■Beck Bogert & Appice Live (エピックソニー)
A-1 Superstition / 迷信
A-2 Lose Myself With You / 君に首ったけ
A-3 Jeff's Boogie
B-1 Going Down
B-2 Boogie
B-3 Morning Dew
C-1 Sweet Sweet Surrender
C-2 Livin' Alone
C-3 I'm So Proud
C-4 Lady
D-1 Black Cat Moan / 黒猫の叫び
D-2 Why Should I Care
D-3 Plynth ~ Shotgun (Medley)
ベック・ボガード&アピス=BBAが来日した1973年5月に録られたライプアルバムが、いよいよ「40周年記念盤」という大義名分を得てのリマスター再発♪♪~♪ 例え過剰なオマケ付き高額商品化による中年者狙い撃ちの策謀と分かっていても、サイケおやじにとっては、決して逆らうことの出来ない現実です。
それほどBBAは凄い存在でしたし、恥ずかしながら件のライプ盤の呪縛から逃れんと覚悟すれば、それは苦行に他ならないとまでっ!?!
説明不要とは思いますが、実はジェフ・ペックが初来日したのは、その1973年のBBAにおける巡業が最初であり、しかも英国というよりは既に世界の三大ギタリストであったエリック・クラプトン、ジェフ・ペック、そしてジミー・ペイジの中でも、神様クラプトンが逼塞中、ジミー・ペイジがゼップで来日を果たしていた後であれば、殊更ミステリアスなカリスマ性の強かったジェフ・ペックに対する尊厳は絶大でありました。
しかも相方がバニラ・ファッジ~カクタスで一直線にハード&アートロックを貫いてきたティム・ボガード(b,vo) とカーマイン・アピス(ds.vo) の剛腕コンビなんですから、これに期待しなかったら洋楽ファンはやっていられませんし、夢が実現して残されたライプ盤は、所謂「イン・ジャパン物」の人気作!
それはBBAの正式なデビュー盤となったアルバム「べック・ボガード&アピス」がファンキーロックの最前線志向であったにもかかわらず、バンドメンバーに対する既存イメージと過大な期待によって、些か賛否両論が渦巻いていたからで、極言すれば煮え切らない仕上がりでありましたからねぇ~、そんなところへ供用されたされた「BBAライプ」が壮絶なハードロックトリオの典型を記録していた事が最高に嬉しかったんですよっ!
なにしろジェフ・ペックのギターがエッジ鋭く、泣いて呻いてボケとツッコミの二律背反を演じれば、ドカドカ煩いカーマイン・アピスのドラムスは極端な後ノリで爆裂し、さらにはティム・ボガードのヘヴィに蠢くベースの地鳴りが心地良すぎる世界こそ、「第二のクリーム」なぁ~んていう陳腐な冠は不要の真実でしょう。
ひたすらに曲芸的であり、実直に我が道を行き、リベンジも倍返しも相手次第の結果オーライの如き有様こそが、この顔ぶれならではの一期一会だったと思うばかりで、特に「Jeff's Boogie」は今もって語り草の人気名演♪♪~♪ 爆発的なロックのグルーヴと神業的なプレイがコピー意欲を激しく刺激の結末は、あらためて述べるまでもないでしょう。不肖サイケおやじも熱心に取り組んだ必修科目のひとつでありました。
また、個人的には「Sweet Sweet Surrender」や「I'm So Proud」といった、甘茶系ソウルパラードのファンキーロック的展開が披露されるC面が大好きになって、実は前述したデビューアルバムの不評の一因であった、そうした歌物の「こじんまり感」がライプバージョンになってみれば、その狙いと真意真相に迫れるのも、大きな魅力だと思いますねぇ~♪
そしてここに聴かれるジェフ・ペックの影響力の大きさが、レスポール信者の拡大に繋がり、サイケおやじにしても絶対的な信仰を強めたのは、それに由来するものと告白致します。
ところが、このアルバムがリアルタイムで発売されていたのは、なんとっ! 日本限定であり、それゆえに海外のファンやマニアからも熱い思い入れが注がれる作品ではありますが、基本的にレコードの価格が高い我国の事情を考慮したのでしょう。実は後年、1枚物LPとして再編集盤が世に出ています。
A-1 Superstition / 迷信
A-2 Going Down
A-3 I'm So Proud
A-4 Lady
B-1 Black Cat Moan / 黒猫の叫び
B-2 Sweet Sweet Surrender
B-3 Plynth ~ Shotgun (Medley)
B-4 Jeff's Boogie
う~ん、このブツの魅力は、何んと言ってもジャケットのカッコ良さでしょうねぇ~♪ 2枚組オリジナル盤の全くの愛想の無さから一転して、これぞっ! イメージどおりのジェフ・ペック、ここに在りってなもんでしょう♪♪~♪
サイケおやじは、もちろん既に件の2枚組LPは持っていましたが、完全にジャケ買いで中古盤をゲットした前科にも、後悔はありません。
ということで、しかし、この日本制作のライプ盤に不満が無いわけではありません。
それは全体のミッスクが整理整頓され過ぎていて、観客の拍手歓声が小さいので臨場感が薄く、しかもベースとギターが律儀に左右に分離定位というのも、なんだかなぁ……。
まあ、そのあたりは大音量で聴けば、それなりに納得は出来る気もしますが、全体的にレコードのカッティングレベルも低い傾向にありますし、特に再発された1枚物ダイジェストLPは、音質的に物足りないのが本音で感じられます。
そしていよいよデジタル時代になってのCDは、2005年に出た日本制紙ジャケット仕様盤しか聴いていませんので、単純な比較はご容赦願いたいところではありますが、なかなかシビアな仕上がりには好感が持てるものの、ちょいと細身の音は???
ですから、ついに今回の新規リマスター盤に期待が高まるわけでして、しかもメーカー側が特にネットで情報公開的に大宣伝をやっていますから、冒頭で述べたような過剰なオマケ商法批判も、サイケおやじには通用しません!
どうやらアナログ盤初出当時は収録時間の関係で変更を余儀なくされていた曲順も、実際のライブの流れと同じにされるそうで、CDの1枚目が本篇、2枚目がアンコール部分という組み合わせも高得点♪♪~♪
もちろん音質や臨場感の更なる改善には大きな期待をしていますので、速攻で予約してある以上、後は発売日を待つばかり♪♪~♪
久々にウキウキしている気分は、何物にも代えられない、まさに生きている喜びであります。