フィヨルドの変人 ~Odd person in fjord~

ぇいらっしゃ~い!!!

家族の肖像 ~ある母子の母の日の会話~

2012年05月14日 19時51分59秒 | 日記
母の日。
ぬたりは毎年行く花屋を決めている。カーネーションならある程度どこでも良いとは思うが、今年は前の日に華ちゃんライブを見て、すっかり心が洗われているので、花も奮発するつもりであるので、やはりある程度信頼できる所に行きたい。あそこは多少多く出しても良いぜ的な雰囲気を出していくと、このアレンジメントは頑張って作ったんです的なオーラプンプンで接客してくるので、選びやすいと言えば選びやすいのよね。
まあそんな具合だと、まず三千円以内では収まらなくなるけどな。

と言うわけで、花を抱えて昼前に実家帰る。まあ、向こうも母の日に帰ってくることくらいは想定してるだろう。
誰もいやがらねえ。
仕方なく、仏壇に線香などを上げ、新聞読みながら帰ってくるのを待つ。昼頃に母親は帰宅。

「帰ってたの?」
ご挨拶だなオイ。こうして母の日にちゃんと花を買ってきた孝行息子に向かって。
「ほー、これは随分良いの買ってきたねえ。それなりにしたでしょこのアレンジメント」
まあね。昨日コンサート行ってさ。なんかこう、心が洗われたんでさ、多少は奮発したのさ。
「地味だけどね」
気にしてることズバリ言ってトドメ刺すんじゃねーよ。花屋では映えてたんだよこれ。
「うちみたいな日本家屋は、もっと原色バッチリのほうが良いのよ。安物のカーネーションの鉢植えみたいな真っ赤な奴」
人の選択無にするような事言うんじゃねーっつの!
「そういえば、新聞読んでた? 母の日に貰いたい物、みたいな記事あったでしょ」
ああ、あった。アンケート取ったら、花よりもお菓子が欲しいって意見が多かったってアレでしょ。何も新聞社のアンケートにそんな俗物的な本音吐かなくても良いのにねえ。
「まあそうだけども、女はいつも正直なのさ。そういうわけだから
なにがそういうわけなのさ?  大体、菓子だっつっても銘菓こがねいもとか買ってきても喜ばないくせに。せめて買ってくるなら片原饅頭(※)買ってこいよ、とか言うくせに。
「当たり前でしょ。せっかく買ってくるなら美味しい物が当然。貧乏で菓子とかあんまり食べないからこそ、たまに食べるなら良い物を。」
そんな家に菓子なんか怖くて買って帰れるかっての。それに当日こんな記事出されても準備できないっての。
「父の日は? まだ間に合うよ」
もっとやだ。親父酒のみだから甘い物もっと五月蠅いんだもん。羊羹はとらやの一番高いのじゃなきゃやだとか平気で言うじゃん。
「本当に良い物に触れるのは人生にとって大事なのよ。あ、昼飯食ってくんでしょ。お父さん帰ってこないからスーパーで安売りしてたお弁当余ってるし」
良い物を、とか言ってた口で直後に言う言葉かそれ。

腹いせにやはり姉から母の日に届いた笹かまぼこ(姉貴も何考えとんのじゃ)昼飯にいただいてきたので、まあお互い様ではあるんだが(おい)

※片原饅頭
前橋市内にかつてあった、激ウマでならしたお饅頭。店主の高齢化や味が保てなくなった、とかの潔すぎる理由で人気があるのに閉店してしまった店。グンマーで饅頭の話になると今でも語り草になっている。
ちなみに別の店でかつて勤めてた人かなんかが「再現」と言って数年前から饅頭を売り始めている。ぬたりは食べていないので味についてのコメントは差し控えるが、語り草になるにはそれなりの歴史も必要だろうから、末永く頑張ってほしいな。
コメント
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