ちょっぴり仕事が縺れて、今日は帰れなくなりました……。
本日の1枚は例によって休載させていただきますので、悪しからずお願い致します。
話は変わりますが、最近の機内食はファーストクラスが超豪華で、一般客がバカにされていると思うのは、サイケおやじだけでしょうか?
基本的には不味いのが当たり前の機内食ではありますが、なんだかなぁ……。
僻みと言われればミもフタもありませんが、食い物の恨みは、やっぱり怖いぞ、と。
ちょっぴり仕事が縺れて、今日は帰れなくなりました……。
本日の1枚は例によって休載させていただきますので、悪しからずお願い致します。
話は変わりますが、最近の機内食はファーストクラスが超豪華で、一般客がバカにされていると思うのは、サイケおやじだけでしょうか?
基本的には不味いのが当たり前の機内食ではありますが、なんだかなぁ……。
僻みと言われればミもフタもありませんが、食い物の恨みは、やっぱり怖いぞ、と。
■Beck Bogert & Appice Live (エピックソニー)
A-1 Superstition / 迷信
A-2 Lose Myself With You / 君に首ったけ
A-3 Jeff's Boogie
B-1 Going Down
B-2 Boogie
B-3 Morning Dew
C-1 Sweet Sweet Surrender
C-2 Livin' Alone
C-3 I'm So Proud
C-4 Lady
D-1 Black Cat Moan / 黒猫の叫び
D-2 Why Should I Care
D-3 Plynth ~ Shotgun (Medley)
ベック・ボガード&アピス=BBAが来日した1973年5月に録られたライプアルバムが、いよいよ「40周年記念盤」という大義名分を得てのリマスター再発♪♪~♪ 例え過剰なオマケ付き高額商品化による中年者狙い撃ちの策謀と分かっていても、サイケおやじにとっては、決して逆らうことの出来ない現実です。
それほどBBAは凄い存在でしたし、恥ずかしながら件のライプ盤の呪縛から逃れんと覚悟すれば、それは苦行に他ならないとまでっ!?!
説明不要とは思いますが、実はジェフ・ペックが初来日したのは、その1973年のBBAにおける巡業が最初であり、しかも英国というよりは既に世界の三大ギタリストであったエリック・クラプトン、ジェフ・ペック、そしてジミー・ペイジの中でも、神様クラプトンが逼塞中、ジミー・ペイジがゼップで来日を果たしていた後であれば、殊更ミステリアスなカリスマ性の強かったジェフ・ペックに対する尊厳は絶大でありました。
しかも相方がバニラ・ファッジ~カクタスで一直線にハード&アートロックを貫いてきたティム・ボガード(b,vo) とカーマイン・アピス(ds.vo) の剛腕コンビなんですから、これに期待しなかったら洋楽ファンはやっていられませんし、夢が実現して残されたライプ盤は、所謂「イン・ジャパン物」の人気作!
それはBBAの正式なデビュー盤となったアルバム「べック・ボガード&アピス」がファンキーロックの最前線志向であったにもかかわらず、バンドメンバーに対する既存イメージと過大な期待によって、些か賛否両論が渦巻いていたからで、極言すれば煮え切らない仕上がりでありましたからねぇ~、そんなところへ供用されたされた「BBAライプ」が壮絶なハードロックトリオの典型を記録していた事が最高に嬉しかったんですよっ!
