OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

いちご白書とサークル・ゲーム

2011-09-09 14:57:20 | Rock

The Circle Game / Buffy Sainte-Marie (Vanguard / キング)

サイケおやじと同世代の皆様ならば、きっと「いちご白書」という映画を覚えていらっしゃるでしょう。

ユーミンも「いちご白書をもう一度」なぁ~んていう人気曲を作っているほどですから、その影響力は絶大というところですが、映画そのものはアメリカの学生運動を描いたもので、個人的にはそれほど面白いとは思いませんでした。

というか、サイケおやじの感じ方からすれば、学生運動になんか興味は無くとも、それに関わっている女の子とイチャイチャ出来るきっかけを求めて参加する男の姑息な欲望を描いたところには、何か共鳴出来るぐらいです。

あとは劇中でキム・ダービーが買い物カートを押す場面で、超ミニスカのパンチラが目に焼き付いたのは最高でしたが、全篇に漂う無気力でネクラなムードはイマイチ……。

しかし主題歌だった本日ご紹介の「The Circle Game」は、良かったですねぇ~~♪

ちなみに映画「いちご白書」にはニール・ヤングの「Down By The River」や「The Loner」、CSN&Yの「Our House」や「Helpless」等々の人気ロック曲に加え、プラスティック・オノ・バンドの「平和を我らに」が出演者の合唱で歌われるというところも話題の注目点だったんですが、それを差し置いてサイケおやじの印象に一番強く残ったのが、バフィー・セントメリーが歌う「The Circole Game」でありました。

とにかく爽やかなイントロから弾みまくったフォークロックのリズム&ビートが心地良く、同時に溌剌としたバフィー・セントメリーの歌い回しが、何度聴いても最高なんですよねぇ~~♪

妙にクセのある曲メロも良い感じ♪♪~♪

ですから我国のラジオでもオンエア率は高く、相乗効果でリバイバル上映される「いちご白書」を鑑賞された皆様も多いと思います。

しかしアメリカでは、ほとんど売れていないんですから、これもまた日本独自の洋楽ヒットになるんでしょうか。

肝心の歌っているバフィー・セントメリーは、アメリカインディアン系のカナダ人らしく、ニール・ヤングやジョニ・ミッチェルとも深い交流があったシンガーソングライターではありますが、実は「The Circle Game」を書いたのはジョニ・ミッチェルであり、この「いちご白書」に同曲が使われたのも、そのあたりの経緯が濃厚だと思われます。

また良く知られているように、バフィー・セントメリーは有名な作編曲家のジャック・ニッチェと夫婦関係があって、そういえばニール・ヤングの初期の作品にはジャック・ニッチェが深く関与しているところにも、何か関連があるという推察は易いと思います。

ただしアメリカにおいてバフィー・セントメリーが有名になっているのは、1960年代後半からの反戦運動、特にベトナム戦争へのアメリカの姿勢を強烈に批判する先頭に立っていたことによる危険人物としての存在感で、それゆえにカナダでは幾枚も吹き込んでいたレコードが、アメリカでは当局の圧力によって云々という現実もあったようです。

まあ、そんなこんなが学生運動を扱った映画の挿入歌にはジャストミートの使われ方であったにしろ、結果的にサイケおやじは「The Circle Game」によってジョニ・ミッチェルという才能に目覚めた事もあり、本当に忘れられない名曲名唱だと思っています。

ということで、それにしても、「いちご白書」を鑑賞しに女の子と映画館に行った野郎どもは、今日まで何人ぐらい……???

これは前述した「いちご白書をもう一度」の影響もあるかもしれませんが、それが昭和50年代の日本ではひとつの流行だった時期もありました。

ただしサイケおやじが映画館で観たのは昭和47(1972)年、残念ながら孤独な鑑賞であったことを告白しておきますが、それで良かったと思うのは決して負け惜しみではありません。

何故ならば、あの映画は男の誰もが持っている下心を描いたのかもしれないのですから……。

失礼致しました。

コメント (8)
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