大好きなイギリスの歌手、グラハム・パーカーの新作『Imaginary Television』をよく聴いています。とにかく真摯なロッカー!という佇まいのパーカー。パブロック繋がりでコステロやニック・ロウと比較されることも多い彼ですが、聴いているうちにこちらがジワジワと熱くなってくるような歌声の説得力は強力で、僕にとっては前述の二人よりも大切な存在です。
そんな3年振りの新作。前作が思わず唸ってしまうほどの傑作盤だった為、一聴すると少し地味かなぁと思ったのですが…良い曲を丁寧に歌い上げるいつものパーカー節に次第に引き込まれ、すっかり気に入っています。
テレビ番組(架空の?)にインスパイアされたコンセプトアルバムということで歌詞的にとっつきの良い作品ではなさそうなのですが、ところどころに印象的なフレーズが浮かび上がっては飛び込んでくる(似ているわけじゃないけれど)ディラン直系のロックンロール・ソングライティングはいつもながら素晴しく、ファンとしては大いに満足できる出来です。そう、派手さはないけれど噛めば噛む程に良いです。
10数年前に一度だけ観たライヴは本当に素晴しかった…是非もう一度観たいものです。