厳冬の温室には、期待以上の花々が咲いていたが。予期せぬ場所に、予期せぬ形で華が咲いていた。大きなキャンバスだった。一瞬で心を奪われた。
一体なぜ、こんな場所に、こんな絵が。誰が書いた?
ヒントはあった。おそらく地元の中学生あたりの名前だろう。何でここにあるかは、聞かないと分からない。さっきコートダジュールの名前を教えてもらった彼女に聞いてもいいが。謎があった方が面白い。
オレの目は、色の鮮やかなものに反応する。同じ絵でも、カラフルな絵が好きだ。特に、色の無い世界から来たから。そう考えるのかも。しかしもったいない気がする。
この部屋は、机とイスがあり。勉強したり講義を聴いたり出来る。でもこれを、ただ壁にしておくのはもったいない。
かと言って、前に熱帯植物の花を置いても。どっちも目立たない。
観葉植物なら、合うかも知れない。
作者の顔を見たいなあ。二人の合作ってこと?
どんな子たちだろう。