■決定版! ローリング・ストーンズ・デラックス (Decca / キングレコード)
これは私が初めて買ったストーンズのLPです。
発売されたのは昭和43(1968)年11月末でしたから、私がゲットしたのは翌年のお正月、お年玉を使いました。
実は度々述べてきたように、私が本格的にストーンズ命の世界に入ったのは同年に出た「Jumpin' Jack Flash」に狂わされてからです。そして初めて聴いたストーンズのアルバムにしても、従姉から借りた「あなたが選んだゴールデンアルバム」という、日本編集のベスト盤でした。
それなのに、なんでまた、ベスト盤を?
という疑問は至極当然だと思いますが、それは収録曲目で、ご理解願えると思います。
A-1 Time Is On My Side
A-2 Pain In My Heart
A-3 Mona / 愛しのモナ
A-4 Cry To Me
A-5 Everybody Needs Somebody To Love
A-6 I Wanna Be Your Man / 彼氏になりたい
B-1 Heart Of Stone
B-2 Can I Get A Witness
B-3 2120 South Michgan Avenue
B-4 If You Need Me
B-5 I Can't Be Satisfied
B-6 Walking The Dog
どうです、この真っ黒にシブイ選曲♪♪~♪
前述「あなたが選んだゴールデンアルバム」が、「黒くぬれ!」「涙あふれて」「一人ぼっちの世界」、そして「Satisfaction」や「夜をぶっとばせ!」等々、真にストーンズの大ヒット&人気曲を集めていたのに対し、こちらは実にマニアックでありながら、全くストーンズの本質をズバリと突いたプログラム! 今もって秀逸だと思います。
しかし若き日のサイケおやじは、そんな事に気がつく道理もなく、ただ「あなたが選んだゴールデンアルバム」とは異なるベスト盤が聴きたかっただけなんですが、それにしても、この熱い歌と演奏にはシビレましたですねぇ~~♪
ちなみに当時はモータウンやアトランティック系の黒人R&Bが、ようやく我国でも人気を集めていた時期でしたし、そのあたりの流行を察知して組まれた特殊形態のベスト盤という意図があるのかもしれません。
そして見事にその思惑に狙い撃ちされたのが、サイケおやじでした。
特に「Walking The Dog」や「Everybody Needs Somebody To Love」、そして「Pain In My Heart」や「If You Need Me」といった深南部系R&Bには、完全にやられましたよっ!
また同時に、「Time Is On My Side」や「Heart Of Stone」あたりの、所謂ストーンズ流儀の泣きのパラードにも感涙したのですが、こういう世界は明らかにビートルズでは感じることの出来ない、別物の魅力に目覚めたのです。
その意味で、ビートルズと競作になっている「彼氏になりたい」には、ちょっと……。
実はご推察のように、私はそれまでストーンズのアルバムはもちろん、ヒットシングル曲にしても、ほとんど意識して聴いていませんでした。何故ならば、当時はビートルズがなんでも一番! ストーンズだって、その他大勢のポップスバンドと同じ扱いだったんですよっ、信じてもらえないでしょうが……。
それと不思議な魔力に吸いつけられたのが、シカゴブルースへの愛情コピー「I Can't Be Satisfied」でした。そしてブライアン・ジョーンズが弾くスライドギターこそが、演奏の要と知るのです。
ということで、いよいよストーンズという魔界に足を踏み入れたサイケおやじの、今日は最高にぶる~~すな1日になりそうですから、ついつい、こんなアルバムを朝から聴いてしまったというわけです。