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アジアと小松

アジアの人々との友好関係を築くために、日本の戦争責任と小松基地の問題について発信します。
小松基地問題研究会

20250724小松基地爆音訴訟傍聴報告

2025年07月26日 | 小松基地爆音訴訟傍聴記
20250724小松基地爆音訴訟傍聴報告

 7月24日、金沢地裁で小松基地爆音訴訟第5回口頭弁論が開かれた。傍聴席がほぼ埋まり、記者席には8人、原告弁護団席には21人、被告国側には11人が着席した。
 書証の確認の後、原告側弁護人から第5準備書面の要約陳述がおこなわれた。最大の争点である騒音問題で、国側が「間欠的」「一過性」といって騒音被害を軽視し、国・自衛隊が環境基準を遵守していない。これにたいして、弁護人は軍用機と民間機との騒音被害の違いについて、「アノイアンス(annoyance)」という用語を使って、反論している。
 「アノイアンス」とは、騒音やその他の要因によって引き起こされる不快感を指すという。騒音にたいする「アノイアンス」が高まると、対処行動(窓閉め、使用している部屋の変更、住宅防音、引っ越しなど)をとり、更に昂じると、住民運動(苦情、反対運動、訴訟など)へと繋がる。

 第五次厚木基地爆音訴訟の第17回口頭弁論(2022/4/27)で、横浜国大名誉教授の田村明弘さんは、下図「アノイアンス尺度」を示して、同じ音量(㏈)でも軍用機は他の発生源と比べて、「うるさい」と感じる人が特別多いことを明らかにした。



ハイリー・アノイアンス
 横軸は<Lden=dB」=騒音の大きさ>で、縦軸は<%HA(Highly Annoyed)」=騒音に非常に悩まされていると回答した人の割合>である。このグラフは、軍用機の場合は急角度でうるさいと感じる人が増え(60デシベル=60%)、民間機の場合は60デシベルでも35%に過ぎないという「差」を示している。
 アノイアンス(annoyance)が昂じると、対処行動(窓閉め、使用している部屋の変更、住宅防音、引っ越しなど)がおこなわれ、それでも解決されないときは住民運動(苦情、反対運動、訴訟など)へと繋がる。
 このグラフでは80デシベルまでしか設定されていないが、7/23の小松基地周辺での騒音調査では、F16戦闘機(米軍)が103デシベル、F15戦闘機(自衛隊)が105デシベルもの騒音をまき散らしており、50年間にわたって騒音訴訟をたたかい続けても解決されないのだ。
 さらに、弁護人は50年前に住民(小松市など)と国・自衛隊のあいだで交わされた「10・4協定」(1975年)の不遵守を厳しく指摘した。(詳細は第5準備書面を閲覧後に)

最近の軍事情勢
レゾリュート・フォース・パシフィック
 7月21日から(30日まで)、小松基地で米軍主催の軍事演習(「レゾリュート・フォース・パシフィック」)が始まった。米軍のF16戦闘機8機と米兵員270人が参加している。演習目的は日米両軍の戦闘機が小松基地から発進して、近隣諸国を攻撃し、その反撃として小松基地が攻撃に晒されたときの対処行動である。
 7/23の騒音調査では、F16戦闘機(米軍)が103デシベル、F15戦闘機(自衛隊)が105デシベルもの騒音をまき散らしている。

日米関税交渉の合意
 7月25日の朝刊では、日米関税交渉の合意内容が大きく報道されている。15%の相互関税(8/1~)が合意され、日本の自動車産業(対米輸出)を「守った」ようだが、その見返りとして、「防衛装備品を年間数十億ドル(数千億円)追加購入」「ボーイング社の航空機100機の購入」を約束した。その中身はF35A(ステルス戦闘機)やトマホーク(巡航ミサイル)などだという。
 政府は民衆のためではなく、自動車産業(資本)を守るために、税金を湯水のように使って、戦闘機やミサイルを買うのである。

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