アントンKが鉄チャンとして産声を上げたのが、1975年の昭和50年。この年は北海道で蒸気機関車けん引の客車列車が引退した年にあたる。鉄の学友が渡道する中、アントンKはまだ見たこともない蒸機というものに馴染めず食指が動かなかった。もしあの時渡道し、蒸機の撮影を経験してしまったら、その後の鉄人生は今とは違っていたかもしれない。何か尊敬する先輩たちを見ていると、そう思えてならないのだ。
ちょうどこの頃、当時の旧型電気機関車は、まだ蒸機とは逆に現役最前線だった。その中から今回はEF10を掲載してみる。この機関車は、東京区をはじめ、甲府や豊橋の地方にも配置されていたが、ED16の砦であった立川区にも2~3台の配置があった。全41両製造されたEF10は、製造年代により大きく外観が異なり、写欲がそそられた機関車だった。立川区に配置されたEF10は、後期グループだったと記憶しているが、ここのEF10は、ED16の影に隠れてお目にかかれる機会が極端に少なかった。当時運用もよくわからずに、ED16の撮影の合間に偶然出会ったEF10が今回の写真。拝島駅の構内で発車待ちの姿のようだ。石灰石満載のホキで待機中のEF1038。特に何の変哲もない詰まらぬ画像だが、色味確認のために載せておく。
1976-09-26 5164ㇾ EF1038 青梅線:拝島駅にて