花をメンバーが前方のお客さんに一輪ずつ配りはじめ、多くのお客さんが受取りに近づいていたのですが~そのおばーさんはそのまま杖をついて写真を掲げていました。すると後ろから別の女性のお客さんがすーっとおばーさんに近づき、自分が貰ってきた赤い花を差し上げたのでした。恐縮して辞退するおばーさん、しかし女性は半ば無理矢理に手渡し自分の席に戻っていきました。その後おばーさんは写真とお花を持って立っていました。おねーさんナイス!でしたね。しかし近くにいた関係者さんたちがなんとかできなかったものですかね(まぁ現場では難しいか)着物姿の高齢の女性がステージにあがってハグでもしてもらうとなかなか素敵な演出にもなったのに。。。おばーさんは隣のおじーさんと一緒に終演後もしばらく席に残っていました。サイン貰えたならいいんだけど…。でもソロモン王からの御花を貰えて良かった。気だての良い人もいるものです♪素晴しい。
そして、ブルースカーニバル恒例の泥酔者。メインアクトが始まったときにはすっかり酔いつぶれてしまい、総立ちの中転がって熟睡していたアナタ!この島国にも豪気なヒトはいるもんです♪素晴しい。

そんな素敵な人たちが集まっていたカーニバルですが残念ながら今ひとつの入りでした。由々しきことです。素晴しい宴をセッティングしてくれた方々に報いる為にも皆さん、カーニバルには足を運びましょう!私もメンツに拘らずこれからはなるべく参加するようにいたします。なのでさらなる発展を期待いたします。


 

※終演後、もうすっかり満足し会場で会った知人友人と興奮して感激を分かち合っていると…Sモリが「Got Get You Off My Mind 演らなかったよねー」とひと言。
えええ本当だ演ってない!!来日の第一報を聞いた時のブログにも聴きたい曲としてあげたあのキラーチューンが。。。明日(日曜日)は演るがやろうなぁー。。。と急に悔しい気持ちになったものでした。
で、実際演ったらしいです。。。

近田ァ~聴いたかぁ!?羨ましいぞー