なにしろジェフ・ペックのギターがエッジ鋭く、泣いて呻いてボケとツッコミの二律背反を演じれば、ドカドカ煩いカーマイン・アピスのドラムスは極端な後ノリで爆裂し、さらにはティム・ボガードのヘヴィに蠢くベースの地鳴りが心地良すぎる世界こそ、「第二のクリーム」なぁ~んていう陳腐な冠は不要の真実でしょう。
ひたすらに曲芸的であり、実直に我が道を行き、リベンジも倍返しも相手次第の結果オーライの如き有様こそが、この顔ぶれならではの一期一会だったと思うばかりで、特に「Jeff's Boogie」は今もって語り草の人気名演♪♪~♪ 爆発的なロックのグルーヴと神業的なプレイがコピー意欲を激しく刺激の結末は、あらためて述べるまでもないでしょう。不肖サイケおやじも熱心に取り組んだ必修科目のひとつでありました。
また、個人的には「Sweet Sweet Surrender」や「I'm So Proud」といった、甘茶系ソウルパラードのファンキーロック的展開が披露されるC面が大好きになって、実は前述したデビューアルバムの不評の一因であった、そうした歌物の「こじんまり感」がライプバージョンになってみれば、その狙いと真意真相に迫れるのも、大きな魅力だと思いますねぇ~♪
そしてここに聴かれるジェフ・ペックの影響力の大きさが、レスポール信者の拡大に繋がり、サイケおやじにしても絶対的な信仰を強めたのは、それに由来するものと告白致します。
ところが、このアルバムがリアルタイムで発売されていたのは、なんとっ! 日本限定であり、それゆえに海外のファンやマニアからも熱い思い入れが注がれる作品ではありますが、基本的にレコードの価格が高い我国の事情を考慮したのでしょう。実は後年、1枚物LPとして再編集盤が世に出ています。
A-1 Superstition / 迷信
A-2 Going Down
A-3 I'm So Proud
A-4 Lady
B-1 Black Cat Moan / 黒猫の叫び
B-2 Sweet Sweet Surrender
B-3 Plynth ~ Shotgun (Medley)
B-4 Jeff's Boogie
う~ん、このブツの魅力は、何んと言ってもジャケットのカッコ良さでしょうねぇ~♪ 2枚組オリジナル盤の全くの愛想の無さから一転して、これぞっ! イメージどおりのジェフ・ペック、ここに在りってなもんでしょう♪♪~♪
サイケおやじは、もちろん既に件の2枚組LPは持っていましたが、完全にジャケ買いで中古盤をゲットした前科にも、後悔はありません。
ということで、しかし、この日本制作のライプ盤に不満が無いわけではありません。
それは全体のミッスクが整理整頓され過ぎていて、観客の拍手歓声が小さいので臨場感が薄く、しかもベースとギターが律儀に左右に分離定位というのも、なんだかなぁ……。
まあ、そのあたりは大音量で聴けば、それなりに納得は出来る気もしますが、全体的にレコードのカッティングレベルも低い傾向にありますし、特に再発された1枚物ダイジェストLPは、音質的に物足りないのが本音で感じられます。
そしていよいよデジタル時代になってのCDは、2005年に出た日本制紙ジャケット仕様盤しか聴いていませんので、単純な比較はご容赦願いたいところではありますが、なかなかシビアな仕上がりには好感が持てるものの、ちょいと細身の音は???
ですから、ついに今回の新規リマスター盤に期待が高まるわけでして、しかもメーカー側が特にネットで情報公開的に大宣伝をやっていますから、冒頭で述べたような過剰なオマケ商法批判も、サイケおやじには通用しません!
どうやらアナログ盤初出当時は収録時間の関係で変更を余儀なくされていた曲順も、実際のライブの流れと同じにされるそうで、CDの1枚目が本篇、2枚目がアンコール部分という組み合わせも高得点♪♪~♪
もちろん音質や臨場感の更なる改善には大きな期待をしていますので、速攻で予約してある以上、後は発売日を待つばかり♪♪~♪
久々にウキウキしている気分は、何物にも代えられない、まさに生きている喜びであります。
■まもなく朝 / 伊東きよ子 (CBSソニー)
作詞家の綴る世界に「具象」が強ければ、それを表現する歌手に「芝居っ気」が求められるのは必然であり、その意味で伊東きよ子は素晴らしい!
そんなふうに思い続けているサイケおやじではありますが、しかし彼女のアクの強い歌唱表現やクセのあるボーカルスタイルには十人十色の好き嫌いがある事も、また事実でしょう。
そこで本日掲載のシングル盤A面曲「まもなく朝」は、そうした賛否両論(?)を広く包括しつつも、なかなか下世話な昭和歌謡曲保守本流の名作なんですねぇ~♪
なにしろ千家和也の作詞には、好きな男との一夜の逢瀬の後の別れのせつなさが、なかなかネチッとした女の心情視点で描かれていますから、これを普通に提示された曲メロだけで歌っていたら、イモっぽさはど~しようもないわけで、だからこそ伊東きよ子ならではの「芝居っ気」歌唱が冴えまくり♪♪~♪
しかも筒美京平の作編曲がこれまた素晴らしく、極言すればバート・バカラックがスワンプロックをやってしまったが如きメロディ展開にフィリーソウルの隠し味とでも申しましょうか、実にフックの効いた歌謡ソウルの新形態と思うばかりで、もちろんそれは発売された昭和47(1972)年の洋楽流行を巧みに活かした仕上がりでしょう。
実は入れてもらっているおやじバンドでも、既に演目化しているほど!
