アジアと小松

アジアの人々との友好関係を築くために、日本の戦争責任と小松基地の問題について発信します。
小松基地問題研究会

共産党も排外主義の戦列へ

2017年08月12日 | 雑感
共産党も排外主義の戦列へ

 2017年8月9日付「北陸中日新聞」は「共産党の佐藤正幸(石川)県議…が水産庁と海上保安庁を訪れ、(北朝鮮漁船の違法操業の)取り締まりの強化などを求めた」と報道した。
 先日、谷本石川県知事が「兵糧攻めで、北朝鮮人民を餓死させよ」と発言し、各方面から批判を浴びたにも拘わらず、今度は共産党が日本漁民の生活を守るために、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)漁民を漁場から排除せよという排外主義キャンペーンの片棒を担ぎ始めた。

 大和堆(やまとたい)は日本海(東海)の真ん中にある海底山脈で、最も浅い部分で水深236mであり好漁場である。朝鮮半島と日本の中央線に位置していて、日本は大和堆の南部分を「排他的経済水域(200カイリ)」と決めて、他国漁船を排除してきた。



 現在、北朝鮮はアメリカや日本の経済制裁下にあり、北朝鮮人民は経済的困苦を強制されている。古くて、小さくて、装備も不十分な漁船を操って、日本海(東海)中央部の大和堆で操業しているが、共産党は北朝鮮人民の死活のかかった操業に、海上保安庁(海上警察)や水産庁の取締船を差し向けよと主張している。

 「200カイリの経済水域」などという領土概念を振り回して、帝国主義者と一緒になって、苦境に陥っている北朝鮮人民の糧道を断とうとすることが「共産主義者」のなすべきことだろうか。大和堆から北朝鮮漁船を強制排除し、北朝鮮人民の糧道を断つことは、谷本が言う「(経済封鎖で)餓死させよ」と同質であり、北朝鮮人民を死地に追いつめる行動である。北朝鮮人民の「餓死」を望んでまで、日本人(漁民)の生存を求めるという共産党の思考は、民族排外主義であり、戦争への道筋である。極右と何ら変わらない危険な思想である。
 私たちの視線は、安倍政権下で日本や世界の人民から収奪した富を懐に収めている日本資本(富裕層)から奪い返すために何をすべきなのかに向けられるべきではないのか。

 ところで、かつてアジアへの侵略戦争のために、日本の青年を次々と戦場に送り、その穴埋めとして朝鮮人や中国人を強制(欺罔)連行して働かせた(軍にも動員)。余りの不当な扱いや労働苦で逃亡が相次ぎ、日本の敗戦(朝鮮の解放)によって命からがら帰国することが出来た。
 だが、この時、日本企業の多くは朝鮮人に賃金(貯金など)を払わなかった。最近強制動員真相究明ネットが情報開示請求をして、「経済協力・韓国108(帰還朝鮮人に対する未払債務等に関する調査集計)」という文書が開示された。朝鮮人債権者数は約15万人で、債権額は1700万円を超えている。現在の金額にすれば、2000倍として340億円の債権を国庫に入れたり、会社で保管したまま朝鮮人には返していないのである。
 こんな無体なことをやっておきながら、北朝鮮漁船を大和堆から追い出せという。何をかいわんやである。(この件については後日投稿)
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『溶鉱炉の火は消えたり』(浅... | トップ | 処刑後の尹奉吉義士は違法に... »
最新の画像もっと見る

雑感」カテゴリの最新記事