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サイケおやじの生活と音楽

ザ・ハードの求めた夜明け

2009-11-30 11:59:59 | Rock

夜明けを求めて / The Herd (Phillips / 日本ビクター)

大衆芸能には「見た目の良さ」、つまりルックスが大切なのは言わずもがなでしょう。ただし、それが所謂「アイドル性」に結びついた時には両刃の剣です。

実力があって、ルックスが良ければ何の問題も無いはずが、ルックスが良すぎて、本来持っている実力を真っ当に評価されないという、ある意味の悲劇が……。

本日ご紹介のイギリスのバンド、ザ・ハードは、まさにそうした典型だったかもしれません。メンバーはピーター・フランプトン(vo,g,key)、アンディ・ボウン(key,g)、ゲイリー・テイラー(b)、アンドリュー・スティール(ds) という4人組で、結成されたのは1966年頃だと言われていますが、掲載したジャケ写からも確認出来るように、なかなかルックスがイケメン揃い!

ですからロンドンのライプハウスで駆け出し中の頃から人気を集め、直ぐにレコードデビューに至るのですが、特にピーター・フランプトンのアイドル人気は、当時からダントツでした。

しかしバンドの音楽的な充実度や斬新な感覚は、決して侮れないものがあります。

それは1967年に最初のヒットとなった、この「夜明けを求めて / From The Under World」にも顕著で、ここでは欧州キリスト教会風のオルガンが雰囲気を盛り上げ、ビートルズっぽいホーンの使い方が、如何にもサイケポップのど真ん中♪♪~♪ しかも貴公子然としたピーター・フランプトンが歌う曲メロが味わい深く、それをファズギターが彩るアレンジが、なかなか忘れられません。

そして、このシングル曲同様に残されたアルバム収録の楽曲もまた、様々に趣向を凝らしたトラックが多いのですが、現実的にはピーター・フランプトンのアイドル人気ばかりが先行していくのです。

実際、それは我国でも女の子向けの洋楽情報で、圧倒的な勢いがありました。

それに伴い、もちろんヒット曲も続き、例えば「2人だけの誓い / I Don't Want Our Loving To Die」や「Sunshine Cottage」は今でも魅力を保ち続けるポップな名曲にして、1960年代ロックの名演だと思います。

しかしピーター・フランプトンはアイドル扱いが嫌で、こういうヒットが続いていた時期の1968年にバンドを脱退!?! ハンプル・パイの結成に走り、ザ・ハードも翌年には解散の憂き目に……。

結論から言えば、ハンプル・パイの結成に参加したピーター・フランプントにしても、その持ち前の音楽性が存分に発揮されたとは言い難い面がありましたから、ちょっと勿体無かったと思います。

またザ・ハードのやっていた音楽的な面白さは、我国のGSにも応用され、特にクラシック調の歌謡ロックというか、タイガース等々の後期のシングルヒットに影響が少しはあるのかもしれません。

ということで、ご存じのようにピーター・フランプトンは1970年代中頃になって、ようやく大輪の花を咲かせるわけですが、その出発点が如何にも最高だったという事実は、もう少し認められてもいいと思うのですが……。

やっぱり人生とか運命って、難しいと感じるのでした。

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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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こんばんは (bob)
2009-11-30 17:06:05
これは懐かしい♪

ザ・ハードは今となっては知る人ぞ知るバンドの類ですね。
高校当時アルバムを購入しましたが、その内容はよく覚えていません。って結局ピーター・フランプトン目当てのミーハー路線を走ってした私でした。
たしか「G線上のアリア」をアレンジして歌っている楽曲なんかがあったりして、友人に貸してもあまり評判は良くなかったような記憶があります。しかしアルバムの中の曲でフランプトンのギターワークが光るチューンが確実にあったとは思うのですが…。

「夜明けを求めて」にしろ「2人だけの誓い」にしても曲名を聞いてとても懐かしく感じるのですが、肝心の曲メロが思い出せないなぁ。
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ザ・ハードの曲メロ (サイケおやじ)
2009-12-01 11:10:16
☆bob様
コメント、感謝です。

リアルタイムでザ・ハードのLPを聴けたとは、羨ましいです。私は後追いでした。
けっこうクラシックと現代音楽を意識したアレンジやホーンの使い方は斬新だったと思います。

あと曲メロそのものについてのご指摘は、全くそのとおりですねぇ~。やっぱりアレンジとか演奏で聞かせるバンドだったのかもしれません。そしてそれゆえに、ピーター・フランプトンの容姿が、尚更に輝いたというか……。
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