OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

岡崎友紀の歌が好き♪

2009-08-18 12:04:44 | 歌謡曲

しあわせの涙 / 岡崎友紀 (東芝)

日本の歌謡ポップスが黛ジュンのブレイクによって完全に主流となった昭和40年代、それに追従する多くの同系女性歌手が登場しました。しかし彼女達は現代で言うところの「女性アイドル」とは、些か雰囲気が異なっています。

それは彼女達の年齢が二十代であり、また黛ジュンとトップを争っていた奥村チヨや小川知子、中村晃子にしても、その多くが再デビューや女優からの転身組でした。つまり「スタア」であっても、「アイドル」とは呼び難い、雲の上の憧れの女性だったのです。

平たく言えば、お姉さん系♪♪~♪ ゆえに私は大好きだったんですけどねぇ♪

さて、そんなところへ出現したのが、本日の主役たる岡崎友紀です。

ご存じのように彼女は子役時代を経て、昭和44(1969)年頃からテレビドラマやバラエティ番組へ頻繁に顔を出すようになり、その愛くるしい面立ちと溌剌とした演技や雰囲気の良さで、忽ち人気スタアになりました。

当然、芸能雑誌にもグラビアだけでなく、早い段階から表紙にも起用され、サイケおやじと同世代の皆様ならば、きっとファンだったり、胸キュンの思い出になっている「アイドル」でしょう。

つまり「アイドル」の条件のひとつ、等身大の親しみやすさが、彼女の新鮮な持ち味だったと思いますし、実際、彼女はリアルタイムで17歳だったのです。

ただ、正直に言えば、岡崎友紀のルックスやムードは決してサイケおやじの好みではありません。しかし彼女の歌、歌唱力と声質の素晴らしさには完全に参っていました。

で、本日ご紹介のシングル盤は、恐らくは彼女のデビュー曲でしょう。発売されたのは昭和45(1970)年の春頃だったと記憶しています。

まず歌謡フォーク調の曲メロが抜群に良いですねぇ~♪ いきなり胸キュンのイントロは原曲のシンプルな変奏ですが、グッとせつない気分にさせられます。

そして既に述べたように、岡崎友紀のハートウォームの声質は、その伸びやかさが素晴らしく、またイヤミの無い節回しが逆に説得力抜群! もちろん女性アイドルそのものという爽やかさは言わずもがな、多重録音による「ひとりコーラスハーモニー」も実に上手いですし、なによりも曲メロのせつない雰囲気を大切にした歌詞の解釈は、今になって思えば、新人ばなれしていたと思います、

このあたりは後に知ったことですが、彼女は子役時代からミュージカルの舞台も踏んでいたそうですし、演技の経験も活かされたにちがいありません。

またサウンド面では、典型的なフォーク歌謡ということで、生ギターやピアノのフォークロックっぽい使い方に加え、最初から最後までドライヴしまくったエレキベースが圧巻! また哀愁のトランペットや細かいギターの寄り添うフレーズが最高のアクセントになって、彼女の歌を盛りたてるのです。さらに控えめにミックスされたドラムスが、実は流石の目論見となってジャストミート♪♪~♪ 薄めなストリングも同様だと思います。

ですから、忽ちの大ヒットは当然が必然!

以降、その人気は十代をメインに急上昇するのですが、その決定打がテレビドラマの「おくさまは18歳(TBS)」でした。これは確か同年秋頃から放送されたと思うのですが、教師と女子高生が同じ学校に在籍していながら、実は新婚の夫婦だったという設定が絶妙のコメディとして、まさに驚異的な大ブレイク! 些か脂っこい中年者のような石立鉄男に明朗快活な岡崎友紀が「おさな妻」というアブナサも、それが絶対の秘密主義を押し通す様々なドタバタ劇によって、最高に好奇心を刺激するキュートな物語になっていました。

そして岡崎友紀はブロマイドやレコードのセールスでも頂点に立つ、まさにトップアイドルになったのです。

当時、サイケおやじの周囲にも、彼女の切り抜きを大切に手帳に入れている者や、ポスターを自室にベタベタと貼りまくっている奴が大勢いましたですよ。また彼女自身も分かっているというか、明るい笑顔はもちろんのこと、ミニスカやホットパンツ、水着やスケスケの衣装までも出し惜しみしない姿勢は、持ち前の健康的なムードやルックスと合致して、最高の魅力を存分に披露していたのです。

ドラマでの活躍はこの後、ミニスカのバスガイドを演じた「なんたって18歳!」も大ヒットしていますが、やはり等身大の18歳だった彼女が演じてこそ、リアルな魅力が全開していたのでしょうね。

肝心の歌手活動にしても、前述した人気ドラマの主題歌「おくさまは18歳」をはじめ、翌年に出した「雲と渚と青い海」とか「天使はこうして生まれるの」等々は、まさにアイドルポップスの基礎をがっちりと作り上げた名曲名唱でしょう。いずれもフォークロック歌謡として、出色の仕上がりになっていますが、それにしても彼女の歌の表現力が素敵です♪

それと個人的に高得点なのが、昭和45年末に発売された正統派哀愁路線の「鳩時計は唄わない」で、それが極みつきとなったのが、昭和歌謡曲最高峰のひとつとして昭和47年秋~冬にヒットした「私は忘れない」です。これは後に必ず取り上げる所存ですが、気になる皆様は速攻で聴いてみてくださいませ。必ず、泣きます♪♪~♪

ちなみに彼女は耳が素晴らしく良いでしょうねぇ、その昔、テレビだったかラジオだったかで、初期ユーミンの物真似を演じたんですが、それが絶品過ぎて笑えないほどでした。

ということで、歌手としての岡崎友紀が大好きなサイケおやじです。

それゆえにテレビの活躍については、何時もスヌーピーのぬいぐるみを持っていた姿ぐらいしか印象に残っていないのですが、ソニーの御曹司との結婚や離婚を経て、今ではすっかり地味なと言うよりも、忘れられたような状況は、ちょっとさみしいな……。

もう一度、彼女の歌が聴きたいのは、私だけではないと、固く信じております。

コメント (5)
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