OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

犬と名曲

2009-11-09 11:32:46 | 日本のロック

熱い砂 c/w 哀愁のキャラバン / ザ・ヴァン・ドッグス (ユニオン)

GS期に活躍していた諸々のグループはロックを基調としながらも、R&Bや欧州系ポップス、そしてもちろんサイケデリックの大波を受けた最先端派まで、それこそ様々な音楽性をゴッタ煮状態で歌謡曲に昇華していたという、実に素晴らしいバンドがどっさり♪♪~♪

本日ご紹介のヴァン・ドッグスも、決して大ブレイクはしていないバンドですが、オルガン主導のR&Bにソフトロック調のコーラス、さらに青春歌謡っぽい熱血&哀愁路線が、失礼ながら節操も感じられないほど、ナチュラルに融合させていた隠れ名バンドだったと思います。

尤も、リアルタイムでサイケおやじが強い印象になっているのは、デパートの屋上イベントで行われたライプステージの時、ジャケットにも写っている大きな犬を連れていたことですし、なんとテレビ出演の時にも、同じ犬を連れていたという、なんとも意味不明なイメージ戦略でした。きっとバンド名に因んでいたのでしょうねぇ。

まあ、それはそれとして、おそらくはデビュー作だと思われる、このシングル盤に収録の両面2曲は、なかなか素晴らしく、昭和歌謡ロックの隠れ名演だと思います。

メンバーは池ひさし(vo)、相田幹男(g)、深川文男(g)、千葉正建(org)、岡田朝光(b)、志野義孝(ds)、そしてボクサー犬が1匹! ちなみに私が見たステージは、このシングル盤を発売した直後か直前の昭和42(1967)年の春でしたが、後にテレビに登場したヴァン・ドッグスはメンバーが大きく変わっていたように記憶しています。

肝心の楽曲については、ジャケットにも大きく記載があるように、まずA面の「熱い砂」が作詞:橋本淳、作曲:田代久勝による熱血青春エレキ歌謡にR&Bのフィーリングを加味し、さらにソフトロック系のコーラスもキマった、本物の名曲にして名演♪♪~♪ 間奏で繰り広げられるエレキギターとオルガンの絡み、また素晴らしいリズムギターが全篇で冴えまくりというアレンジも秀逸ですし、リードギターのフレーズが寺内タケシの十八番「Terry-sh」を演じているのも高得点! イントロが加山雄三の「夜空の星」からモロパクリなのも、憎めませんねっ!

ちなみに作曲の田代久勝は、もしかしたら我国の人気エレキバンドだったスペイスメンのギタリストと同一人物でしょうか? だとしたら、スペイスメンのバージョンも聴いてみたいものです。

そしてB面の「哀愁のキャラバ」が、これまた同系の演奏にして、タイトルどおりの哀愁味がたっぷりの名曲名演ですが、アレンジがブルーコメッツ調なのが、嬉しくも泣けてきますよ♪♪~♪ やはりオルガンとエレキギターのコラポレーションが最高ですし、これはA面の「熱い砂」にも共通する味わいなんですが、歯切れよく、しかも相当に重くて迫力のあるベースとドラムスの存在感も耳に残ります。

また両曲のミソになっているコーラスなんですが、私が実際に体験したライプではメンバー各人が歌える人だったと記憶しています。

それと同時にインスト演奏もやっていたんですが、これがまた上手かったですねぇ♪♪~♪ 今となってはオルガンとギター、そしてリズム隊のグルーヴがアメリカ南部ソウルのブッカーTとMG's みたいだったと知れるのですが、その頃は気がつくはずもなく、粘っこいブルーコメッツ!? なんて思っていました。

ということで、ヴァン・ドックスはお気に入りのバンドなんですが、残念ながらレコードは、これ1枚しか持っていません。どうやら5枚位は発売しているらしいのですが、CD化についても勉強不足で知りませんので、今後も探索は続ける所存です。

機会があれば、ぜひとも聴いていただきたいGSグループのひとつです。

コメント
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