松美の言絵(いえ)

私は誤解されるのが好きだ。言い訳する手間が省けるから。

今井雅之の決心

2015-05-30 07:37:32 | 日記・エッセイ・コラム

 亡くなる1ヶ月前の会見を、始めから終りまで見ていた。まず、末期がん患者が、病室から出て、病院着から普段着に着替えて、人前に出られる格好になった時点で、かなりの労力を浪費しているはずだ。そこで一度、休息を取らなければ、次の行動を起こせないだろう。会見の場に現れるまでが、すでに役者なのだ、役者をこなしていることになるのだ。多分、役者魂だけで、あの場に立ったに違いない。声が出ないことは即、体力を相当消耗していることを意味している。だからあの時点ですでに、根性だけで動いていたに違いない。悲壮感の中に、強い「決意」を感じ取った。死にたい位、つらい思いをして、生きていたのは、あの場に立つためだったのだろう、と思う。その後も、舞台挨拶を欠かさず、続けていられたのは、まねのできない体力と気力を、それにぶつけたからだろう。無念極まりない、表情を見せた瞬間もあった。しかし今井雅之という役者は、私の心の中にまで、しっかりと刻み付けられた。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ブルーインパルスのテスト飛... | トップ | ブルーインパルスは、金足と... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日記・エッセイ・コラム」カテゴリの最新記事