OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

ストーンズ最後のモノラルか?

2009-11-27 10:34:44 | Rolling Stones

Sticky Fingers DJ Copy Monaural / The Rolling Stones (bootleg CD)

またまたプート屋の餌食になってしまった……、と悔恨の情も強いサイケおやじですから、今回は「話のタネ」として書きます。

1960年代後半のいろんなゴタゴタから抜け出し、ストーンズが自らのレーベルを立ち上げての最初のアルハム「スティッキー・フィンガーズ」は、1971年の大名盤! もちろん公式発売されたアナログ盤LPは時代の要請でステレオミックスだけでしたが、実はラジオ放送局用に極々少数だけ、モノラルミックスのDJコピー盤が作られていました。

それが今回のネタ元なんですが、もちろんオリジナルの現物を私は見たことがありません。僅かに某マニアが出していたファンジンで写真を拝み、また文字によるデータを読んだだけで、その存在を信じているわけですから、最近発売されたプートによる復刻にしても、もしかしたら既存のステレオミックスをモノラルに落としただけのインチキ盤? という疑惑から逃れられません。

しかし実際に店頭に並んだブツを目の前にしては、買わずにいられないのが「ストーンズ命」の哀しい宿命です。

 01 Brown Sugar (A-1)
 02 Sway (A-2)
 03 Wild Horses (A-3)
 04 Can't You Hear Me Knocking (A-4)
 05 You Gotta Move (A-5)
 06 Bitch (B-1)
 07 I Got The Blues (B-2)
 08 Sister Morphine (B-3)
 09 Dead Flowers (B-4)
 10 Moonlight Mile (B-5)

収録の上記演目は公式盤どおりですから、内容については割愛させていただきますが、結論としては、そのステレオミックスよりも低音域、特にドラムスとベースが前に出た、なかなか骨太の味わいが強いです。

これはアナログ盤、および公式CDと比較しても分かるところですが、残念ながら最近のリマスターCD盤は持っていないので、それとの違いは述べることが出来ません。

しかし、やっばり名盤としての存在感があるにせよ、モノラルミックスの良さは捨て難いですねぇ~♪

ちなみにモノラルミックスのシングルバージョンが存在している「Brown Sugar」や「Sway」についても、ここではやっぱりアルバムバージョンでしたし、アメリカだけで配布されたプロモーション用シングル盤に収録された「Wild Horses」のモノラルミックスの編集バージョンも、ここには入っていなかったことが判明!?!

つまり公式通常盤との大差は、単にモノラルミックスになっているだけという事なんですが、実は英米でシングルカットされた「Bitch」がモノラルミックスでしたので、聴き比べると、わずかながらこちらが細い音なんですねぇ。これはCDによる弊害かもしれませんが、アナログ盤で聴き比べると、ミックス的には変わっていないので、ご安心下さい。

で、気になる音質なんですが、確かにアナログ盤から落とした証明として無音部やフェードアウトしていくところで「針音」が聞こえます。しかし大部分においては最新技術で、そうした「雑音」は極力消してありますから、問題無く聴けるはずです。

否、むしろ、そうして残した「針音」が本物の証明として、いじましいほどに良い仕事ってことかもしれませんね。プートを楽しむ基本は「気持良く騙される」とはいえ、今回は結果オーライだと思います。

さて、今回のブツの限定2枚組セットにはオマケとして、ストーンズが翌年に発表した渾身の傑作アルバム「メインストリートのならず者 / Exile On Main St.」のイギリス盤テストプレスが復刻追加されています。

 01 Rocks Off (A-1)
 02 Rip This Joint (A-2)
 03 Shake Your Hips (A-3)
 04 Casino Boogie (A-4)
 05 Tumbling Dice (A-5)
 06 Sweet Virginia (B-1)
 07 Torn And Frayed (B-2)
 08 Sweet Black Angel (B-3)
 09 Loving Cup (B-4)
 10 Happy (C-1)
 11 Turd On The Run (C-2)
 12 Ventilator Blues (C-3)
 13 I Just Want To See His Face (C-4)
 14 Let It Loose (C-5)
 15 All Down The Line (D-1)
 16 Stop Breaking Down (D-2)
 17 Shine A Light (D-3)
 18 Soul Survivor (D-4)

結論から言うと、こっちはステレオミックスのアセテート盤からの針落としだそうですから、そうした雑音を消す手直しが顕著な所為でしょうか、公式アナログ盤に比べると、些か音が細い感じです。

また肝心のテイク&ミックス違いも、未だ発見に至っていませんが、しかし特筆すべきは曲間が公式盤とは異なる部分が散見されるところでしょうか。特に曲の最後が次のイントロ部分にクロスしていた「Rip This Joint」から「Shake Your Hips」への流れは分断されています。まあ、このあたりは制作過程で業者が意図的にやったことかもしれませんが……。

ということで、決して普通のファン向けのブツではありません。既に述べたように、あくまでも「話のタネ」でしょう。

ただ、本物を入手するメドが全く無い私のような者には、こういうレプリカでも欲しくなるのが人情、と言ったら失笑かもしれませんね。

こういう居直りというか、わかっちゃいるけど、やめられない道を歩んでいるのが、サイケおやじの本性なのでした。

コメント
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