まわりで起こっていること

since2004.12「糠漬け初心者」

くしゃみ

2008年07月24日 | Weblog
三遊亭金馬の落語に、くしゃみ指南、というのがある。

生意気な講釈師めがけて、話の最中に、最前部で、七輪で火をおこし、胡椒でくしゃみがとまらないようにしてやろう、というお話なんだけどね。

このくしゃみ。

はっくしょん、とした後、だれか、うわさしてるな、と言うよね。

これ、あったてる節もあるらしい。

うわさをしている場所に、生霊(いきりょう)がでかけていくんだってね。

出かける、というのか、呼び出されるというのか。

本人の霊体、とでもいおうか。

すると、当の本人、肉体と霊体が一瞬、分離して、冷気を感じるんだって。

で、くしゃみをすることになる、と。

なるほど。

この解釈も、ありかもしれないな。

もっとも、有名人なんかになると、始末がわるいよね。

キムタクがさぁ、なんて、若い女の子に、年がら年中、うわさされていたら、重篤な風邪になっちゃうかもしれないしね。

会社の社長が、居酒屋での、部下の愚痴につきあってたら、からだ、こわしちゃうだろうしね。

うわさをすればかげ、なんていうことわざもあるけど、けっこう、あたってる。

待ち合わせなんかしていて、あいつ、遅いな、なんていうと、すぐそこに来てたりね。

人間って、肉体だけじゃなくて、みえないかたちで、そこかしこに出現しているのかもしれない。

弔辞なんかで、君は僕らの心の中に、いつまでも生きてます、なんて、いうけど、実際、思い出すたびに、その方は、そこにいるんだからね。

だから、生死にかかわらず、陰口なんてのは、かなり、重大な傷を、人間関係へつけてしまってるのかもしれない、気づかないうちに。

陰口には、人へのやっかみ、さげすみ、社会への呪詛なんかもはいるんだろうね。

気づかないから、また、やっかいで。

なんで、おれは、運が悪いんだろう、なんてなげいたりしてさ。

実際は、自分で、傷口をひろげてる、なんていう構図だよね。

くしゃみ、ひとつとっても、なかなか、人生の重大事です。
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