OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

ディープ・パープルのトホホの時代

2009-11-22 11:05:54 | Rock

Emmaretta / Deep Purple (Tetragrammaton / 日本グラモフォン)

なんともトホホなジャケ写とマヌケ寸前のデザインは!?!? これがハードロックの王者として君臨するディープ・パープルのイメージとしてOKが出されていたんですから、我国で発売された昭和44(1969)年当時の存在感が知れようというものです。

しかし当時からの、いや、全盛期からのファンにとっても、この仕打ちは完全に噴飯物!

というか、怒りすら覚える人も少なくないでしょう。

肝心の楽曲「Emmaretta」はディープ・パープルの3枚目のアルバム「Ⅲ」制作時のセッションから、先駆けて発売された期待の新曲! の、はずが全くヒットせず……。ですから前述のアルバムにも収録されなかったというテイタラクでした。

しかし個人的にはファンキーな味わいが強く打ち出された演奏は大好きですし、後のニューソウルっぽいカッティングやワウワウを多用したリッチー・ブラックモアのギターは、完全に時代の最先端を行くプレイだと思っています。

このあたりは当時のディープ・パープルがアメリカ優先の活動をやっていた成果なんでしょうが、実はこの頃のバンド内部はガタガタ……。なんとボーカリストのロッド・エヴァンスはハリウッドスタアへの転身を目論んでいたそうですし、ベーシストのニック・シンパーはリッチー・ブリックモアとソリが合わず、またジョン・ロードはクラシックとロックの融合に熱心だったというのは、今や歴史でしょう。

ですから、そんなこんなが我国のレコード会社にも波及していたのでしょうか……?

しかし、ここまで来ると、もはや「キッチュ」の一言では片付けられませんし、笑って許しての世界でもありません。

幸いなことにディープ・パープルは翌年になって起死回生のシングル大ヒット「Black Night」を出し、以降は王者への道を邁進するのですから、この「Emmaretta」の日本盤シングルのジャケットは尚更に……。

ご存じのように海外のシングル盤には、日本盤の様な所謂「ピクチャースリーブ」は無いのが普通ですから、こんなブツが出ていた過去はグループにとっても泣き笑いかもしれませんね。

これも洋楽の楽しみのひとつだと思います。

コメント (2)
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