そこまで素敵な昭和フィーリングとご理解願えれば、幸いです。
ということで、伊東きよ子には、こういう芝居っぼい場面情景的な歌が他にもありますので、これからもちょいちょいご詳細させていただく所存です。
ただし、既に述べたとおり、彼女のボーカルスタイルには、ある種のクセが強いので、残念ながら万人向けではないかもしれません。
そこんとことは、よろしくです。
■Wishin' And Hopin' c/w 行かないで / Dusty Springfield (Phillps / フィリップス)
ダスティー・スプリングフィールドは、1960年代のイギリス大衆音楽界を代表する歌手のひとりですが、様々な事情から1970年代に入ると急速に売れなくなった所為で、一時は忘れられた存在でありました。
しかし、何かの機会に彼女のハスキーな歌声や自然体でソウルフルな節回しの妙、それでいてチャーミングな表現に一度でも接すれば、必ずや虜になることは請け合い!
それほど素敵な歌手がダスティー・スプリングフィールドであります。
と、いきなり大上段に構えた書き出しをしてしまったわけですが、それでも彼女については、もう、それしかありえない魅力と凄さを感じるのがサイケおやじの立場であって、大袈裟ではなく、予断は禁物!
ただしサイケおやじが英国の音楽に興味を惹かれたのはビートルズが最初ですから、そのまんまの勢いでホリーズやキンクスに夢中になっていた間に、実はダスティー・スプリングフィールドが実力派としてポップスの王道を邁進していた実情は後追いで知ったのです。
それと、もうひとつ、これは恥ずかしながらサイケおやじの少年時代からの性癖として、年上の綺麗なおねえさまが大好きですから、当時の洋楽雑誌に掲載されていた彼女の写真を眺めては、憧れが♪♪~♪
そして最初に買ったのが中古ではありますが、本日掲載のシングル盤でした。
ちなみにダスティー・スプリングフィールドは既に述べたとおり、イギリスの歌手なんですが、アメリカでも絶大な人気をあり、このシングル盤にメイン収録の「Wishin' And Hopin'」はアメリカ優先の大ヒットになった1964年の傑作で、曲を書いたのはご存じ、バート・バカラックとハル・デヴィッドの名コンビですから、売れて当然とは言いながら、やはりダスティー・スプリングフィールドならではのソフトハスキーな声質によるソウルフルな節回しがあればこそっ!
以下は全くサイケおやじの独断と偏見になるんですが、確かに彼女がブラックミュージックの影響下にある事は間違いないとしても、モロにコピーしてるわけじゃ~なくて、白人である個性を埋没させない上手さがあると思います。
それは所謂「ブルーアイドソウル」という音楽用語で括られる事もありますが、聴くほどに染み込んでくる彼女の魂の歌声は、筆舌に尽くし難いんですねぇ~♪
もう、こんな稚拙な筆を弄するまでもありません。
ただしダスティー・スプリングフィールドに接する「きっかけ」は、例えばエルビス・プレスリーの「この胸のときめきを / You Don't Have To Say You Love Me」やベイ・シティ・ローラーズの「ふたりだけのデート / I Only Want To Be With You」等々のカーバー&リメイクヒットによってもたらされている事も、また事実でしょう。
つまり急速に表舞台から消えていった彼女の諸事情が、あれこれ気にならないと言えば、嘘になるのです。
さて、そうして時が流れた1987年、突如としてヒットチャートを賑わしたのがペット・ショップ・ボーイズとの共演「What Have I Done To Deserve This ?」でありましたが、如何にもヒネリの効いたダンス系ポップスには、ダスティー・スプリングフィールド持ち前の個性がジャストミート♪♪~♪
本国イギリスはもちろん、アメリカや世界各国でも売れまくり、息を吹き返したダスティー・スプリングフィールドは、続けて幾つかのヒットを放っていったわけですが、ここまで書いてきた諸々に関しては、ちょうどその頃、イギリスで放送された彼女の特番(!?)に接したサイケおやじの後追いの知識でありまして、輝かしくも波瀾万丈のキャリアが綴られた往年の映像や音源に感動した記憶が今も鮮烈です。
もちろんそこには落目になっていた1970年代の実相、悪いクスリやバイセクシャル問題等々も含めて、光と影の世界があるわけです。
そのあたりについては、あえてここでは触れませんが、そういうものがあっての歌の味わいが無いと言えば嘘になるような気がします。
また彼女は不治の病により、1999年に意外なほどあっさりと言えば語弊があるとは思いますが、まだまで花を咲かせる時期に亡くなってしまった現実は、如何にも「らしい」と思うばかり……。
