アントンK「趣味の履歴簿」

趣味としている音楽・鉄道を中心に気ままに綴る独断と偏見のブログです。

魅力的なD型電機~ED62

2018-06-21 19:00:00 | 鉄道写真(EL)

飯田線で最後の活躍をしていたED18・ED19の置き換えのために、ED61を改造して生まれたED62型電気機関車。D型電機の中で唯一御召列車の撮影ができたのがこのED62だった。かといって、アントンKにはそれほど思い入れはなく、ED18やED19を追い出した機関車としてのイメージが強かった。

晩年、飯田線の貨物列車に細々と活躍していたED62に会いに行ったことが数回あった。何しろ飯田線、それも北部は、風光明媚という言葉が相応しく、アルプス連峰に囲まれていて写欲をそそられたものだ。掲載写真は、有名な七久保のカーブを行くED62重連のローカル貨物列車。運用の都合で重連になるだけであり、総括運転でもないから、今一つ迫力はないものの、大きな檜舞台に躍り出たED62は美しくたくましく見えた。清々しい空気の中、のんびりとした時間を過ごし、やがて現れる貨物列車を待つことの贅沢。撮影後、安堵して帰路に就く時に浮かぶお気に入りのメロディ。こんな想いはとんとご無沙汰。少し旅してこようかな・・

1992-02-28   5273ㇾ ED625+6       JR東海:七久保-伊那本郷


ロジェストヴェンスキーの訃報

2018-06-21 10:00:00 | 音楽/芸術

ロシアの代表的な指揮者であるゲンナジー・ロジェストヴェンスキーが今月亡くなった。(87歳)

チェリストの巨匠ロストロポーヴィチ、巨漢エフゲニ・スヴェトラーノフ、そしてゲンナジー・ロジェストヴェンスキーと、アントンKの中でのロシアの指揮者界の三大巨匠が次々と逝ってしまい寂しくなったものだ。この3人、実演ではほんの数回の限られた体験のみであり、そのほとんどが録音での印象となってしまったが、その演奏にはそれぞれに固有の切り立った個性があり、3人とも大好きが指揮者だった。

ロジェストヴェンスキーは、「オーケストラの魔術師」と言われていたが、確かに自国の作品を振った時の、誰も寄せ付けない煌びやかな色彩感は、今思い出しても固有のもので、ファンに魔術師と言わしめた由縁なのだろう。録音では、チャイコフスキーの3つのバレエ音楽がどれも素晴らしいが、やはり「白鳥の湖」が群を抜いている。第三幕の悦に入った解釈はどうだろう。そして第四幕での終曲へと上り詰める感情移入は、この指揮者の真骨頂だ。

読響を振ったブルックナーの第5番も、今となっては良い思い出となった。ちょうど1年前の演奏会。(2017年5月、芸劇)スクロヴァチャフスキの代役で来日し、このブルックナーをシャルク改訂版で演奏したのだ。実演は、この日が最後となってしまったが、終演後の鳴りやまない拍手に、総譜を示して我々におどけて見せたあの表情は、このブル5とともに一生の宝物となった。