奄美の農と暮らし

ようこそ、ファーム・しきへ!
ここでは熟年Uターン者の島での奮闘の日々を綴ります。

奄美の森

2012年12月31日 | 奄美の景色・自然

 今年最後の日は小雨混じりの寒い一日でした。

 小雨の中ハウスに向かい、カボチャの受粉や子葉が展開し始めたカボチャの苗に散水を行いました。2回目の苗作りで、発芽は遅れたもののほぼ出そろい、催芽処理が思いのほか成功したのではと思っています。003

 その後は、鏡餅に敷くウラジロを取りに、旧国道を通って峠に向かいました。ここ1、2年の風水災害で、国道沿いは土石流や落石、地盤沈下、そして至る所で樹木が折れ、災害の凄さを改めて感じました。奄美に来た直後の風景から一変していました。

 当然ながら、目的のウラジロも中々なくて、有名な世界一大きな豆「モダマ」もまったくありませんでした。モダマは開花期に台風が来たために実をつけるチャンスがなかったのかも知れません。004

 峠近くでやっとウラジロを見つけ、持参した高所用せん定バサミで切取り持ち帰りました。一年に一度ぐらいしか訪ねることはありませんが、このような奄美の森の風景が来年は世界自然遺産の暫定リストとして申請されるのでしょう。

 紅葉とヒカゲヘゴの奇妙なコントラスト、国道直下に観る奄美の森は、映画のジュラシック・パークのような世界でした。


世界自然遺産の講演会

2012年10月28日 | 奄美の景色・自然

 前線の影響で終日不安定な一日でした。

 昨夜、水に浸した試作栽培用の種を持参して育苗ハウスに向かい、昨日準備したポットに播種しました。2週間後には定植になると思います。

 本日は、午前に世界自然遺産の講演会が開催されるので、農繁期の休息を兼ねてマングローブパークに出掛けました。

 講演の内容は、期待どおりの満足するものでした。膨大な資料を駆使し、世界、日本国内、地域の世界遺産の事情、また、その地域の人口や産業の形態などマクロ的かつミクロ的なプレゼンで、久しぶりにいい講演を聴くことができました。

 よく島の自立的発展と言う言葉を耳にしますが、奄美諸島で大島本島が一番危ういなと思いました。ただ、大島本島と徳之島が自然遺産の候補地と言うことで、若干の期待感を持ちました。

 残念ながら、世界遺産関連を地方行政に託すには荷が重く、県にプロジェクトチームを作り、その中に地方行政のメンバーを取り込むような形が望ましいのではと、素人なりに思うところです。

 自立的発展とは程遠くなりますが、プロジェクトチームの中で、島の若い行政マンを鍛え育成して、次代を担う人材にして欲しいなと思います。

 午後は、霧雨の中、台風対策で作った土のうを片付け、一部はビニールハウスの裾の押さえに活用しました。今週はパッションの定植を1週間前倒しで行い、免税軽油の継続申請や自家用栽培のほ場の準備を計画しています。


秋の気配とハウスの再生

2012年09月18日 | 奄美の景色・自然

 夜半に寒さで目覚め、全開していた戸を閉め、しばらくぶりにタオルケットをぐるぐる巻きで寝ました。予報によれば十月下旬の気温とか、老体には急激な気候の変化が堪えます。

 カラッとした久々の爽快感で目覚め、早朝の海辺が見たくて浜に降りました。台風で浜の様子は一変したものの、秋の気配が漂っていました。001

 さて、本日から倒壊したハウスの再生、秋カボチャの準備との優先順位を思案しながら、チェンソーとハウスの部材や工具を積込んで畑に向かいました。

 先ずは、秋カボチャの畑でチェンソーによる倒木の伐採と処理を行い、その後は、本格的なハウスの再生作業に取掛りました。

 再生作業は、倒壊の際に変形したアーチ支柱の切断を行い、原型をとどめているアーチ支柱同士を天井ジョイントパイプで接続するものでした。007 倒壊した2棟のハウスのアーチ支柱(82本)は、片方が完全に変形して再生はできず、1棟分(41本)の支柱にするのがやっとのことでした。切断機による82本の支柱の切断、天井ジョイントパイプによる接合とかしめ・・・単純作業と筋肉労働、器具を使う集中力など1棟分を仕上げた時には、疲れがどっと出ました。

 アーチ支柱の再生ができれば、後は淡々と組上げてゆくだけの作業、秋カボチャの作業と並行しながら、パッションの定植までには完成させたいと思っています。009

 画像は切断した片方のアーチ支柱、そして接続前の天井ジョイント、さらには、接続してかしめ機でかしめた完成品です。

 部材の購入だけで、パイプ倉庫やビニールハウスが自作できる感触を得ました。パイプベンダーにしてもかしめ機にしてもマッスル用のプチマシンのような気がして普段使わない筋肉をバリバリ使います。今宵は、美味しい黒糖酒に酔いそうです。


台風16号の通過の中で

2012年09月16日 | 奄美の景色・自然

 昨夜からネットは不通になり、停電もなくテレビで映画を観ながら深夜まで過ごし、前回の台風15号に比べてさほどの猛威はなく浅い眠りにつきました。

 暴風は明け方から本格的に始まり、昼頃には最接近となり、終日一歩も家から出ることはできませんでした。勢力は台風15号以上と言われながら、さほどの猛威もなく、自然と言うものが科学の英知を結集してもまだ未知であることを感じました。

 いずれにしても「災難は忘れた頃にやってくる。」、何といっても人間のおごりが、危機感や自然への畏敬の念を希薄にするのでしょう。40年ぶりに故郷の奄美で生活をして、中高年の自然災害に対する危機感の低さには正直驚いています。

 日本列島は地震、火山、台風、水害の常襲地帯、おそらく、諸行無常と言う日本人の死生観も自然との密接な関係の中で構築されてきたものと思います。

 あの東北震災の中から、今一度自然への畏敬の念を見直すのも一考かなと思うこの頃です。


台風対策に奔走

2012年09月14日 | 奄美の景色・自然

 台風16号の接近で暑さは一段と厳しく、今持てる資機材と知見で終日台風対策に取組みました。倉庫に立寄り軽トラにハンマーとハウスバンドを積込み、昨日のイメージどおりの行動でした。

 作業は、前回横倒しとなったハウスを想定して、ハウスの両側に木柱の杭を打込み、ハウスバンドで固定するものでした。ハンマーによる杭の打込みは全身の筋肉運動で、一気に心拍数と息が上がり、老体の限界をしばし感じながら何とか終わらせました。

 ハウスや資材棚の固定は意外と手間取り、予定していた土嚢作りは明日にすることにしました。夕方にはホームセンターで土嚢袋を購入し、ついでに食料品店に立寄り、台風に備えて買出しを行いました。買出しは停電を想定してレトルト品にしました。003

 帰宅すると夕暮れにはまだ時間があったので、実家の屋根に上り、前回の台風で飛散した浜砂を取除きました。浜砂は雨樋や屋根と屋根の隙間にバケツの2杯分ほどあり、日曜に最接近する台風16号の影響が空恐ろしくなりました。屋根から観る防砂林は、前回の台風で痛めつけられ、至る所に穴が空いている状態・・・考えたくない心境になりました。

 画像は、ハウスバンドでハウス支柱を木柱やアンカーに縛り付けた様子・・・瞬間風速70mなんて言う数字に人智を及ばず、ひたすら神の領域にすがるばかりです。明日は、実家の高潮対策で土嚢積みです。大潮と重なったので波が防波堤を乗り越えてくるかも知れませんね。これもまた、神の領域にすがるばかりです。