だからこそ、サイケおやじはダスティー・スプリングフィールドのレコードを愛でる度に神妙にもなりますし、その歌の力に心底夢中にさせられるのです。
ということで、ダスティー・スプリングフィールドについては、いくら書いてもキリが無いんですが、そのキャリアの初期には兄や友人と組んだスプリングフィールズというフォーク系のグループがあり、幾つかのヒットを飛ばしていた頃の巡業中にアメリカの黒人ソウルミュージャンと邂逅!?
それによってR&Bやジャズに目覚めた(?)た彼女は前述したスプリングフィールズを人気絶頂時に脱退し、ソロシンガーに転身! いよいよブルーアイドソウルの元祖的活動に入ったというのが歴史になっています。
掲載の私有シングル盤B面に収められた「行かないで / Stat Awhile」は、ちょうどその上昇期であった1963年の大ヒットであり、当時の世界的な流行になっていたモータウンサウンドと白人ポップスの幸せな結婚、あるいはフィル・スペクターの流儀がちょっぴり滲み出た素敵な仕上がり♪♪~♪
個人的には、こっちのB面に多く針を落していたのがサイケおやじの好みの表れでしょうか。
今回、この拙文を書くにあたって久々に数次、聴きましたが、やっぱり何度でもサイコォ~~~~♪
という気持はますます強くなるのでした。
台風が来ているんで……
1日早く出張させられています。
日本は季節はずれに暑かったですが、ここもねぇ~~~。
ネットは繋がり悪いし、そんなこんなで本日の1枚は休載となりました。
明日はなんとかしますね。
■This Is The Moody Blues (Threshold)
A-1 Question (1970 : E)
A-2 The Actor (1968 : B)
A-3 The Word (1968 : B)
A-4 Eyes Of A Child (1969 : D)
A-5 Dear Diary (1969 : C)
A-6 Legend Of A Mind (196 : B)
B-1 In The Beginning (1969 : C)
B-2 Lovely To See You (1969 : C)
B-3 Never Comes The Day (1969 : C)
B-4 Isn't Life Strange (1972 : G)
B-5 The Dream (1969 : C)
B-6 Have You Heard Part 1 (1969 : C)
B-7 The Voyage (1969 : C)
B-8 Have You Heard Part 2 (1969 : C)
C-1 Ride My See Saw (1968 : B)
C-2 Tuesday Afternoon (1967 : A)
C-3 And The Tide Rushes In (1970 : E)
C-4 New Horizons (1972 : G)
C-5 A Simple Game (1969 ; single side B)
C-6 Watching And Waiting (1969 : D)
D-1 I'm Just A Singer (1972 : G)
D-2 For My Lady (1972 : G)
D-3 The Story In Your Eyes (1971 : F)
D-4 Melancholy Man (1970 ; E)
D-5 Nights In White Satin (1967 : A)
D-6 Late Lament (1967 : A)
A : Days Of Future Passed / デイ・オブ・フューチャー・パスト (1967)
B : In Search Of The Lost Chord / 失われたコードを求めて (1968)
C : On The Threshold Of A Dream / 夢幻 (1969)
D : To Our Children's Children's Children
/ 子供たちの子供たちの子供たちへ (1969)
E : A Question Of Balance / クエスチョン・オブ・バランス (1970)
F : Every Good Boy Deserves Favour / 童夢 (1971)
G : Seventh Sojourn / 神秘な世界 (1972)
ムーディー・ブルースは所謂プログレの大御所バンドであり、メロディ優先主義のポップスグループでもあるがゆえに、些か中途半端な立ち位置を強いられているのが我国での印象かもしれません。
それは「プログレ」というジャンルが、例えばイエスやキング・クリムゾン等々に象徴されるように、複雑なアレンジを用いた驚異的なアンサンブル、さらにはアドリブの応酬というロックジャズ的な演奏から証明される神業テクニシャン集団による、ちょっぴり高級な音楽!?
