草花をいじるようになって、嫌だったのがナメクジ。でもそれも長年鉢物をいじっているうち慣れて来た。嫌はイヤだが、性質上避けて通れない。
だから鉢を持って、指にヌメッとした感触がある時は、鉢ごとぶん投げたくなる。それを冷静に我慢する。
考えてみればナメクジは殻の無いカタツムリだから。カタツムリを触れる人ならば、ナメクジも触れるはず。
一番嫌いな虫は他に居る。やたら足の数が多い虫が、私は一番キライだ。
下痢して浴室から出られなかった時、ケツは浴室、上半身は脱衣所に横になって寝ていた。というか寝る事は出来なかった。間にレールがあって、邪魔だから風呂マットを敷いていた。アレの来る間隔が短いのと、具合悪いのと、あってウトウトぐらいはしていた。
投げ出した腕に何かの虫の気配がした。ふと頭を持ち上げて良く見ると、例のアレだった。足が何十本もあるヤツだった。つまりムカデだよ。
飛び起きる元気も無かった。ただこうしては居られない。そばにあったペットボトルの底で、頭めがけてバンバンバンと、動きが止まるまで打ち続けた。
それを何かにくるんで捨てに行く元気は無かった。自分の頭の20cm先に放置したまま、出してはシャワー、出してはシャワーを繰り返すだけだった。
居るんですよ。普通に。ヤツらは。だって風呂のタイルの排水口に、目皿があるでしょ。その目皿にカップが付いているんだけど、水を貯めて置けないの。ふちがすり減って、自由通行になっているのよ。
確かめた方がいいですよ。あなたの家も。髪の毛が邪魔をして水が抜けて、虫が入る場合もありますからね。
あの時、思いました。なんか、ムショ暮らしみたいだな。きっとこんなんだろうな、と。
或いは捕虜になって捕まった収容所というか・・。
「世界で最も美味しい野草花サラダをご存知ですか?」
見た目にも美しいサラダでしたね。
そしていずれ将来、養殖大百足が、タラバガニ八本足に勝る美味しさと収量の多さで、もてはやされるようになる。かも。
養殖大ナメクジもフランス料理の定番として。
そのころには、きっとあなたも大好きになる。。かも
あの時、監獄を想像すると共に、虫でもうれしいという話を思い出しました。阻害されて誰も来ないこの部屋に。訪れるものならば、例えムカデでもうれしい。キミはオレの友だ。