誰でも恐怖を感じたり、不安にさいなまされたりした経験があるものです。
恐怖は、明確な対象に-つまり「なにものか」に-向けられた情緒であるとされています。
それに対して、不安は対象をもたない情緒であるといわれます。
だから、幼児なんかは、経験智としての対象がないので、恐怖は感じていないとも言われます。
つまり泣く子はオムツの不快や空腹でなければ、
あたたかく抱きしめてやれば、泣くのはオシメぇになるわけですね。
おのずと、自分のこれは恐怖なのか不安なのかということがわかれば、対処方法や意識の持ちようが改善されるわけです。
その昔、口裂け女、というものが流行りました。
こういうのは、恐怖と不安の入り混じったものといえるのでしょうかね。
こんな話があります。
口裂け女が警察につかまって尋問を受けたそうです。
「なぜなんだ。なぜそんなことをしたんだ、どういうつもりなんだ、理由は何だ」
すると口裂け女はこう答えたそうです。
「そのことは、口が裂けてもいえません」
恐怖も不安もどこかへいってしまいますよね。