なぁ~んていう概念があるもんですから、殊更我国ではそうしたものを提供してくれないミュージシャンは不当に評価が低く……。
また、同ジャンルの代表的なグループのひとつであるピンクブロイドにしても、失礼ながら決して演奏技術に秀でたところが無い特質を逆手に活かしたレコード作りが上手く機能しているわけで、その意味ではムーディー・ブルースと変わらないはずが、日本における人気の差は何故!?
という疑問が常に渦巻く以上、ひとつの回答して、前述したグループにはメンバーに特別に輝くプレイヤー、例えばイエスであればリック・ウェイクマン(key) やスティーヴ・ハウ(g)、キング・クリムゾンではあれば御大ロバート・フィリップ、そしてピング・フロイドにはディヴ・ギルモアというロック少年憧れのギタリストが在籍している現実を鑑みて、ムーディー・ブルースの面々は如何にも地味なのが正直なところでしょう。
しかしムーディー・ブルースの強みは、メンバー各々が素晴らしい楽曲を書ける才能の集積にあり、だからこそアルバム単位で作品を構成し、常に押し付けない説得力とでも申しましょうか、歌詞の内容が完全に理解出来なくとも、それなりに雰囲気に浸って、素敵な音楽を聴いているという充足感に満たされるんですよねぇ~~♪
もちろんトータルアルバム志向のバンドでありながら、実はシングルヒットも多く、永遠のスタンダード曲「サテンの夜 / Nights In White Satin」を筆頭に「愛のストーリー / The Story In Your Eyes」や「Melancholy Man」等々、曲名は知らなくとも、そのメロディやリフが刷り込まれている皆様は大勢いらっしゃるはずです。
ただし、いよいよムーディー・ブルースを本格的に聴こう! と決心した時、実はこれほど何から接すれば良いのか、反比例的にとっつきの悪いグループも珍しいほどで、それは既に述べたとおり、所謂トータル志向のアルバム作りが裏目というか、自分の感性に外れたものと最初に出会うのではないか?
なぁ~んていう不信と不安があるところに、これまたムーディー・ブルースの不幸があるように思います。
それはもちろん、前述したプログレのバンドにも言える事なんですが、しかし例えそうであっても、そこにはキラキラに輝くスタアプレイヤーが存在しているのですから、リスナーのズレた気持も修正が可能でしょう。
したがってムーディー・ブルースのアルバムを買う事は、経済的&精神的な余裕を求められていたように思うんですが、いかがなものでしょう?
さて、そこで有用なのが、本日掲載のアナログ盤2枚組のLPで、結論から言えば、これは1974年に発売されたベストアンソロジーなんですが、ありがちに有名曲や人気曲を入れた安易な作りではなく、それまでの単体オリジナルアルバムと同じ手法、つまりレコード片面に収録のトラックに曲間の無い配列を施す、従来通りのトータル志向が貫かれているんですねぇ~~♪
もちろんそこには新規のリミックスや編集が用いられ、オリジナルバージョンとは異なった印象を与えられる曲もあるほどです。
一応、収録曲がどのオリジナルアルバムに入れられているか分かり易いように注釈を記しておきましたが、当然ながらムーディー・ブルースが本格的なプログレ路線に転向した1967年から黄金期だった1972年までに発表した7枚のLPとシングル盤オンリーの「A Simple Game」から成り立った構成は、聴いていても納得の手際と思います。
特にD面の分かり易い楽しさは、飽きない心地良さになっていますよ♪♪~♪
ということで、実は最近になって世に出たムーディー・ブルースの集大成ともいうべき、CDが11枚にDVDが6枚の大箱セットをサイケおやじはゲットしたんですが、例によって未だ開封していません。
また、同時に発売された濃縮盤とも言うべき4枚組&2枚組CDセットにも、ちっとぱかりの別趣向があるらしいので、それも追々に入手するべく覚悟は決めているんですが……。
結局、そういうブツに入れられているオリジナルバージョン以外のトラック、そして未発表バージョン&別テイク等々を持っていないと安心出来ない!
