OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

歌謡ロックバージョンの可愛いひとよ

2014-05-08 14:13:32 | 日本のロック

可愛いひとよ / ローズマリー (フィリップス)

1970年代中頃からのベイ・シティ・ローラーズ=BCRの世界的大ブレイクは以降、数多くの亜流バンドを輩出するに至りましたが、昭和51(1976)年に本日掲載のシングル盤を出した我国のローズマリーも、そのひとつでしょう。

ただしローズマリーは決して新人バンドではなく、オックスの正統を継ぐ名門グループとして幾枚かのレコードを既に残していたキャリアがあり、拙プログでも以前に「センチメンタル急行」をご紹介しています。

しかし、それでもあえてBCRスタイルに転身したのは、ローズマリーとしては売れていなかったからで、当然ながらメンバーチェンジがあった事は、掲載のジャケ写に一目瞭然の現実でした。

中でも注目されたのは、既にアイドルシンガーとして「青い麦」等々のヒットを放っていた伊丹サチオ(vo)、そして今日では生沢佑一として活躍している弾ともや(vo) の参加であり、他に岡田志郎(g)、堀としゆき(key)、福井利男(b)、夕己ハルオ(ds) という顔ぶれも現場主義の実力者揃いですから、本当は侮れないグループであったと思います。

ところが、やっぱりBCRの後追いというイメージが、ルックスからもミエミエでしたからねぇ~~、ガチガチのロックを求めていた向きには軽く見られていた事は言うまでもありません。

もちろんサイケおやじも、そのひとりでありました。

さて、ちょうどその頃のサイケおやじは、これまでにも度々書いてきたとおり、気儘な学生時代に入れてもらっていたバンドで、ちょっぴりアルバイト的にお金を頂戴する事もあったんですが、夏休みの合宿名目でバンドメンバーの友人の実家が営んでいた某海浜ホテルで2週間ほど演奏する事になり、勇んで十八番の西海岸系ロックをやったものの、全くウケず……。

結局は往年の懐メロヒットあたりを強要され、その流れでBCRもリクエストされたりと、まあ、ど~にも世の中の厳しさを痛感させられたんですが、そんな時に売店でバイトしていたJKから教授されたのが、この新生ローズマリーが演じるところの「可愛いひとよ」だったんですねぇ~♪

そしてこれが一発でサイケおやじの心を鷲掴みにする、せつない味わいのロッキンソウル歌謡でしたから、たまりません♪♪~♪

黒人音楽の黄金律的コード進行に基くイントロから弾んだリズムアレンジの楽しさが絶品ですし、作詞;阿久悠&作曲:大野克夫の狙いも、そこらあたりにあるとしか言えない素晴らしさです。

また、深町純のアレンジが如何にも当時流行のフィリーソウルとシティミュージックを懐かしのGS風味に融合させたような、今となってはAOR歌謡のバブルガム的解釈かもしれませんが、とにかくキャッチーさが抜群!

早速、バンドメンバー協力一致の練習に熱が入ったというわけです。

ちなみに、この「可愛いひとよ」にサイケおやじがグッと惹きつけられたのは、どっかで聞いたことがあるような……、という耳馴染みがあったからで、実はご存じのとおりも、これはローズマリーのオリジナルではなく、既に昭和45(1970)年、クック、ニック&チャッキーと名乗るイカシたダンス&ボーカルトリオで局地的に流行っていたソウル歌謡の隠れ名曲だった真相があったわけでして、もちろんサイケおやじがそれを知り得たのは、ローズマリーのバージョンに接してから数年を経た頃でした。

そして件のオリジナルバージョンが入ったレコードもゲットしてありますので、クック、ニック&チャッキーについても含め、何時かはご紹介する所存です。

ということで、最後になりましたが、当時はツインリードのボーカルが何故か流行りで、ローズマリーの他にもチャコヘルとか、日本では未だホール&オーツが大ブレイクする前だった事を鑑みれば、例のピッグやウォーカー・ブラザースあたりからの流れだったんでしょうかねぇ~?

あっ、翌年には「あずさ2号」のデビュー大ヒットを出した狩人も、そうですねっ!

そんなこんなの疑問を思い起こしてみるのも、楽しいですし、併せて歌謡ロック万歳♪♪~♪

コメント (9)
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