いや、上の写真だけでは何やらさっぱり分かんないと思いますが、劇場版銀魂見に行ったらお姉さんの口車に乗って映画館のポイント会員になっちゃったもんだから、月曜日のメンズディに合せて映画でも見とくべ、とばかりに代休もらえた月曜日に見に行ってきました(説明が長いわ)「終戦のエンペラー」(←リンク先音出ます)。写真は映画のパンフね。
ええ、火野正平に釣られていきましたけど、何か?
ストーリーは上記リンク先とか予告編を見ればわかるが、リンク先たどるのがめんどくさい出来ることなら呼吸するのも誰かかわりにやってほしいという怠惰な方の為にネタバレのない範囲で述べれば、太平洋戦争終結後、日本にやってきたマッカーサーは部下で日本通のフェラーズに「真の戦争責任者は誰か。天皇に戦争責任はあるのか」の調査を命ずる。期限は10日間。そしてフェラーズの調査が始まるが、彼は通訳に私的な調査を依頼していた。その調査とは…、って感じ。
天皇の戦争責任、なんてネタはちょっとでも口にすれば極端に右な人か左の人に命を狙われかねない、という微妙な話題ではあるんだがね。どういう結論になっているかはネタバレになるのでここには書かないが、まああまり偏った思想的なもんに関してはないから多くの人は安心して見に行ってほしい。そういう偏った思想をもった方も、盛大にがっかりして欲しいのでぜひ見に行ってみたら?(おい)
にしてもまあ、日本においてもそれなりに渋く重い話になるせいか、とにかくまあ観客の平均年齢が高い高い。アラフォーぬたりが年齢とすれば最底辺ではあるまいか、という状況。それに応えるわけでもないけども、出演陣もトミー・リー・ジョーンズを筆頭に、西田敏行だの夏八木勲だの伊武雅刀だの片岡孝太郎だのと(もちろんぬたりお目当ての火野さんも)、まー渋いオヤジが並ぶ。主役のマシュー・フォックスにしても役的にはそれなりに若く作ってるけども、実年齢は40過ぎだし。
ジャンル的には歴史サスペンスらしいけども、なんつーかそんなに爽快感のある謎解きとか劇的な展開とかはなく、展開は結構地味。日本人ならこういうの受け入れられると思うけども、アメリカ人はどうなんだろうね。「ラストサムライ」みたく、割と日本を気高く撮ってくれてる映画ではあるんだけれども、あの映画とは方向性はまるで違う。かなり日本人向きの作品なんじゃないかな。
そう言う意味で見ると、キャスティングは素晴らしいの一言。東條英機(火野正平)、近衛文麿(中村雅俊)あたりは、ご本人の肖像を目にする機会の多い日本人なら唸ること請け合いだし、夏八木勲の演技も日本人なら頷かずにはおれない立派な宮内庁職員。更に片岡孝太郎の昭和天皇はお見事ですわ。これも昭和天皇を接することの多かった日本人は納得せざるを得ませんな。皆さん流石の役者さんですわ。
全体的にはそんなにパッと派手な作品ではない。思いもかけない事実や斬新な歴史解釈とか派手なシーンがあるとかいうことはない。ただし、負けた日本人が描くとどうしても偏りがちになる話題なので、今回のように洋画として公開されることには価値があると思うな。この映画を全く同じ内容でオール日本スタッフで作ったら、多分「“left”からブーイング」だろうし。いやもう僕さだファンじゃ(ネタ元曲が渋すぎるわ)
アメリカ映画もアメリカ万歳ばっかりでネタが尽きてきた、ってのもあるだろうけども、対アメリカ的な映画も多くなってきてますわね。そんな映画に類する一本ですが、戦勝国アメリカからのささやかな贈り物だと思って、かっこいい日本人の姿を見るのが吉だと思いますね。そういう点では「ラストサムライ」とベクトルは同じかもね。
最後になりましたが、真面目一辺倒の映画パンフにおいて「坊主頭になってもう長いので、もし出演依頼があるとしたら、東條英機かマハトマ・ガンジーぐらいしかないかなと思っていました」という斜め上を行く発言をする火野さん。そのとぼけぶりは何つーかもう最高。一生ついていくわホント。
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