そんな性癖や病気を持ったファンやマニアを狙い撃ちにする企画である事が知れている以上、精神衛生の面からもお金を使う事には吝かではありません。
ただし、いきなりそんなところから入れるほど、大方の音楽ファンは寛容ではありませんから、とりあえずムーディー・ブルースを初めて聴こうとする皆様には、本日ご紹介のLPをオススメ致します。
もちろん既に述べたとおりのリミックスや編集がありますから、例えオリジナルアルバム群を集め始めたとしても、価値は失せるものではありません。
そしてハッと気がついた時、すっかりムーディー・ブルースの虜になっていたとしても、サイケおやじには何らの責任も……。
言い訳御免とさせていただきとうございます。
さっきから急にPCとネットが繋がりません……。
モデムがご臨終? それとも???
原因究明中につき、本日の1枚は休載させていただきます。
失礼致しました。
■すんまへんのブルース / 小林万里子 (FOR LIFE)
最近、熾烈な戦い(?)をやっていた仕事に、ようやくひとつのケリがつきました。
昨日深夜、相手方から泣きを入れる電話があったわけですが、それにしても分かりきっていた事を今更なぁ~~~、という気持が本音です。
しかし関西弁で「すんまへ~ん」とか言われてしまうと、先方がフェロモン過多の熟女姐さんという事あり、ついつい……、ねぇ。
そこで突然思い出したのが、本日掲載のシングル盤A面曲「すんまへんのブルース」です。
歌っている小林万里子は曲タイトルからもご推察のとおり、関西ベースのフォークブルースシンガーで、基本的には所謂シモネタ系の心情吐露が得意技!?
それゆえに表舞台よりもアングラというか、昭和53(1978)年頃からラジオの深夜放送を中心に局地的&爆発的な人気を集めながら、結局は何時しかフェードアウトした伝説の歌手でありました。
もちろん発売されていたレコードは数枚のシングル盤だけで、この「すんまへんのブルース」にしても、昭和55(1980)年に世に出ながら……。
その内容については、ここに書いても、歌の真意は伝わらないほど、小林万里子の自作自演が際立っているんですから、たまりません。
基本的には典型的なブルースロックの手法が用いられているところが、安心印のミソであり、どうやら井上陽水のプロデュースという一点豪華主義も伝説に拍車をかける要素かもしれません。
とにかく機会があれば、聴いてみて下さいませ♪♪~♪
素直に謝罪する事の大切さ、素晴らしさを痛感させられますし、その裏側にある拭いきれない諸々が、せつなくも哀しいブルースの本質じゃ~ないかと思います。
ということで、冒頭の話に戻りますが、仕事の縺れとはいえ、あちこちに義理を借りたり、陰湿な手段を用いざるを得なかったことには、流石に後味の悪さを感じているサイケおやじです。
あぁ……、人生は誰もがぶる~~す、ですかぁ……。
恥ずかしながら、そういう悲壮感に酔ってしまいそうです。
■おもいでは琥珀色 c/w ふたりだけの休日 / 豊島たづみ (ポリドール)
一世を風靡したニューミュージックの中で派手さは無くとも、特に根強い人気が今も続いているのひとりが、豊島たづみでしょうか。
正直、ルックスに好き嫌いがある事は、十人十色の感性かもしれません。
しかし場面に応じた歌の上手さや曲作りのツボの押さえ方は、なかなか絶妙な味わいがありますから、リアルタイムで残した音源が後追いで評価されるのもムペなるかな!?
