OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

家族そろってファンキーグルーヴ

2014-05-22 16:42:25 | 歌謡曲

上級生 c/w 恋の大予言 / フィンガー5 (日本フォノグラム)

沖縄出身のフィンガー5は和製ジャクソン5として、昭和歌謡史にその名を刻するファミリーグループですが、決して最初っからブレイクしていたわけではなく、下積みがきっちりありました。

もちろん、その時代の彼等は文字どおりの子供達だったもんですから、バンド名をベイビーズ、あるいはベイビー・ブラザーズとして、既に関東周辺の米軍関係施設や飲食店等々でライプをやっていたんですよっ!

実はサイケおやじは昭和46(1971)年末頃、彼等のライプに接しているんですが、「バンド」と前述したのは玉村家の一夫(g)、満男(ds)、正男(b,vo)、晃(vo)、妙子(key,vo) という編成で、本当に自前の演奏が出来ていました。

ただし、それは決して上手いとは思えず、それでも纏まりの良さは確かにありましたですよ。

というか、彼等は沖縄に在住していた頃から既にセミプロであり、昭和45(1970)年頃にレコード契約を得て上京してきた事を後に知ってみると、ベイビー・ブラザーズとしては決して売れませんでしたが、根性は据わっていたと思いますし、今となっては成功も時間の問題だったような気がしています。

そして、いよいよ世界中で人気者になっていたアメリカの黒人兄弟グループのジャクソン5を強く意識したスタイルのフィンガー5となって再デビューすれば、昭和48(1973)年に出した「個人授業」のメガヒットから忽ちの大ブームを巻き起こした事は説明不要と思います。

本日掲載のシングル盤はちょうどフィンガー5の全盛期だった昭和49(1974)年秋に発売された傑作で、ファンキーグルーヴが大爆発!

それが本来はB面収録の「恋の大予言」では極まっているんですから、レコード会社も速攻でジャケ写を差し替えた掲載のブツを出してきたのもムペなるかな、作詞:阿久悠&作編曲:井上忠夫の狙いもジャストミートしまくっていますよ♪♪~♪

なにしろ冒頭から晃と妙子が入れ違いに唱える呪文でツカミはOK♪♪~♪

 ばからばから ぺてんのふきぬけ

 あぶどらばんちょのべそっかきぃ~

と、まあ、全部書いてしまうと、些かヤバイ部分もあるんで、後は聴いてのお楽しみではありますが、当時の子供達はこれを真似っこしていたような記憶があります。

また当然ながら、スタジオミュージャンによるバックの演奏は完璧の一言ですし、フィンガー5の歌いっぷりの良さも楽しさが満点でしょう。

ところが現場の事情は些か苦しいものがあったようで、これは後にテレビや各種マスコミからの報道で知ったんですが、当時はリードボーカルの晃が変声期に入っていたことから、ウリだったハイトーンボイスに無理が滲んできたそうてすし、売れっ子の宿命というハードスケジュールからメンバーの健康問題も浮上する等々、まさに芸能界残酷物語が……。

そして以降、フィンガー5はメンバーチェンジも虚しく、人気は下降線となる諸行無常は、この世の真理!?

ですから本来のA面曲「上級生」を聴くと、最高の楽曲とバック演奏を提供されながら、肝心の晃のボーカルが本当に刹那の節回しで、だからこそボーカルグループとしてのフィンガー5が楽しめるとはいえ、これをライプステージやテレビ出演でやるのは、流石に選択は難しいという推察は容易です。

しかしフィンガー5の凄さと素晴らしさは、それゆえに強く感じ入るばかりなのが、このシングル盤というわけなんですよ。

ということで、最近はこういうファミリーバンド&グループが登場してくれないところに芸能界の煮詰まりを感じてしまうサイケおやじであります。

そりゃ~、確かに現代は少子化ですし、家族でバンドをやるなんて事はカラオケに夢中になるよりも可能性が少ないと思いますけどねぇ、だからこそ、今でしょう~。

最後になりましたが、サイケおやじだって、昔はファミリーバンドを夢見たという告白をさせていただきます。

コメント (4)
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