一般的にはテレビドラマの主題歌として職業作家の書いた「とまどいトワイライト」を昭和54(1979)年にメガヒットさせた事が有名過ぎるのも、ある意味ではマイナス材料なのかもしれませんが、それだって充分に自分色の世界を出せていると思いますし、その意味でサイケおやじが大好きなのが本日掲載のシングル盤に収録の両面2曲♪♪~♪
まず、何んと言っても「おもいでは琥珀色」が作詞:松本隆、作曲:井上忠夫、そして編曲:萩田光雄によるボサノバ歌謡の名曲名唱なんですねぇ~♪
もう……、発売された昭和52(1977)年秋の雰囲気が今も聴く度に蘇ってくるほど、これはジンワリとせつない仕上がりになっていますし、もちろん、そこに永劫性がある事は言わずもがなでしょう。
一方、B面に収録された「ふたりだけの休日」は本人の自作曲なんですが、鈴木宏昌のアレンジが冴えた、素晴らしいAOR歌謡曲♪♪~♪ 軽いタッチのレゲエフィーリングがイヤミになっていない絶妙さは、幾分重い彼女の声質にジャストミートの大正解かと思うばかり♪♪~♪
ということで、実は豊島たづみは意外と活動期間が短くて、昭和52(1977)年の公式レコードデビューから3~4年しか表舞台で歌っていません。
それでも4~5枚は作られたアルバムは全てが名唱ばかりの傑作になっていますし、CM関連の仕事も含めて、彼女の業績もコンプリート、あるいはアンソロジーで纏められるべきと強く願っています。
そして近年、活動を再開させているという状況はネットで皆様ご存じのとおりの嬉しさで、サイケおやじはなんとかライプに接したいと、これまた切望しているのでした。
■クレオパトラの涙 / 由紀さおり (東芝)
由紀さおりが優れたボーカリストである事は言うまでもありませんが、夥しく残されている音源の中には、それゆえに埋もれている名曲名唱が少なくありません。
つまり彼女の場合、歌謡曲やジャズ、あるいは童謡等々に特定のファン層が強く存在している所為でしょうか、例えば本日ご紹介の「クレオパトラの涙」のように、単発で映画主題歌に用いられたものは、あえてヒット街道から離れたところに置き去り(?)にされた感があるのでは……?
と書いたのも、実はサイケおやじが由紀さおりの「クレオパトラの涙」を知ったのは、これが世に出た昭和45(1970)年よりも相当に後であって、虫プロで作られた大人向けのアニメそのものについては観ていたものの、主題歌がレコード化されていたとはっ!?
まさに中古屋での邂逅は青天の霹靂でありました。
もちろん歌の素晴らしさはサイケおやじに染み込んでいましたから、ブツはそのまんま、速攻レジにて、お買い上げ♪♪~♪
それがなんとっ! 先月末のことでありました、はい。
で、肝心の「クレオパトラの夢」は作詞が中山千夏!
さらに作編曲が富田勲という、これぞっ! 驚愕のコンビネーション!
あぁ~、今日は書いていて、思わず「!」を多用している自分に気がついているんですが、実際にそういう気分なんですよねぇ~♪
なにしろ曲メロや演奏パートの雄大さに負けず劣らずのボーカルが、由紀さおりならではの透明感と伸びのある個性で貫かれ、中山千夏の綴った歌詞の意味深なセクシーさも特筆物でしょう。
もう、何度でも繰り返し針を落す作業が、ナイル川の流れの如き永劫と成り得るほどです。
うむ、今年のサイケおやじの猟盤の中では、なかなか上位にランクしたいブツではありますが、決して珍しいレコードではないかもしれませんし、「クレオパトラの夢」にしても、彼女のベストアルバムには定番で収められているにちがいありません。
ただ、それが映画音楽扱いであったがゆえに、イマイチ有名ではなかったという事なのでしょう。
ちなみにレコードのB面に収録されているのが、六文銭というフォークグループが演じた「ゲリラの歌」っていうのも、そっち方面のファンやマニアにはコレクターズアイテムなんでしょうが、サイケおやじは一度聴けば、義理は果たしたというのが本音なんで、悪しからず。
ということで、レコード蒐集の楽しみは、尽きせぬ海の真砂です。
だからこそ、ど~しようもない日常生活に疲れた時、フラフラと入ってしまう中古盤屋がサイケおやじのオアシスであり、絶望も欲望も全ては喜びと快感に転化されるよう、精進を重ねていると言えば、大袈裟ですよねぇ……。
はい、それは自覚しておりますが、それでも本日掲載のシングル盤に出会ってしまうという僥倖があればこそ、乗り越えられるものもあるのでした。